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アルケオン 第二章 「感情の色を探して」  作者: れんP


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32/60

笑顔を守る騎士、その名は勇気

「アルケオン 第二章 感情の色を探して」


彩葉たちの活躍から、十年――。

世界は大きな戦乱もなく、静かな平和を取り戻していた。


日本・大阪府大阪市。

その街に、一人の守護者が存在していた。


イラストから生まれた守護者――ユズ。


絵を描くことを愛する彼女は、

しかしひとつの欠落を抱えていた。


それは――

“色で感情を表現できない”こと。


どれだけ描いても、そこに宿るはずの“想い”が分からない。

色が、ただの色にしか見えないのだ。


そんなある日、ユズは一体の想霊と出会う。


苦しみの上位想霊――

感情体「サファリング」。


感情から生まれる存在である彼女は、

ユズの“欠落”に興味を抱く。


そしてユズもまた、

“感情とは何か”を知るため、彼女と共に歩むことを決める。


タブレット端末を手に、

二人は旅に出る。


喜び、怒り、悲しみ、愛――

さまざまな感情から生まれる“想霊”を探すために。


これは、色を知らない守護者が、

“感情の色”を探し出す物語。


そして――

世界に隠された、新たな異変へと繋がる物語でもあった。

イラストの守護者ユズ。


 


感情体「苦しみ」サファリング。


 


同じく感情体「自負」プライド。


 


三人は——


 


感情体「怒り」アンガーと別れ、


 


福島県へと向かっていた。


 


 


電車の中。


 


 


窓の外には、ゆったりとした景色が流れていく。


 


 


山々の緑。


 


広がる田畑。


 


そして、どこか穏やかな空気。


 


 


ユズは外を眺めながら、ぽつりと呟いた。


 


 


「福島県って……なんだか、落ち着く場所ですね」


 


 


プライドは軽く頷く。


 


 


「ええ、自然も多いしね」


 


 


サファリングも静かに続ける。


 


 


「……カレッジも、こういう場所を好む」


 


 


「そうなんですか?」


 


 


ユズが振り向く。


 


 


サファリングは短く答える。


 


 


「ん……人間の笑顔が好き」


 


 


「だから……人が笑ってる場所にいることが多い」


 


 


 


ユズは少し考え——


 


 


「じゃあ……」


 


 


「公園、とかですか?」


 


 


 


プライドがくすりと笑う。


 


 


「いい線いってるわね」


 


 


サファリングも小さくうなずいた。


 


 


「……可能性、高い」


 


 


 


 


やがて電車は駅へと到着し、


 


三人は福島の地へ降り立つ。


 


 


 


街を歩きながら、


 


人の流れや気配を感じ取る。


 


 


 


そして——


 


 


少し歩いた先に、公園が見えた。


 


 


 


子供たちの笑い声。


 


 


走り回る足音。


 


 


明るく、あたたかな空気。


 


 


 


「……ここ」


 


 


サファリングが静かに言う。


 


 


 


三人は公園へと足を踏み入れる。


 


 


 


すると——


 


 


すぐに、目に入った。


 


 


 


一人の少女。


 


 


ピンク色の髪。


 


 


どこか騎士のような雰囲気をまとった姿。


 


 


 


そして——


 


 


子供たちと一緒に、楽しそうに遊んでいた。


 


 


 


「こっちだよー!」


 


 


「まてまてー!」


 


 


 


無邪気に笑いながら、


 


子供たちと同じ目線で走り回っている。


 


 


 


その姿は、


 


とても“戦い”とは無縁に見えた。


 


 


 


プライドが小さく呟く。


 


 


「……いたわね」


 


 


 


サファリングも、わずかにうなずく。


 


 


「……カレッジ」


 


 


 


しばらくして——


 


 


少女は三人の存在に気づいた。


 


 


 


「あれ?」


 


 


 


こちらを見て、ぱっと表情が明るくなる。


 


 


 


「サファリング!プライド!」


 


 


 


元気よく駆け寄ってくる。


 


 


 


「久しぶりだねー!」


 


 


 


「……久しぶり」


 


 


サファリングが静かに返す。


 


 


プライドも軽く手を振る。


 


 


「元気そうじゃない」


 


 


 


カレッジはにこにこと笑いながら、


 


すぐにユズへと視線を向けた。


 


 


 


「ん?その子は——?」


 


 


 


興味津々、といった様子。


 


 


 


ユズは少し緊張しながらも、


 


一歩前に出る。


 


 


 


「は、はじめまして!」


 


 


 


「私は、イラストの守護者——ユズです!」


 


 


 


カレッジは一瞬目を丸くし、


 


 


そして——


 


 


ぱっと、明るく笑った。


 


 


 


「イラストの守護者!いいね、それ!」


 


 


 


胸を張って、自分も名乗る。


 


 


 


「私はカレッジ!」


 


 


 


「上位想霊感情体で、“勇気”を司ってるよ!」


 


 


 


その声は、


 


明るく、まっすぐで——


 


 


まさに“勇気”そのものだった。

ここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみに

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