臆病な少年の世界にピンク亀裂が入る
「ねぇ!私の仲間になってよ!!」
ここは、闘技場の地下の剣闘奴隷の居住区
もっと簡単に言えば檻だ
俺はこの闘技場で毎日、殺しあいをさせられている
拒否権はない、NOと言えばその場で首を跳ねられる
そして剣闘奴隷は見せ物として地上の闘技場で戦う時以外
ここから出る事は許されていない
「ねぇ!ねぇーてばっ!!」
そお言いながらピンク色の髪の少女は鉄で出来た檻の鉄格子を両手で掴む
興奮しているのか顔を鉄格子の間から無理やり入れようといている
メキ、ギシ
気のせいか鉄格子が曲がってきているように見える
どんな名前かは知らないが固さだけわ折り紙付きだったはずだ
過去どんな力自慢の奴隷でも傷ひとつつけられた事は無いはずだ
何だ?何なんだコイツわ?
この少女の細い腕の何処にこの鉄格子を曲げる程の力があるのか
俺は何か得体の知れないナニカを感じた
俺は散々、無視を続けたがそのナニカに気圧されこたえる
「な…ん……何だお前?」
2年振りに声を出したせいか上手く喋れない
「やっとしゃべった!!」
「ねぇ!私の仲間になってよ!!」
「私と一緒来て!!」
「冒険をしよう!!」
少女は大声で言う
興奮が最高潮に達したのか顔が上気し鼻息が荒くなっている
ゴキン
鉄格子が限界を迎えついに折れる、少女が鉄格子の間から上半身を中にいれ
こちらに手を伸ばす
「私は君が気に入りましたっ!!」
そお言った少女わ顔をくしゃくしゃにして笑っている
その笑顔が眩しくて、この笑顔をずっと見ていたいと思った
気付くと俺は少女の手を掴んでいた
「君は今から私の物です!!だからーえーと、何だっけ?」
そお言いながら少女は頭を横に傾ける
だいたい、そんな事を俺に聞くな、しらん
「えーと、そのー、」
少女は辺りをキョロキョロと見渡す
急に何かを思いついたのか「あ!!」と叫び俺をみてニタッと笑う
嫌な予感がする
「とりあえずここから出るとしよう」
「俺…は…奴隷だ、」
「ここか…ら…わ、出られない」
何か重い物がのし掛かるように下を向く
奴隷は許可なくここからは出られない
自由などなく、許可が出て外に出る時は闘技場で戦う時だ
見せ物にされ、誰かを殺さなければ自分が殺される
殺される恐怖と殺した罪悪感が黒い泥のようになって身体にまとわりつく
「フッフッフ」
奇妙な笑い声を聞き少女を見上げる
少女は繋いだままの手を見る
俺は無意識のうちにずっと少女の手を握っている事に気付き恥ずかしくなる
「あ…の…えっーとォォオオオオオ!!!」
視界がすごい勢いで横に流れる
え?は?何がおきた?
少女のあり得ない腕力で、あり得ない速度で檻から引っ張り出された
「出られたよ」
少女がニシシと笑う
俺は何か言おうと口を開くが気が動転してか、開いた口から言葉は出てこない
ただ、繋いだままの手から伝わる熱を感じて、鳩尾のあたりが熱くなった




