第四十話
とりあえず、出来上がりました!
最後の必殺技くらい厨二全開でもいいよね?
楽しく読んでくれるとうれしいです。
初の実戦からくる焦り、プレッシャー、自信を殺し得る敵。そういった諸々が知らず知らずのうちに俺の精神力を削っていた。それに気づけなかったからこそ俺は今猛烈な激痛と共に地に横たわっているのかもしれない。
先ほどの場面が俺の脳裏を巡る。先ほど俺はこの膠着した状況を強引に打破しようと無理に攻めたわけだ。この時点で普段の俺とは違っていたと思う。普段の俺ならば安全策。リスクはできる限り回避していくはずだ。しかし、リスクに見合わないリターンの賭けに出て見事に反撃を食らったわけだ。別にそれはいい、しかし意識が朦朧とする。奴がなにを言っているのか聞こえない。視界が見えない、思考が定まらないそんな時
脳に声が聞こえた気がしたんだ……。
──────────滅せよ。
それから俺の意識はあるけどない、という不思議な状態だった。自分が自分でないような、さっきまで俺に大ダメージを与え、俺とほぼ互角以上の勝負をした強者のボロドラゴンが雑魚。そこら辺のゴミクズのように感じられた。そんな状態を不思議に思っていると俺の体は俺の意識とは別で動きボロドラゴンを圧倒していた。奴の吐く火球を素手で掻き消し、炎のブレスを受けても翼を羽ばたかせるだけで無効化し、俺との戦闘では使っていなかった熱線、レーザーのようなものすら俺の体は防壁を張るのみで防御していた。ゴミドラゴンは、俺の戦法、そして何より強さの変わりように初めは驚いていたものの、徐々に奴の表情が絶望したものに変化していった。
それもそうだ、自身の技がすべて通用せず切り札ともいえるようなレーザーすら簡単に破られた。そうなれば絶望しても仕方ないだろう、 と自身のやったことを他人事のように思っている時点で明らかにおかしいけども、それは置いといてこの全能感はたまらない。ずっと浸っていたいと思えるくらい心地よい。謙虚な俺が自分に勝てるものなどいないと思えるくらいだ。
そんな風に浸りながらも体は奴を徐々にだが確実に圧倒していた。俺が生成するのに時間がかかっていたレベルの槍を一瞬で複数生み出してそれを奴へ向けて何本も何本も打ち込んでいるし、俺が使ったこともないような魔法も放っていた。それを食らった奴は血を噴き出し、部位を欠損し、まさに満身創痍といった感じになってきていた。
奴がハァハァと息を荒げて動きも緩慢になってきている時、また声が聞こえた。今度はさっきと違って確実に聞こえた。
──────────殲滅せよ。
どこから聞こえたのかわからない声はとても悲しそうだが、酷く黒い怨念のようなものが孕んだ声だった。この声が聞こえた後に俺の思考がクリアになり、先ほどとは違い現実に戻ってきたという印象をもった。それと同時に、俺は不思議とふと声が漏れた。それはとても俺の声とは思えないくらい黒い感情のこもった声で驚きながらも口が勝手に、といった感じでそれを口にした。
『 聖書の神は我を畏れた 』
唱えた瞬間天地が裂けた。それと同時に奴を闇が包みこんだ。それはまるで冥府を連想させるかのような幻想的な光だった。それが止み、何が起こったのか、俺でもよくわからなかった。ただ先ほどまで目の前にいたボロドラゴンが炭化しているという事実が俺に残った結果だった。
あれほど苦戦したボロドラゴンが一瞬の間に倒したとても嬉しいし、安堵もする。けれども、その脅威を跳ねのけたのは俺だが、俺ではない。正確には俺の体が、本能的な部分が奴を圧倒したといった所だろうけど。
しかし、それを今気にしても仕方ない。とりあえず周りの他の皆はどうなっているのかと思ってあたりを見渡すと、皆俺のもとへ戻ってきている最中だった。このタイミングという事は俺が奴を炭化させた時とほぼ同時くらいに皆それぞれの相手を倒していたのかな。
なんか、もやっとするけど一件落着かな? 果てしなくさっきの状態の俺に嫌な予感しかしないけども一端復旧とかもろもろはゴブリン達に任せてダンジョン再開まで猶予がどれくらいなのかもよくわかってないので戦闘したメンバーは回復に努めるように、と言っておいた。そうやって指示を出し終わり、自室へ戻るとエネルギーが切れたかのように眠りについた。
ちょっと主人公強く書きすぎたかな?
強く見えたのには次回ボロドラゴンの詳細ステなどたぶん公開するのでそこでわかると思います。
後ボロドラゴンを倒した技どうだったでしょうか。個人的には吐血するくらいの黒歴史な気がしないでもないですが。
それを含め感想、誤字脱字、あれ?これおかしくね?などあれば指摘お願いいたします。
追記 次話はこの時の相手視点となります。その次くらいに主人公視点に戻ります。




