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【完結】乙女ゲームの表と裏  作者: あまつ冴
8 婚約解消と
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19/25

冬に告げる愛…終わる愛

 あれから、何もない。イザベラに魔法を打ったのに、確かに肩に怪我を負ったはずなのに、何も噂も聞かない。

 2回目の魔法は防がれた。影で暗かったが、フェルディオだった。けど、生徒会で会っても、何も言ってこない。


 不安と焦りで、食事に手がつけれなかった。思い悩みすぎたのか、目眩やふらつくこともある。


 不安を消したくて、ザッオールと共に過ごし、自分の気持ちをザッオールの愛で満たす。


そんな日が続いた。


年も開け、目眩も続き、食欲が出ず、養父母が医者を呼んだ。



*****

私とザッオール、養父母も王城に呼ばれた。

通された部屋には、宰相とクロムエルや騎士団団長とアーサー、商会長とダイタナ、学園長とウイルズがいた。

部屋の真ん中にはテーブルと4脚の椅子。向かい側には陛下が座り、隣の椅子は空席だった。そこは王妃の席だと気づく。

ザッオールが王位を継げば、あの席は私のもの。


「リリアーナ嬢、立ったままでは疲れるだろ。椅子に座りなさい」

?なぜ急に、そんな事を。座るよう促したのは宰相。養父母、ザッオールはまだ立ったままだ。

あとから、イザベラが入って来た。生きていた?あの時の怪我は?

それを待っていたように口火を切った。

「父上!オレとイザベラとの婚約を解消します」

婚約解消の言葉に、周りがどよめくのではないかと思ったが、意外と静かだった。

「それは本気か?」

「勿論です。イザベラと婚約を解消し、リリアーナと結婚します」

言った、この日を待っていた。とうとう結ばれる。

「リリアーナのお腹にはオレの子がいるのです」


 養父母が呼んでくれた医者が言った、妊娠初期だと。2人の愛がお腹に宿った。


それにしても周りの様子がおかしい。

「そのことについては、皆知っている」

どうして、知っているの?今初めて言ったのに。宰相が座るよう促したのは、知っていたから?


「新たな命が宿ることは、素晴らしいことだ。ザッオール、覚悟はできているのだな」

「勿論です。2人でこの国を支え発展しさせていきます」

「では、こちらの書面にサインを」

宰相がザッオールに解消の書類を置く。そこにはすでにイザベラのサインがあった。

ザッオールは迷わず、サインをする。その書類を陛下に渡す。もう一枚紙を差し出される。もう一枚は婚姻の書類。これにもザッオールが迷いなくサインし、私もサインした。

「これで、解消成立し、婚姻が成立した……ところで、リリアーナ嬢」

陛下と目が合った。

「そちらのイザベラ嬢に何が言いたいことはあるかな?」

ゾッとした。もしかして…まさか

「イザベラ嬢が学園で誰かに、魔法で怪我を負わされたと聞いたのだが」

「……ぞ、存じあげません…わ」

手が、体が震える。 …心臓の音がうるさい。

「そうか。ではイザベラ嬢。申してみよ」

陛下にお辞儀をし、私の方を向く。目が合わせれない。

「夕方、学園にて魔法での攻撃を受けました。右肩をこんな…」

イザベラが自分の右肩に手を滑らすと、怪我が現れた。…あの時と同じ位置に。

「これは幻影魔法です。怪我は治ってます。あのときは逆光で見えませんでしたが、目撃した人がおります」

「私です。陛下」

入ってきたのは、フェルディオ。

「確かに逆光でしたが、私は目がいいので、はっきり見ました。リリアーナ嬢がイザベラ嬢に魔法を打ったところを」

「!たかだか、留学生を信じれるわけないだろ!」

陛下はため息をついた。フェルディオも周りも冷ややかな目をしている。

「おや、陛下。伝えてなかったのですか?」

「ザッオールよ、フェルディオ殿は隣国の王太子である。口を慎め」

「なっ!?」

え……!隣国の王太子!?そんな重要な人物だったなんて、ゲームにはなかったし…どういうこと?

「ちなみに、本物のイザベラ嬢はあちらです」

イザベラが手を向けた先に、王妃の椅子側から、イザベラが出てきて、王妃の椅子に座る。

「2人!」

「私は……そうですね。殿下にはこちらの方がわかりますか」

フェルディオの近くにいたイザベラの姿がユラユラと変わり、いつも側にいた騎士の姿になった。

「どういうことだ!」

「リリアーナ嬢の魔法で怪我したのは、私です」

うそ、イザベラと思っていた人は、変装した騎士?

なぜ、変装してたの?

「もう少しズレていたら、腕がなくなってました」

これは私を嵌める罠?

「イザベラ嬢に殺意があったと受け取るが?」

「い、いえ…私は…そんなつもりじゃ…」

「そんなつもりでなくても、訓練場以外の魔法の使用は禁止しております」

学園長が、すかさず話す。

私は頭が真っ白になった。指先も冷たくなる。

イザベラに向かって怒鳴る。

「どうして王妃の椅子に座っている!」

陛下は手を掲げると、ザッオールは言葉を止めた。


陛下は息を吸い、言葉を述べる。

「リリアーナ嬢、もう一つ聞きたいことがある」

陛下を見るのが怖い。

「夏季休暇の際、男達に襲われたそうだね」

「は、はい」

返事をするのも怖い。

宰相が紙を見ながら話しだした。

「姿はフードで、わからないが、声はリリアーナ嬢と同じ声だったと供述したそうです」

「そして、どこかの令嬢が警備兵何人かに金を積んで、その男達が中間層地区に入れるようにしたとのことです」

今度は騎士団長。バレないと思っていたのに!

うまく隠せていたと思ったのに!なんで…

「イザベラ嬢へ殺意と護衛騎士への傷害。中間層の警備兵の買収と、犯罪者を招き入れたことへの罪。重罪です」

宰相は、淡々と告げる。

「…………」

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