第50話 最終話
大国オストールの後ろ盾を得たリーナを排除しようと声をあげる者はいなくなり、結婚式まで平穏に時は流れた。
そして、今日はシュタインマルク国王の結婚式。
国をあげての祝日だ。
天も2人を祝福しているような雲一つない晴天だった。
国中の至る所で祭りが催されていた。
そんな中、王都の大聖堂では国王の結婚式が粛々と行われていた。
2人が祭壇の前に並ぶと、神官が聖経典を持ちながら厳かな声で問いかけた。
「これから若き2人の結婚式を取り行う。新郎レオンハルト・ウィルフレッド・シュタインマルク。あなたはフィリーナ・ラチェットを妻とし、健やかなる時も 病める時も喜びの時も 悲しみの時も富める時も貧しい時もこれを愛し 敬い 慰め合い 共に助け合いその命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」
「誓います。」
「新婦フィリーナ・ラチェット。あなたはレオンハルト・ウィルフレッド・シュタインマルクを夫とし、健やかなる時も 病める時も喜びの時も 悲しみの時も富める時も貧しい時もこれを愛し 敬い 慰め合い 共に助け合いその命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」
「誓います。」
2人の宣誓が済み神官が告げた。
「では、誓いの口づけを」
ウィルはリーナの顔を覆うベールを持ち上げた。
緊張するリーナにウィルはフッと笑うと、顔を寄せ口づけを落とした。
ワアーという歓声と共に盛大な拍手が聖堂内に響き渡った。
唇を離したウィルはリーナにだけ聞こえるような小さな声で囁いた。
「リーナ。愛してる。」
※
後に記されたシュタインマルク王国の歴史書の中で、レオンハルト8世はフィリーナ王妃との間に王子2人と王女1人という3人の子供に恵まれ、大変仲睦まじい夫婦だったと書かれている。
レオンハルト8世の治世は戦も無く穏やかなものだったが、彼の最大の功績は在任中にオストールとの魔鉱石の取引を強化したことだった。
これによりシュタインマルクでの魔道具の使用が進み、経済的発展が著しく進んだのだ。
この功績のため、彼は名高い名君だったと評価されている。
しかし、この取引の最大の功労者は彼の最愛の妻だったことは残念なことにあまり知られていないのだった。
Fin.




