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久しぶりの投稿です。


 アリシアは必死で逃げる。


 あともう少しというところまで来たのに………力尽きてしまった……


 子供の脚では大人には勝てる訳がない。

 


 『もう逃げられないよ。さぁ、二人だけになれるところにいこうね!』



 「「いや!近づかないで!!」」



 逃げ出そうと攻撃魔法を使おうと構える。魔法を使えても実戦経験がない。攻撃が上手く当たらない……



 『仕方がない……手荒な真似はしたくなかったんだよ……』

 

 そう言って呪文を唱えはじめた。


 逃げなくちゃと思った瞬間……


 “ ツン ”っと


 甘酸っぱい香りが鼻を通り抜ける。

 脚に力が入らなくなり次第に目の前が暗くなるような感覚に襲われる。


 《ここで意識を失っては終わり……》

 アリシアはギリギリの所で保っていた意識を手放してしまった……



 


 「……んっ…………ここはどこ………?」


 目を覚ましたアリシアは辺りを見渡し様子を探る。変態ストーカー野郎に何らかの魔法を使われて、意識を失ったことは覚えている。

 

 さっきから甘ったるい匂いが部屋中に充満していて、頭がボーっとして体に力が入らない。

 意識を持っていかれないようにするが、この香りのせいで集中できない。

 

 自分のドレスの裾を破き、口と鼻を被う。

 少し体の怠さから解放され、自分が今置かれている状況を整理してみる。


 《薄暗い……部屋?小屋?に閉じ込められている?》

 《暗くてわかんない!》


 火の魔法を使って部屋の中を照らしてみる。

 

 《あっ!蝋燭発見!》


 蝋燭に火を移し周りを確認する。


 《なにここ……うわー趣味わる……》 


 ピンクの壁紙……ピンクの絨毯……ピンクのりぼんをあしらったフリフリカーテン……ピンクだらけの家具や小物……クローゼットを開けると……ピンクのロリータドレスがぎっしりかかっている。

 

  

 《あの変態ロリコンストーカー野郎の趣味だなー》

 《あの気持ちのわるーい人は一体誰なんだろう?》

 《挨拶の時いたかな?》

 《めんどくさがってボケっとしてるんじゃなかった。》



 《とにかくここから逃げ出さなくっちゃ!この甘ったるい匂いも厄介だし……》

 

 《出窓発見~!あそこから逃げられるかも!》


 窓を開けようとするが、開かない……開かないように細工されている。窓の外には鉄格子……


 《やっぱりここ監禁部屋じゃん……》


 絶望にうちひしがれていると、出窓の台の部分にピンクのガラス瓶が置かれていることに気付く。


 瓶の中には、蛍光ピンクのハート型の匂い玉がぎっしりと詰められている。


 《匂いの原因はこれじゃん。》


 魔法図鑑で見たことがある。

 

 《《 惚れ薬!!》》


 確か……


 この匂いを長時間嗅がせたのち、一番最初に見た異性を猛烈に好きになってしまう薬……だったかな……


 かなり強力な薬で、一度使われると効果がきれることはないらしい。その為、どの王国でも惚れ薬製造は禁止されている。唯一対抗出来るのは無効化の魔法のみ。


 《あっ!あたし使えるじゃん!》

 

 《今はまだ光魔法が覚醒してないから使えないかもしれないけど……試しにやってみようかな。》


 「インバリデーション!!」


 反応なし。もう一度!


 「「インヴァリデーション!!」」


 やはり反応がない……


 《…………駄目か…………》



 しかし、次の瞬間……


 金色のキラキラした粒が惚れ薬を包み込む。


 《……成功……し……た?!》


 ガラス瓶の中の毒々しい蛍光ピンクのハートの物体が、黒色に変わっていた。


 《やったー!これであの変態野郎にホの字になることはない!》


 あとは部屋の浄化をして敵を迎え撃つ準備をしよう。


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