表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/23

約束

 「おはよう。速水さん、なんか良いことあったの?」

真中悠陽はすでに教室についていた。私も早い方だと思っていたけど今日も彼に負けてしまった。私の順位はいつも2番だ。

「いや、特になんかあったわけではないよ。あ、おはよ。」

城田くんのこと、話さない方がいいよね。私は直感でそう感じた。

「そっか。…あのさ、今日の帰りちょっと付き合ってくれない?」

「なんで?」

今日は特に用事はない。

「駅前にさ、新しく出来たパンケーキのお店あるだろ?あそこのさ、お試し券もらったんだ。男一人で行くのってちょっと恥ずかしいしさ。ちょうど二枚あるからよかったら帰りにどうかなって。」

とても、魅力的なお誘いだった。そこのパンケーキ、私も食べてみたいと思ってた。

「うん。行きたい。」

パーっと表情が明るくなる。案外わかりやすい人なのかもしれない。

「じゃっ約束な。」

にこにこ、チクリ。まただ。彼が笑うと胸が痛い。あと、少しの罪悪感。悪いことをしている気分になる。苦しい、苦しいよ。

 そんな時、携帯がなった。メールの着信音だ。画面表示を見ると、城田くんの名前。

ー今日の放課後、会えないかな?

私はすぐにいいよ。と返していた。そしてパンケーキのことを思い出す。あ、やばい。

「真中くん、ごめん用事できちゃった。」

「へ?……あ、そっか。じゃまた今度誘うわ。今度は絶対行こうな。」

無理に笑っていることが私にだってわかった。チクリ、チクリ。また積もっていく。今のこれは大きな罪悪感だ。城田くんと放課後会えるのが、嬉しいはずなのに、なんでこんなに苦しいの。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ