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ジジイ爆ぜる  作者: おやびん


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 「よっほっほっ。やはり圧勝じゃわい」


 イベント結果発表の掲示板を眺めて、満足気にジジイは笑っている。中間発表から比べたらぶっちぎりなのは予想していたとはいえ、いざ実際1位を獲ってみれば嬉しさもひとしおと言ったところか。


 「ほんでさっき運営から報酬が送られてきたんじゃが……」


 運営から送られたプレゼントを開封してみると。


 【退魔の宝剣】

 ・全ての属性に対するモンスターへの特効

 ・クリティカル率大アップ


 「いらんのぅ…… 期待しちょったのに…… 売るかのぅ」


 モンスター全てに特効が働く上に、クリティカル率まで上がる剣など、上位プレイヤーからしてみれば喉から手が出る程羨望の武器なのだが、ジジイにとってみればゴミ同然だったりする。


 「すみません、その武器は買取りが出来ません…… 私ではお値段が付けられないので」


 「なんじゃとぉ~!」


 早速武器屋さんに売りに行ったのだが、丁重なお断りをくらってしまった。イベント武器だけに売却不可扱いなのだろう。


 「なんてこっちゃ、イベント頑張ったってのに1銭の特にもならんとは……」


 ジジイにとってみれば、溜め込んだ癇癪玉や簡易ダイナマイトを使いまくって寧ろ散財だろう。

 こうして【退魔の宝剣】はめでたくタンスの肥やしとなるのであった。


 「しかしまぁ新しい称号が2つも手に入ったしの、いよいよ第3エリアに向かうかの」


 第3エリアは山岳地帯、お目当ての火薬が素材として手に入る。あとジジイが念頭においているのは単純にレベル上げでもある。

 【裸の王様】を試してみたところ、やはりスライム程度にしか通用しなかったのである。しかしながら通用する相手に無類の強さが実感的出来た。

 【裸の王様】発動中なれば、鼻先三寸まで近付こうが認知されないのである。


 「そーっとダイナマイトを置いて離脱するのじゃ」


 実に鬼畜な戦法である。


 とりあえず森林の村へ目指す道中記、近道のドワーフ坑道へ向かう、何時もの分かれ道を進んで行けば、安全第一ヘルメットのドワーフに挨拶する。


 「よぅ、せいがでるの」


 「おう。今日も森林探索か?」


 「いんや、その先の山岳地帯に向かおうと思っちょる」


 「なんでぇ、それを早く言えよ。それならこの奥を掘り進んだ方が早いぜ」


 「なんと! ほんまかいな!」


 「おう。この間の続きを掘り進むんだ」


 どうやらドワーフ坑道は山岳地帯へも掘り進める事が判明した。よろこび勇んで簡易ダイナマイトを設置する。


 「あはぁ~っ!」


 はしゃぎ過ぎて退避せずに爆破して死に戻る御約束も忘れないジジイであった。


 「あんたは学習しねぇな」


 「すまんのぅ」


 えっちらおっちら戻ってきたが、ドワーフに呆れられている。


 「それじゃ山岳の町はこの別れ道を上がって行け」


 「サンキューじゃ。いつも助かるわい」


 「何、どおってことねえさ」


 ドワーフと別れて坑道を進む。出口の光が射し込むと。


 「わっ!!」


 またしても突然現れたジジイに驚くゼロがいた。中々にジジイ遭遇率が高いのかも知れない。


 「おう(あん)ちゃん。元気かの?」


 「あ、はい。あ……と、それよりイベント1位おめでとうございます」


 「なんのなんの、ひゃっひゃっひゃっ!」


 目の前でアホ面晒してケタケタ笑うジジイが、ぶっちぎりでイベント1位を取ったとは、とても思えないな…… ゼロは苦笑する。


 「ところで兄ちゃん、ワシ、火薬が欲しいんじゃがの、何処に行けば手に入るんじゃ?」


 「火薬なら鉱石になりますね。正確には火薬岩です。採集にはピッケルと言う道具が必要なので注意して下さいね」


 「サンキューじゃ。ピッケルじゃのー」


 ゼロにお礼を言って別れると、道具屋でピッケルを購入する。

 そのまま勢い込んで山岳エリアのフィールドへと向かう。


 「おお、でっかい坑山のようじゃ」


 まず目に付くのは大きく抉られた様に掘り進められた地形であった。ここで鉱石を色々と採掘出来るのであろう。

 また、その採掘場には横穴が点在している。中に入っても採掘出来る仕組みと思われる。


 「よっしゃ! 採集じゃ!」


 採掘場へ降りて、手当たり次第に採掘を始めるジジイ。


 「およほほほほほっ! 採れるぞい! 火薬岩が採れるぞい!」


 遂に念願の火薬との邂逅したジジイ、否が応にもテンションはだだ上がりである。

 しかしここはフィールド、そんなジジイを襲うモンスターが現れる。


 「クェェェッ!!」


 翼人、ハーピーである。両手が翼で足には鋭い鉤爪が備わっているモンスター、当然今までのモンスターよりも攻略難度は高い。


 「ぐへっ! やめれっ! こなくそ!」


 ジジイの足ではハーピーから逃れるのは難しい。何より癇癪玉を飛んでるハーピーに当てるのはジジイには無理過ぎた。


 「あはぁ~っ!」


 数匹のハーピーに囲まれると、HPゲージは呆気なく弾けとんだ。


 「これは不味い事態になったわい……」


 とてもじゃないがのんびり採掘出来る状況ではない。横穴まですら到達出来ないのだから。


 「大人しくレベル上げかのぅ……」


 採掘はおあずけ、当面はレベルを上げてポイントを貯めよう。そう、【裸の王様】でハーピーから見付からなければすむのだから。


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