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絶対に気づいてはいけないラブコメ~~ハッピーエンドで必ず死亡する鬱ギャルゲーに転生した俺は死にたくないからボッチを貫く~~  作者: 杜宮みやび


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第22話 絶対におかしい女子高生の自宅訪問1

 翌日から、みのりは学校を休み始めた。

 

 担任の先生は「体調不良」と説明したが、その真実は明らかだった。三人のヒロインによる組織的な攻撃に、みのりは屈服してしまったのだ。


 一週間が過ぎても、みのりは戻ってこなかった。二週間、三週間と時間が経つにつれ、ぼくの不安は募るばかりだった。

 彼女は本当に大丈夫なのだろうか。もしかして、取り返しのつかないことになっているのではないだろうか。

 

 ある夜、ぼくは居ても立ってもいられなくなって、みのりを探しに行くことを決意した。


 いつものように小鞠が夕食をつくりにうちに来る。

 今は、できるだけあたりさわりのない話題で会話を終わらせるように気を付けていた。もちろん佐伯みのりの名前は絶対に出さない。


 『ときめきメメントモリ♡』の主人公、神代創太を全力で演じる。


  いつものやり取りをおえ、小鞠は自分の家に帰っていく。


 でもまだ安心できない。


 過去の発言から、この部屋の会話は詩織に盗聴されている可能性が高い。ぼくが今から出かけることを感づかれてはいけない。


「あ~あ、疲れたなぁ、今日はゆっくり風呂にでも入るかなぁ」

 わざとらしく呟きながらリビングを出ると、風呂場のシャワーを全開に流す。リビングまでは少し距離があるがかすかにでもシャワーの音が入れば多少のアリバイになるだろう。

 ぼくは事前に用意しておいた荷物を持って静かに玄関を出た。

 

 * * *


 詩織や小鞠の監視を避けるため夜中を選んだのは良いが、時間は午後11時過ぎ、こんな時間にたずねてみのりがあってくれるだろうか。

 女子高生の家を訪ねるには非常識な時間であることは理解しているが、監視の目が緩む時間を考えるとこの時間しかなかったのだから仕方がない。

 

 みのりの家は、以前遭難したとき病院の帰りに家まで送ったことがある。駅から15分ほど歩いた住宅街にある古いアパートだった。

 夜の街は静まり返っていた。街灯の明かりだけが、ぼくの足元を照らしている。時々通り過ぎる車のヘッドライトが、不安を煽る。


 みのりのアパートに着くと、2階の角部屋に明かりが灯っているのが見えた。彼女の部屋だろう。


 ぼくは躊躇した。こんな夜中に訪ねるのは非常識だろうか。しかし、このまま何もしないで帰るわけにはいかない。


 こんな時間に尋ねてきた言い訳を考えてアパートに入るのを躊躇していると、彼女の部屋の電気が消えた。もしかしたら彼女はもう眠る時間なのかもしれない。

 眠ってしまったらせっかく抜け出してきた意味がない。


 急げばまだ間に合うかもしれない。ぼくがアパートの入り口に向かおうとした時、建物の横から人影が現れた。


 みのりだった。


 彼女は深夜のコンビニへ向かっているようだった。フードを深くかぶり、マスクをして、人に見られたくないという様子が伝わってくる。


 ぼくは慌てて後を追った。


「佐伯さん」

 声をかけると、みのりは驚いて振り返った。


「神代君……?どうしてこんな時間に……」

 彼女の顔は痩せこけていて、目の下にクマができていた。明らかに体調が悪そうだった。


「君が心配で……学校にずっと来てないから」


「私のことなんて、もう放っておいてください」

 みのりの声は弱々しかった。


「そんなこと言わないでくれ。君が休んでる理由、わかってるんだ」


「神代君には関係ありません。私が勝手に……」


「関係ある」

 ぼくは強く言った。


「ぼくが君に関わったから、あの三人があんなことを……」

 みのりは首を振った。


「違います。私がいけないんです。私が……この世界の理に背いたから……」


「この世界の理?」

 みのりの言葉に、ぼくは息を呑んだ。


「佐伯さん、君はやっぱり……」

 その時、みのりの体がふらついた。栄養失調か、それとも極度の疲労なのか。


「大丈夫?」

 ぼくは慌てて彼女を支えた。


「すみません……最近、あまり食べられなくて……」


「家まで送るよ」

 みのりは抵抗しようとしたが、体力がないため逆らえなかった。

 コンビニで栄養のありそうな食事を買い込むとぼくはみのりを支えるようにアパートまで戻ってきた。

 

 アパートまで戻ると、みのりは小さく「ありがとうございました」と言って階段を上り始めた。


「待って」

 ぼくは引き止めた。


「もう少し話をしないか?できれば君の部屋で」


「それは……」


「お願いだ。どうしても聞きたいことがあるんだよ」

 みのりは長い間迷っていたが、最終的に小さく頷いた。

 

 




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