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創作論~物語を愛する全ての人へ~  作者: 双矢光風∞a


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第2話「線画の心のブレ」

 今現在では〈手ブレ補正〉というPC処理がありますが。その見た目だけではどうしても処理出来ないものがあります。それが〈心のブレ〉です。

 アナログ線画の時「何も考えてない」「考えて描いて」みたいな事を言われましたが。ぶっちゃけ無理です、極限の集中状態では基本無心になります。

 政治家や他者の日常会話のためにエスパー能力者のために理解できるように動機や心の言語化を考えて描くことは無理です。不可能というより雑念になって線がブレます。そりゃもうブレにブレます、何も描いてないなら空中で迷い線を描きまくって後には何も残らない状態になります。


 そんな時にオススメなのが一点突破の〈ワン単語〉です、集中線のようなものと考えた方が良いでしょう。

 例えばここに岩が有るとします。もう簡単に言うと心の中で〈岩岩岩〉と念じながら描けばいいのです。そうすれば心と体が一致した岩の線が引けます。


 もうただひたすらに岩を描いている時は岩の事だけを繰り返し念じ続ける。ぶっちゃけその方が効率的です。雑念が無く嘘もない。

 その時グラデーションみたいな念じ方が良いかもしれません、岩という文字を描きたい集中線の中心として、硬い岩、柔らかい岩、明るい岩、暗い岩、楽しい岩、怒ってる岩など、岩の事を繰り返し考えているのは同じなんですけどそれを岩単体をピン留めして固定し、そこから念じ方を少しブレを持たせる。


 これが出来たら応用として。例えば、髪髪髪、服服服、美少女美少女美少女、雑草雑草雑草、など、描きたい箇所によってピン留めを変更してそこから感情のグラデーションをブレさせる。

 真剣な目、楽しいそうな目、生きてる目、など。


 心のブレはアナログ線の手のブレに直結します。小説のような言葉の連続性・連結性で〈考えながら描く〉を何度もやろうと試みましたが無理でした。完全に雑念や空中迷い線になって作業が捗らず、逆効果です。考えるなら1点、柔らかい肌柔らかい肌柔らかい肌、とか普段描く時に頭の中で考えていなくても1点だけだったら念じられるし言動や思念に嘘が混じりません。


 とにかく伝えたかった事は、例えば岩を描く時。手〈紙〉では岩を描いている時に、脳内〈エスパー〉での念じ方として「この岩を固く意思の強い状態であり冷静冷徹な過酷な環境を生き抜いてきた岩でありその岩はそこにありながらどっしりと重く意思の硬い物である」とか考えながら描くのは不可能である、という点である。


 〈メモ〉

 心正則筆正〈心正しければ、すなわち筆正し〉

 唐代の書家・顔真卿の言葉。一見すると道徳的な精神論であるが、バイオメカニクス的観点からは「認知の歪みや情動のブレを排除し、中枢神経系をフラットに保つことで、体幹から末梢〈筆先〉への力学的な運動伝達を物理的に最適化する」という生体フィードバックの基本原則を記述したものである。


 キネティック・チェーン〈運動連鎖〉の最適化

書道における理想的な運筆は、丹田・体幹〈近位〉から発生した巨大なトルクを、肩、肘、手首、指先〈遠位〉、そして筆毛へと減衰させずに伝達する流体力学的プロセスである。情動のブレによって末梢の関節に過度な力み〈固定〉が生じると、そこが力の伝達における「目詰まり〈ボトルネック〉」となる。心をフラットに保つ〈心正〉ことは、関節部のサスペンション機能を解放し、体幹からの物理的エネルギーをロスなく紙面に叩きつける〈筆正〉ための必須条件である。

 

 意味飽和〈ゲシュタルト崩壊〉による出力の突発的崩壊

「岩、岩、岩」と同じ単語を過剰に連続して念じ続けた場合、脳内の意味処理ネットワークが疲労を起こし、その単語のゲシュタルト〈全体的な意味や形態〉が突如として認識できなくなる「意味飽和」が確定で発生する。この現象が起きた瞬間、出力先〈描画や魔法陣など〉に対する「ピン留め」が強制解除され、極めて無軌道で暴走した出力〈空中迷い線の肥大化〉が引き起こされる。


 クロスモーダル〈多感覚〉シフトによる回路分散

意味飽和は、脳内の特定の神経回路〈例えば「岩」という音声や文字を処理する言語野〉が連続発火によって神経伝達物質を枯渇させることで発生する。この対策として、概念の維持を別の脳領域へバトンタッチする手法が存在する。心の中で「岩、岩、岩」と唱える〈聴覚・言語的処理〉状態から限界を迎える直前に、「岩のザラザラした触感〈体制感覚野〉」「岩の重さ〈運動野〉」「岩がぶつかる音〈聴覚野〉」へと意識のフォーカスを切り替える。対象〈岩〉へのピン留めを維持したまま、脳内の使用するハードウェアを物理的に切り替えることで、意味飽和を回避しつつ出力を継続可能にする。


 ゲシュタルト崩壊の最適なリセットコマンドは「視線の跳躍〈サッカード〉」である

 認知科学の研究において、ゲシュタルト崩壊〈文字の形が分からなくなる現象〉が起きた際、最も早く脳の認識ネットワークを再起動させる方法は「対象から目を逸らし、全く無関係な複雑な模様〈例えば窓の外の木の枝など〉を3秒間見つめる」ことである。眼球の高速移動〈サッカード〉と全く異なる視覚情報の入力が、脳のキャッシュメモリを強制クリアする。描画中に行き詰まった際、無意識に「ペンを置いて遠くを見る」行動は、脳科学的に最も正しいキャッシュクリアのコマンド入力である。


 言語化の放棄による排他制御

人間が頭の中で文章を構築する「内的発話」は、DMNを強力に駆動させるトリガーである。作業中に「どう描こうか」「動機は何か」と複雑な言語化を試みる行為は、必然的にDMNの活動を再開させ、眼前のタスク処理を担うCENから血流量とブドウ糖〈脳内リソース〉を奪取する。したがって、「言葉を捨てる〈ワン単語の反復などに留める〉」という手法は抽象的な精神論ではなく、切り替えスイッチであるSNを介してDMNへの物理的な電力供給を遮断し、CENの演算能力を最大化・独占させるためのハードウェア的な排他制御コマンドとして機能する。


 ワーキングメモリにおける「音韻ループ」と「視空間スケッチパッド」の競合

 認知心理学のバドリーのモデルによれば、人間の短期記憶システムには言語を処理する「音韻ループ」と、視覚・空間情報を処理する「視空間スケッチパッド」が存在し、これらは中央実行系〈CEN」の限られたリソースを奪い合う。「過酷な環境を生き抜いてきた冷静冷徹な岩」という文章を脳内で構築する行為は、音韻ループとエピソード記憶を極限まで駆動させる。同時に「岩の形状を描く」という視空間スケッチパッドへの過負荷が重なるため、中央実行系の処理能力がパンクし、結果として運動野への指令が断続的になる〈迷い線となる〉。


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