第23話 プロポーズ
7回目のお茶会の日、ウィルは意を決してリーナに話しかけた。
「リーナ。俺が結婚を申し込んだら受けてくれるか?」
「ウィルと結婚?えー、考えたことなかったけど・・・結構いいかもね。ウィルとなら気を使わなくていいから楽だし。」
自室で何回も予行演習をしドキドキしながら行った一世一代の告白は、笑顔と共にあっさり承諾された。
本気と思っていないのかもしれないが。
「ほんとに?約束してくれる?」
浮きたつウィルに、リーナは苦笑した。
「お父さまの許可が出ればね。」
これは言外に断っているのだろうな・・・
ウィルは直感的にそう思った。
貴族社会は家が全てだ。
リーナはウィルを裕福な平民と思っているようだし、父親の伯爵の許可はもらえないと思っているに違いない。
しかしリーナの言質さえとれれば、今はそれでいい。
「じゃあ、お父上の許可がとれれば結婚してくれるんだな?約束してくれるか?」
再度ウィルに問われ、リーナは笑顔で答えた。
「ええ、約束するわ。」
リーナはふふと笑うと笑顔を深めた。
「ウィルはこんなに大きくなっても相変わらず甘えん坊なのね。」
「そ、そうか?」
リーナに指摘され、ウィルは恥ずかしそうに顔を赤らめた。
「うちのウィルも小さい時、大きくなったらお姉さまと結婚したい、約束してねって言ってたの。なんだかあの子と重なっておかしくって・・・」
うふふと笑うリーナを見てウィルは気付いた。
ああ、俺は対等に話せて、しかも優しく自分を包み込んでくれるような年上の女性が好きなのかもしれない。
今のリーナは16歳だが、前世を足すと精神年齢は30歳を超えている。
前世に平民だった記憶があるので気安い感じで一緒にいてホッとするのだ。
そして森の魔女の記憶を一部受け継いでいるためか、知識の幅も広く会話も楽しい。
俺は俺の後ろじゃなくて、隣に立ってくれる女性が良かったんだな。
もやもやしていた自分の気持ちが整理され、理解できた気がした。
そして、リーナへアプローチすることへの迷いもすっかりなくなったのだった。




