33
「おいジジイ! テメエ何しやがった!」
イベント中に死に戻りをしてしまったプレイヤーや、イベントクリアをしたプレイヤーは、全サーバーがイベント終了するまで観戦部屋に強制転移させられる。
ジジイより一足早く観戦部屋に来ていたラファエルは、転移してきたジジイを確認するや突っかかってきた。
「虎退治じゃよ」
「ふざけんじゃねぇっ!! テメエだろ!! 俺達を殺したのは!!」
「だから危ないから退避しろ言うたんじゃ」
「あんなのが起こると誰が思うんだよ!!」
「他の子らは退避したぞい?」
そう、ゼロ経由とはいえ、ラファエル一派以外はきちんと退避したのである。そんなん言うても知らんがな。が、ジジイの言い分である。
「ラファエルさん。お爺さんは確かに退避せよと仰りましたよ?」
「アタシも危ないから退避しろって言われたよ?」
「俺も言われたな。で、全軍通達したわけなんだが?」
ここでソフィー、ササメユキ、ゼロが割って入ってきた。再三の退避勧告を無視したのはお前達だろ? ムーブである。他のプレイヤー達も、確かに全軍退避の通達があったよな、ヤバイ事になるって聞いたぜ、巻き込まれるともな、ラファエル達にも通達したぞ? 無視して突っ込んで行ったの見たぞ。
こういうところで普段の行いの差は生まれる。概ねゼロ達に賛同している。
こうなって来ると肩身が狭くなるのはラファエル一派である。さすがに居た堪れなくなったのか、明確なプレイヤーキル案件だからな、の、捨てゼリフを吐いて部屋の片角に引っ込んだ。
「大丈夫ですかお爺さん?」
「ワシなら問題ないぞい」
「でもアタシちょっとスッキリしちゃった」
「おいササメユキ、お前いつの間に爺……コオロギさんと仲良くなってんだよ」
「へっへー、フレンドリーコード交換したもんねー。これでアタシも爆撃の友だよー」
「……お前、莫逆だからな? 爆撃って言ってないよな?」
「ばくげき? 何のお話しですか?」
ゼロお馬鹿さん事件を知らないソフィーは何の事かわかって無い。
「ああソフィーさん、それはねぇ……」
「や・め・ろ!」
ほっぺを引っ張ってやめさせるゼロ。やめてぇと泣き叫ぶササメユキ。全身鎧の大男が魔女っ娘をイジメている、中々のショッキング映像ではある。
「あ、あのお爺さん、私も、その、フレンドリー交換してもらってもよろしいでしょうか?」
「そりゃダメじゃよ」
「え!? だ、ダメですか…… それはすいませんでした……」
まさかのお断りにガックリと肩を落とすソフィー。それを見ていたゼロが、
「ダメなんですかコオロギさん? なんでダメなんですか?」
「だって江藤さんは兄ちゃんとアッチッチッじゃろ? そりゃダメじゃろ」
「だああああ!! だから違うって言ってるじゃ無いですか!!」
「おひょ! おひょ! おひょひょひょひょ!!」
この後無事にソフィーとフレコしたのは言うまでもない。
そんな他愛もない会話で過ごしていると、
現刻を持ちまして全てのサーバーでのイベントが終了致しました。プレイヤーの皆様、お疲れ様でした。
ついに全てのサーバーにおいてイベントが終了した。これより順位発表となる。
【四神の脅威】第1位通過のサーバーは……
第18サーバーの皆さんです。おめでとうございます。
「やったぜぇ!!」
「うひょー!! 俺1位って初めてかも!!」
「私も私も!」
「G・G!」
「G・G!」
「おう! ジジイじゃ! おう! ジジイじゃ! なんじゃい、ワシも有名になったもんじゃの!」
別にジジイジジイと叫んでるわけでは無いG・Gと言う健闘を讃え合う言葉だ。
そんな喜びの声がそこかしこであがる。抱き合ったりハイタッチしてる者もいる。それくらいイベント1位には価値があるのだ。
因みに全ボス撃破したサーバーは18サーバー以外だと2つのサーバーのみ。中には逆に全滅したサーバーもある。それくらい本来は過酷なイベントなのだ。
個人賞の発表です。MVPは【便所コオロギ】さん。おめでとうございます。
「おろ? ワシかいな」
「お爺ちゃんすごーい」
「素晴らしいです!」
「ほっほ~。ありがとうのぉ」
そりゃそうなるよな。玄武はきっと爺さん1人で倒してるだろうし、白虎だってほぼほぼ爺さんが倒したようなもんだ。
ゼロは1人苦笑する。
……以上を持ちまして結果発表を終了致します。皆様、長々とお疲れ様で御座いました。今後ともelegantParadiseをお楽しみ下さい。
こうしてイベントは終了した。




