第4話 マリーンとの再会
出会いから1週間経った日の夕方。
ケーレス家のドアがノックされ、叔父のデイビッドがドアを開けた。
「誰だ?」
目の前には目も覚めるようなセクシーな美女が立っていた。
「デイビッド・ケーレスさんですね。初めまして、私はマリーン・モローと言います。こちらにリーナという女の子はいますでしょうか?」
マリーンの豊かな胸元に鼻の下を伸ばしながら、デイビッドが答えた。
「リーナは俺の姪だ。あいつに何か?」
「先日、街角で彼女とぶつかったんです。転んだ時に膝に怪我をしたみたいだったのでお見舞いに・・・。」
1週間ほど前、リーナを買い物に行かせたが、人にぶつかり帰りが遅くなったという話はスカリーから聞いていた。
お見舞金を搾り取れるかも・・・
「それは、わざわざすみませんねえ。リーナはぶつかった後、足を痛めたみたいで医師から安静にするように言われてるんですよ。」
デイビッドは白々しい笑顔を浮かべ嘘をついた。
「まあ。それは申し訳ありません。リーナに会わせていただけますか?」
マリーンが申し訳なさそうな表情を浮かべ謝った。
リーナは奥の台所で立ちながら夕食作りをしていたのだが、デイビッドは残念そうな表情を浮かべた。
「いや、今は部屋で安静にするため寝ているんです。そこまで悪いと思っているなら、医師にかかった金と見舞金でもいただけりゃ、特にこちらから訴えたりしませんので・・・。」
デイビッドの言葉にマリーンは一瞬不快そうに眉をひそめたが、すぐに笑顔になった。
「ええ。悪いと思ったので、ぜひリーナをうちに引き取りたいと思ったんです。」
「はあ?」
予想外のことを言われ、デイビッドが大声をあげた。
「あんた、何言ってるんだ?」
「太ももに大人の足跡の形の青あざが出来ていたわ。虐待しているんでしょう?あなたにとってお荷物なんだったら、私が引き取りたいと言ってるのよ。」
デイビッドの大声に奥の部屋からスカリーとスージーが出てきた。
「大声出して、どうしたのよ?」
「いや、この女がリーナを引き取りたいと言ってきて・・・」
「えっ!いらない子だし、引き取ってもらったらいいじゃん。」
無邪気に言うスージーの口をスカリーが押さえた。
「あれは俺の兄の娘で、可愛い姪だ。血の繋がりのないあんたにごちゃごちゃ言われる筋合いはないぜ。」
白々しいデイビッドの言葉にマリーンはフンッと鼻をならした。
「リーナが引き継いだあなたのお兄さんの遺産をネコババしたいだけなんでしょう?」
「お前、なんでそれを・・・?」
「ぶつかったのは1週間前よ。この1週間で、あなた達のことは調べさせてもらったわ。」
「はん!そうだとしても、俺は合法的にあいつの代理保護者になってるんだ。」
デイビッドは開き直ったように言った。
「子供を虐待しているとか、保護者として相応しくない者からは子供を取り上げることが出来るわ。」
「俺が虐待をしたなんて証拠があるのかよ?」
デイビッドは自信満々だ。
王都に戻って来てからは、家の外ではいい人で通っているのだ。
「あなたが虐待をやったという証拠は特にないわ。」
実際、この1週間ではデイビッドが虐待したというはっきりした証拠は見つけられなかった。
太ももの足跡も彼のものだという証拠はない。




