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絶対に気づいてはいけないラブコメ~~ハッピーエンドで必ず死亡する鬱ギャルゲーに転生した俺は死にたくないからボッチを貫く~~  作者: 杜宮みやび


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第15話 絶対に見つかってはいけない秘密の勉強会

 その時、図書室の入り口から声が聞こえてきた。


「神代君はいないかしら?」

 詩織の声だった。


 「あれ図書室なんて珍しいね、詩織ちゃん」

 続いて小鞠の声。


「二人とも、創太君を探してるの? 私も探してるの」

 舞美の声まで聞こえてくる。

 


 三人揃って学校の図書室に来るなんて、前代未聞だ。いつの間にあいつらあんなに仲良くなったんだ?

 ぼくのあたまには、隼人が語った、バラバラになった体を仲良く三等分にして持ち帰る『ハーレムエンド』の記憶が思い出された。


「やばい、見つかる」

 ぼくは慌てて机の下に隠れる。


「神代君?」


「ごめん、ぼくがいることは秘密にしておいてくれないかな。頼むよ」

 みのりは困惑しながらも小さく頷いた。

 

「あら、佐伯さん」

 詩織がみのりを見つけて声をかけた。3人が図書室内に入ってくる。


「こんにちは、霧島さん」


「一人で勉強? 感心ね」


「はい、テストが近いので」

 そういいながら、机に広げられた二人分の勉強道具を眺める。


「ふ~ん、一人で勉強ね…… そういえば、神代君を見かけなかった?」

 詩織が探るように聞く。


「神代君ですか? 見てませんけど……」

 ぼくは机の下で静かに胸をなでおろす。

 

「そう、残念ね」

 詩織が諦めかけた時、舞美が口を開いた。


「佐伯さんって、神代君と話したことある?」


「え? あまり……なぜですか?」


「いえ、最近神代君の様子が変で。もしかして隠れて誰かと……」


「舞美ちゃん、考えすぎだよ」

 小鞠が止めに入る。


「そうね、いったいどこで勉強しているんだろう?」


「奥のテーブルも探してみようよ」

 そう言って小鞠はすでに棚の奥へ走り出していた。


「こら、小鞠、図書館内は静かに!走っちゃダメだって!」

 と、舞美も大声で叫んで追いかけていく。


「佐伯さん、邪魔してごめんなさいね」

 最後に詩織もそういって机を離れていった。


 *

  

 三人はしばらく図書室内を見回したが、諦めて出て行ったようだ。

「神代君、もう大丈夫太だと思います」

 ぼくが机の下から出ると、みのりが複雑な表情を浮かべていた。


「大変ですね、神代君も」


「ありがとう、助かった」


「でも、どうして隠れたんですか?」

 

 ぼくは正直に答えることにした。


「実は、三人とも勉強会に誘ってくれたんだ。でも、みんな一緒だと修羅場になりそうで……」


「なるほど、それで私と勉強することにしたんですね」


「うん。でも、佐伯さんと勉強できて良かった。また誘ってもいいかな?」

 みのりの表情が一瞬変わったように見えた。


「……ええ、いいですよ」

 

 * * *


 

 佐伯みのりと図書館で勉強をした翌日から、異変が起こり始めた。

 

 朝、教室に入ると、舞美がじっとぼくを見つめていた。


「おはよう、神代君」


「おはよう、舞美」


「昨日はどこにいたの? 探したのよ」

 舞美の声には、微かな詰問の調子が混じっていた。


「あ、ああ~図書館で勉強していたよ」


「図書館? でも見つからなかったけど……」


「え、うん、学校じゃなくて、ほら街の図書館の方ね。帰りに寄ったんだ」

 

 その時、みのりが教室に入ってきた。ぼくと目が合うと、彼女は慌てて視線を逸らした。

 舞美がその様子を見逃さなかった。


「佐伯さん、おはよう」

 逃してなるものかと、すかさず声をかける。


「お、おはようございます、舞美ちゃん」

 みのりの声が少し上ずっている。


「昨日は一人で勉強していたのよね?」


「はい、一人で勉強してました」


「そう……」

 舞美の視線がぼくとみのりを交互に見たが、それ以上は何も言わずに話はそこで終わった。

 

「よ~す、創太。朝から何シュラバってんの?」

 人の気も知らないでヨシオが声をかけてきた。


「別に、何でもないよ」


「そうか?昨日からなんだか三人の不満度が上昇してるぜ、とくに詩織はこのままだとヤバイかもしれないぜ、気を付けな」

 原因はわかっている。何かフォローしないと面倒なことになりそうだ。しかしこの世界攻略のカギになるかもしれない佐伯みのりについても、もっと調べなければならない。


「そうだ、ヨシオ。佐伯みのりについて何か情報はないか?」


「佐伯みのり?」

 ヨシオは首をかしげた。


「ああ、あの眼鏡の子か。確か図書委員だったかな。成績は上位だけど、特に目立った特徴はない地味娘だぜ。なんで急にそんなことを?」


「いや、昨日一緒に勉強したんだけど、ちょっと違和感があって」


「お前!あんなかわいい子たちに囲まれているのに、別の子にまで手を出すのか?」


「ち、違うよ勉強を教えてもらっただけだよ」


「あ~それで詩織たちの不満度が上昇してるんだな」

 ヨシオの表情が一瞬真剣になった。


「あんまり無理はしないほうがいいと思うぜ、無事に高校生活を送りたいならな」


 それは暗に『ゲームシステムから逸脱するな』と忠告されているようでもあった。



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