36話
狩りを切り上げて街に戻る。
狩り場が遠くなる、つまりは街までが遠い訳で。
正直ダルい。
ゲームと違って自分の足で歩く訳だから当然だが。
しかも、通り道にはモンスターが居るから面倒だ。
空の色合いもオレンジよりダークブルーの割合が増してきた。
「そう言えば、ランタンとか照明器具買ってないな」
これから狩り場が更に遠くなるなら必要に成る。
「って、ランタンに火を付けれないだろ、どう考えても!」
火打石? マッチ?
マッチってどう作るんだ?
木片にリンだかを塗るんだったか?
あれ?でも匂いは硫黄だよな?
「ん? リン? 硫黄? ってか、手に入るか分からんし、原料も分からん! 諦め!」
そんな事を考えながら歩いているとBGMが戦闘の物に変わる。
暗くてもモンスターだけはハッキリ表示されるので、
差し障りはないが。
「夕暮れとか夜に明かりも持たずに現れたら野盗かモンスターにしか見えるだろうな、っと」
どうでも良い思いつきを口にしながら片手半剣をネイルボアの首筋に突き入れて始末する。
ドロップアイテムを回収してまた歩き始める。
今日の狩りで大分稼いだし、
時間が時間だからコバルトを売るのも明日の朝にするとして。
「あぁ~糸玉、どうするかな?」
糸玉と糸巻きの価格確認して、でも、糸巻きに加工は自力では無理だ。
誰かに頼む?
「誰に? いくらで? 差額を渡すなら糸玉で売っても変わらないし……」
まず、頼む相手が居ない。
「悩んでも仕方がないか、後で考えよう」
エミリーかアンに意見を聞こう。
差額の半分位なら駄賃に渡すのも問題無い。
ん? ならまだ客取りしてない子供にさせるか?
まあ、良いか。
何の気なしにステータスを開いてみる。
守宮龍人
人族
凶戦士
LV25
HP310/340
MP320/320
筋力92
体力92
俊敏56
知力31
幸運31
ふむ、HPもMPもほぼ回復してるか。
「ん? よく考えたら、この人族ってなんだろ?」
人族? それ以外になんか居るのか?
いや、エルフとかドワーフが居てもおかしくは無いのか。
古典だとエルフはまず見る機会はないかな?
ドワーフは男女ともに髭面だったりするのか?
「まあ、俺の目には見分け付かないから関係ないか」
チッ、見てみたかった……。
若干八つ当たり気味にモンスターを蹴飛ばして、斬り倒して歩みを進める。
この世界に居着くつもりも無いし、
大した問題でも無いのに視覚情報が入らないのは余計に苛立ちを感じさせる。
時折向かって来るモンスターを処理してようやく街に辿り着いた。
辺りはもう真っ暗だ。
城門をくぐっていつもの娼館に真っ直ぐ向かう。
街灯の無い街は灰色と黒で染まった寂れた雰囲気に見える。
石造りの街特有の風景なんだろうが、結局俺の目に見える物ははっきりしている。
でも、ドット絵。
体調を崩してましたが、
逆に書く事しか出来ないので、
頑張って書き続けます!!