>>>>>友の幸せ
私は頭を抱えていた。私が怪我で寝込んでいる間の殿下の報告を聞いた。
「ちょっと待って、この世界の貞操観念を教えてほしい」
Q 婚約しているときに、夜会で婚約者以外の女性と踊るのは?
A ファーストダンスは婚約者から、2回目は別の女性でもOK
Q 婚約者以外とキスするのは?
A 唇は✕、頬なら…まぁ目を瞑ってやろう…だが断る
Q 婚約者以外とデートするのは?
A アウトー
Q 婚約者以外と一夜を共にするのは?
A アウトー
私は薄っすら涙を浮かべながら、天をあおぐ。
だっめ、じゃん!
「婚約が決まってからも、色んな女性を口説いているところを見てきたのよ!サイテーでしょ」
もともとザッオールは女癖が悪かった。ゲーム内でもいっしょ。
ハッピーエンドルートではヒロインのひたむきな愛に気づき、これまでの行いを反省し、ヒロインのみを愛するようになる。
しかし、バッドでは女癖が悪化するのは、リリアーナと結ばれた後。
リリアーナと結ばれる前のイベント失敗が、バッドルートへとつながる。一途に愛していると思わせられていることが、バッドに気づかない要因だそうだ。
報告のお手つき令嬢は、〝王族のお手つきになれば、正妃でなくても側室になれるという〟親からの差し金だろう。しかも、……。
「ねえ…去勢してもいいかなぁ〜?」
「だめ!殿下には、これからも子孫繁栄して貰わないと」
……不毛の土地でね…。
「ナナ、もう大丈夫なの?」
「おかげさまで」
勢いよく、抱きついてきた。鼻をすする音がする。
「怪我を、したって聞いて心配したんだから…こんなこと、頼まなければって」
頭を撫でながら慰める。はいはい、お体に障りますからね、とゆっくり椅子に座らせた。
「私も油断したのがいけなかったんだよ。私にも非はある」
リリアーナと接触しようとしたんだから。
「で、フェルディオとはどう?」
?さっきまでしんみりしてたのは、どうした?
「どう……とは?」
怪我で気を失った私を運び、看病してくれて…それで、何かあったっけ?
「あ!…」
「え?なになに」
「お礼に言ったっけ…」
イザベラの期待の目から、残念な目に変わった。
「フェルディオ…かわいそー」
どういうこと?
「で、殿下のバットルートは女がらみ?」
「ふふーん。まだあるのよ」
実際、女遊びから、奴隷。子爵は奴隷売買の元締めに、人身売買。なにこれ…てんこ盛りじゃん。
これが断罪かーという場面を見せつけられた。
イザベラにいたっては、味方につける王様に惚れてしまうなんて……
「イケおじなのよ!」
とウキウキしていた、イザベラを思い出す。
人攫いに奴隷、平民差別、それらをなくすには、このルートしかない!と言っていたが、ただ王様と結婚したいためということもある。
最終的には、めでたく王様と結ばれ、うれしく思う。
新しい命とともに、幸せでいてほしい。




