この島で、また会おうね
最終エピソード掲載日:2025/12/31
「……あの島のことを、ちゃんと話しておきたいの」
母からの電話を、歌帆は最後まで聞かなかった。
恋人との約束を優先したその一週間後、母は突然亡くなってしまう。
母の遺骨を父の墓へ納めるため、歌帆は山口県柳井市の沖に浮かぶ小さな島「栗平島」へ向かった。
本土から渡れるのは、朝と夕方の船だけ。橋のないその島には、母が若いころ暮らしていた家と、歌帆の知らない親戚たちが待っていた。
潮の音が聞こえる民宿、柑橘の香る細い路地、海を見下ろす墓地。
島で過ごすうちに、歌帆は少しずつ母の足跡を辿っていく。古い家に残されていた日記には、母が言えないまま抱えてきた後悔と、歌帆へ伝えたかった想いが綴られていた。
やがて歌帆は、自分の記憶から抜け落ちていた幼い日の約束にたどり着く。
「あの島で、また会おうね」
その言葉を交わした相手は、誰だったのか。
母が守ろうとしたものは、何だったのか。
喪失から始まった夏の終わり、歌帆はこの島に、もう一度帰りたいと思える理由を見つける。
瀬戸内の小さな島で、失われた家族の名前を取り戻す物語。
母からの電話を、歌帆は最後まで聞かなかった。
恋人との約束を優先したその一週間後、母は突然亡くなってしまう。
母の遺骨を父の墓へ納めるため、歌帆は山口県柳井市の沖に浮かぶ小さな島「栗平島」へ向かった。
本土から渡れるのは、朝と夕方の船だけ。橋のないその島には、母が若いころ暮らしていた家と、歌帆の知らない親戚たちが待っていた。
潮の音が聞こえる民宿、柑橘の香る細い路地、海を見下ろす墓地。
島で過ごすうちに、歌帆は少しずつ母の足跡を辿っていく。古い家に残されていた日記には、母が言えないまま抱えてきた後悔と、歌帆へ伝えたかった想いが綴られていた。
やがて歌帆は、自分の記憶から抜け落ちていた幼い日の約束にたどり着く。
「あの島で、また会おうね」
その言葉を交わした相手は、誰だったのか。
母が守ろうとしたものは、何だったのか。
喪失から始まった夏の終わり、歌帆はこの島に、もう一度帰りたいと思える理由を見つける。
瀬戸内の小さな島で、失われた家族の名前を取り戻す物語。
第一章 潮の音に呼ばれて
潮の音に消えた通話
2025/08/20 12:00
(改)
帰る場所
2025/08/20 21:00
(改)
風の通り道
2025/08/21 21:00
(改)
第二章 柑橘と潮と花の香りに包まれる夏
蜜柑の木陰
2025/08/22 21:00
(改)
梔子の夜
2025/08/23 23:00
(改)
月白のまなざし
2025/08/24 21:00
(改)
白いアイリス
2025/08/25 21:00
(改)
紫苑の咲く日に
2025/08/26 21:00
(改)
花浜匙が揺れるとき
2025/08/27 21:00
(改)
名前のない誰か
2025/08/28 21:00
(改)
第三章 父の影と母の名
勿忘草と父の面影
2025/08/30 22:30
(改)
夾竹桃のざわめき
2025/08/31 23:00
(改)
青い鳥とヨモギギク
2025/09/04 21:00
(改)
時を渡る鳩
2025/09/07 21:00
(改)
刻む名前
2025/09/13 20:50
(改)
四十九日と誕生日(前)
2025/09/14 22:50
(改)
四十九日と誕生日(後)
2025/09/14 23:00
(改)
第四章 楽園に差す影
花咲くアーモンド
2025/09/19 21:30
(改)
楽園の空気
2025/09/21 20:50
(改)
夜の訪問者(前)
2025/09/23 18:10
(改)
夜の訪問者(後)
2025/09/23 21:00
(改)
隠された名前
2025/09/25 21:00
(改)
第五章 通話の先の真実
通話の先の真実
2025/10/13 21:40
(改)
青紫のアイリス
2025/10/16 22:15
(改)
アイリスとキンポウゲ
2025/10/31 21:00
(改)
波の音に消えて
2025/11/04 21:00
(改)
救われた子ども
2025/11/26 07:00
(改)
顔を変えた理由
2025/11/26 21:00
(改)
晴れた日の忘れ草
2025/11/27 00:10
(改)
第六章 この島で、また会おうね
約束の言葉
2025/12/20 21:00
(改)
青い手ぬぐいの記憶
2025/12/28 21:00
(改)
星月夜の語らい
2025/12/29 23:00
(改)
この島で、また会おうね
2025/12/31 21:00
(改)