子ども時代3
お久しぶりです。間が長く空いてすみませんでした。
あの誓いから一カ月がたった。
と言っても、以前と比べて大きな変化はない。いつものように邪魔な兄は嫌がらせをしてくるし、親どもが俺に関わってくることない。変わったのは、俺の部屋に本が入ってきたことだけだ。
そう、俺の部屋に、本が、あるのだ。
俺としては、なんで今までなかったのだと言いたいくらいだ。この部屋に監禁みたいなことをされているせいで、ほとんど出られない。つまり、やることが無いのだ。ようは、暇である。
前の俺は、この長い暇時間を寝ることで解消していたらしい。なんてつまらない毎日なんだろう。幼児にこれは苦痛だったろうに。よく頑張った、前の俺。
体調が回復してから、俺は前と同じように過ごしていたのだが、2日で飽きてしまった。え?前の俺より精神年齢高いはずなのに、我慢できなかったの?だって?
何言ってんだ!無理に決まっているだろう!?
よく考えてみろ。倒れて目が覚めたら異世界に転生していたんだ。最初は混乱して思考が止まるかもしれないが、落ち着いてきたら誰もがこう思うだろう。
「ここってどういうところなんだ?もしかして、剣と魔法の世界なのか?」と。
それを思ってしまったが最後、気になって気になって仕方がなくなる。自分の記憶を頼りに情報を集めようとする。しかし、全然情報がない。そうなったら、次にとる行動は、「人に聞く」か「本で調べる」だ。
でも、俺の周りには俺と関わろうとしてくる人はいない。まあ、兄とユリウスがいるけど、兄は使ええないし、ユリウスは・・・、可愛い弟だしな。可愛い弟の前ではかっこいいお兄ちゃんでいたい。ということで、周りに話を聞ける人はいない。
となると、俺は本を読むしかなくなるわけだ。でも、俺の部屋には本なんていっさいない。さてどうするか。
俺はお願いをしてみた。「俺、本読んでみたいなあ。そうしたら、部屋でおとなしくしているから。」って。
そうしたらなんと!たった3日で50冊を超えるくらいの本が用意されたのだった。まさかこんなに簡単に叶えてくれるとは思ってなかったけど。「絶対に部屋から出てくるなよ。」ってメッセージがビンビンに伝わってくる。そんなに俺がみたくないのかよ。
こんな感じで、過程はどうであれ、俺はこの世界について知れる手段を手に入れたのだった。チャンチャン。
「ルー兄様、ユリウスです。入ってもいいですか?」
「うん、いいよ。」
ボーっとしていたら、ユリウスがやってきた。ちゃんと確認をとってから入るだなんて、なんていい子なんだろうか!兄なんて、いきなり入ってくるからな。ユリウスより年上のはずなのに。
「ルー兄様と会えなくて、ものすごく寂しかったです!」
「う、うん。そうか。」
昨日会っているけどな?なんなら、毎日会っているけどな?ま、そんなこと言ったらシュンってするから言わないけど。
「俺も寂しかったよ。」
そういうと、ユリウスはパアっと嬉しそうな顔ををする。はい可愛いうちの弟世界一!
「そういえば、そろそろユリウスの誕生日だな。」
「!覚えていてくれたんですか!?嬉しいです!」
「ま、まあ、当たり前だ。俺はユリウスのお兄ちゃんだからな!」
まあ、本当はメイドたちが話しているのを聞いて知ったんだけど。
「誕生日パーティーには行けないけど。部屋でちゃんとお祝いしているからな。」
クズ親どもは、俺を絶対に家族の行事に参加させない。さっきまでは「あんなクズどもと会わなくて済むなんてよかった。」と思っていたけど、ユリウスの誕生日を一緒に祝えないのは残念だ。
「ありがとうございます!そのパーティーが終わったら、ルー兄様の部屋に行きますね!一緒にお祝い、してくれますか・・・?」
「もちろんだ!」
「わあ!やったあ!」
「なにかプレゼント用意しとくか。」
「本当ですか!?嬉しいです!」
「そっか。じゃあ、ちょっと張り切ってみますか!ユリウスをびっくりさせてやる!」
「ふふっ。楽しみにしていますね!」
俺たちは、まさか誕生日パーティーであんなことが起こるなんて、この時は少しも思っていなかったのだった。
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