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古風の妻  作者: 峪明博
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女達の観察眼

葵がクラスに戻って来た。

「葵ちゃん。」

「?何。」

「晴美はなんか言ってたか?」

葵は龍二の心配そうな顔を見て、

「別に。何も貴方のことは言ってなかったわ。」

「そ、そうか。」

ホッとしたような、不安があるような顔をした。

「心配しないで。貴方のこと別に怒ってなんかないわ。」

「どうして、そんなこと分かるんだ?」

「・・・そうね。女の勘ね。」


放課後。

部活が始まった。

「何で付いて来るんだよ。」

「別に~。気分転換に校舎をうろうろしいてる感じかしら。」

「・・・ったく。」

体育館に差し掛かった時、葵は裕子と目が合った。

「・・・。」

「・・・。」

お互いの第六感が言っている。

こいつは敵だ、と。

「小関君部活始まるわ。」

「あっ、うん。ゴメン。ほら葵ちゃん。しっしっ。」

「ちぇ~っ。」

体育館入り口で葵は一人ポツンとなった。

「・・・。」

葵は一応裕子を観察した。

練習の時はしなかったが、休みの時、時々無意識に龍二の方を見ていた。

(やっぱりね。)

観察を終えた葵は帰った。


暫くして、重箱を持つ可愛い中学生が体育館に現れた。

言わずもがな晴美である。

そして晴美は体育館での女子バレー部を観察していた。

練習休みの時、時々無意識に龍二の方を見ていた。

(あの方かしら。)

そして、バレー部の部活が終わり、解散し、それぞれ帰った。

そして、龍二に近づく裕子の姿があった。校門を過ぎて曲がって歩いたのを見た後、後ろを付いてきた晴美が声をかけた。


「お兄様。」

龍二はぎくっとした。

「晴美??!」

龍二は何故かあたふたした。

「これは決して浮気ではなくてだな。」

「何をおしゃってるんですか?お兄様。私達兄妹ではないですか。」

「お、おう。」

「始めまして。私、小関晴美と申します。貴女様は?」

「私は女子バレー部の峰岸裕子です。」

「そうですか。お兄様とはただの部活仲間ですか?」

晴美は“ただの”を強調せず優しく言ったので、裕子の顔は赤面した。

「えっと~、そうですね。」

晴美は彼女の表情を見逃さなかった。

「・・・」

「今は話しやすい部活仲間と思ってます。」

「・・・そうですか。兄と仲良くして下さい。お兄様。私はお先に失礼します。」

「あ、あぁ。」


晴美はせっせと歩いた。

「・・・丁寧な妹さんね。」

「あぁ、晴美は僕の自慢だよ。」

晴美を見る龍二の目は少し寂しそうだった。

裕子はその目に違和感を覚えた。妹を見る目では無かったからである。しかし、彼女はその違和感の正体は分からなかった。

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