611話
年明け早々に仕事が舞い込んできて気二か月近く放置という有様。うちの業界は暇なときは暇なくせに忙しくなると残業100時間とか当たり前になるのが困りものである。
少し落ち着いたので今月はいくらか更新できそう。
「新年おめでとうございます。今年も宜しくお願いします」
応接室に行くと専属受付係のマクファイト令嬢が会釈をする。
「新年おめどとうございます。こちらこそよろしくお願いします」
そう返し座るように促す。
「で、新年早々どういったご用件で?」
忙しい事もあり座って早々で申し訳ないが訪問の理由を問いかける。この世界では普通は新年明けには遠慮するものなので緊急事態的なナニかではないのだろうか?
「実は――――」
本日の訪問に関しては僕らが今日中に出発すると聞いて急遽決まったとの事であった。要件としてはまず最初の話は共同体でお断りしていた巡回業務に人を回してもらえないか?という内容であった。
もともと地元の冒険者が仕事がとられたと苦情が多発し撤退した経緯がある。この巡回業務は楽なうえに一種の特権的な慣例があり訪れた村落などで酒宴を強要できたりするのだ。大半は適当に巡回して村落で飲み食いして戻ってくるだけという美味しい仕事なのである。
僕らの共同体で業務を担当していた陸軍のおじさんらは酒宴の強要もしないし村の困りごとも喜んで手を貸すし非常に評判が良かった。
おそらくその落差で苦情に繋がったのだろう。
居残り担当の人員を思い浮かべて二組であれば派遣できると伝える。
「ありがとうございます。では次ですが――――」
次の話は共同体で募集していた人材が見つかったという事で経歴書を作成してきたとの事であった。
差し出された封書は5通。
「この時期に5人もですか…………」
恐らくギリギリ最低限の要綱を満たした人材であろう。やはりアタリは来ないかぁ…………。
「優秀な人材は国軍や貴族の私兵が契約してしまいまして…………」
「いえ、貴重な人材ですし仕方ありませんよ。即戦力にはなりませんが、それなら鍛えれば良いのです」
「あ、でも一人だけ期待値の高い娘が…………異邦人なんですよ」
僕らや黒の偽勇者とかと同じで別の世界からやってきた存在か。
「戻り次第連絡するという事で今月中に連絡します」
「承知しました。先方にはそう伝えます」
これでこの件もおわり。
「それで次ですが――――」
▲△▲△▲△▲△▲△▲
税金の話やらいくつかの指名依頼の件を片付けて専属受付係のマクファイト嬢を見送り僕個人の支度を始める。
荷の積み込みが遅れていた事もあったが同伴する文官が馬車の事故で到着が夕飯時になった事もあり変に待たせることもなく日の入り後の暗い中での出発になった。
今回はウィンダリア国に使者として赴くので国旗掲揚と使者を現す交渉旗を掲げての移動となる。
とは言っても高位の冒険者だけで国の使者として行っても門前払いなので外交官であるディンプ大公爵おめでとうございます。今年も宜しくお願いします」
応接室に行くと専属受付係のマクファイト令嬢が会釈をする。
「新年おめどとうございます。こちらこそよろしくお願いします」
そう返し座るように促す。
「で、新年早々どういったご用件で?」
忙しい事もあり座って早々で申し訳ないが訪問の理由を問いかける。この世界では普通は新年明けには遠慮するものなので緊急事態的なナニかではないのだろうか?
「実は――――」
本日の訪問に関しては僕らが今日中に出発すると聞いて急遽決まったとの事であった。要件としてはまず最初の話は共同体でお断りしていた巡回業務に人を回してもらえないか?という内容であった。
もともと地元の冒険者が仕事がとられたと苦情が多発し撤退した経緯がある。この巡回業務は楽なうえに一種の特権的な慣例があり訪れた村落などで酒宴を強要できたりするのだ。大半は適当に巡回して村落で飲み食いして戻ってくるだけという美味しい仕事なのである。
僕らの共同体で業務を担当していた陸軍のおじさんらは酒宴の強要もしないし村の困りごとも喜んで手を貸すし非常に評判が良かった。
おそらくその落差で苦情に繋がったのだろう。
居残り担当の人員を思い浮かべて二組であれば派遣できると伝える。
「ありがとうございます。では次ですが――――」
次の話は共同体で募集していた人材が見つかったという事で経歴書を作成してきたとの事であった。
差し出された封書は5通。
「この時期に5人もですか…………」
恐らくギリギリ最低限の要綱を満たした人材であろう。やはりアタリは来ないかぁ…………。
「優秀な人材は国軍や貴族の私兵が契約してしまいまして…………」
「いえ、貴重な人材ですし仕方ありませんよ。即戦力にはなりませんが、それなら鍛えれば良いのです」
「あ、でも一人だけ期待値の高い娘が…………異邦人なんですよ」
僕らや黒の偽勇者とかと同じで別の世界からやってきた存在か。
「戻り次第連絡するという事で今月中に連絡します」
「承知しました。先方にはそう伝えます」
これでこの件もおわり。
「それで次ですが――――」
▲△▲△▲△▲△▲△▲
税金の話やらいくつかの指名依頼の件を片付けて専属受付係のマクファイト嬢を見送り僕個人の支度を始める。
荷の積み込みが遅れていた事もあったが同伴する文官が馬車の事故で到着が夕飯時になった事もあり変に待たせることもなく日の入り後の暗い中での出発になった。
今回はウィンダリア国に使者として赴くので国旗掲揚と使者を現す交渉旗を掲げての移動となる。
とは言っても高位の冒険者だけで国の使者として行っても門前払いなので外交官であるディンプ宮中伯が同行する。
宮中伯の位置づけは城伯と同じで当代限りの貴族であり外交官や大臣に与えられる宮廷での地位だ。
軽い挨拶と握手を交わし航路予定を告げ、主要な人物を紹介して廻って気が付くと巨大な飛行魔導輸送騎は高度0.5サーグを街道沿いに東に進路をとっていた。
この世界で空を飛ぶものがほとんどない原因は飛行型の魔物に対処できないからだ。この船体であれば大半の生物は避けてくれるだろうが空で遭遇したら死亡を覚悟する必要がある魔物がいくつか存在する。
高高度を飛行し獲物を見つけると音速の三倍で突撃し衝撃波で獲物を仕留める衝破鳥、空で遭遇する最大の生物であり伝説でも度々登場する翼長75サートにもなる巨体を誇る超巨大大怪鳥、体長3.75サートほどで自分より大きい存在に突撃する気性の巨大槍鳥である。
蛇竜、飛竜、偽竜などはある程度高度上げれば襲われないので問題ない。
居住区には地上を見下ろせるように床に映像盤が設置されており拡大投影されている。
現在分かっているのは交易路上空はかなり安全だという事でやや遠回りであるが交易路沿いに東方北部域まで行く事となったのである。




