第17話 盗賊団
どこかいい場所を探しに、コカトリスの棲家を抜けた。
オレンジの街からは、クアロア森林を抜けて六甲山脈を少し登ったところに来ている。
ここら辺はまだ未開の地らしい。オレンジの街には、開拓できるほどの戦力はない隣国から攻められることもないため、魔法騎士団の戦力も高くなく、冒険者のレベルも低い。
六甲山脈は魔物のレベルが高いらしい。どうやら、山の主が何匹も存在し、それらが争い合っているそうだ。
そのため、この地は未開であり、人の手が入っていない。
誰にも見られることはない。
だからこそ、ここに拠点を作ろうと思う。
そしてだからこそ、盗賊が住むにはもってこいの場所だ。叩けば出てくるほどにいるだろう。
「頭、鴨がネギ背負ってやってきましたぜい。」
ほら
「お前たち、何度言ったらわかるんだ、敵の前に姿を現すな。襲う前にバレちまうだろうが。」
「でもお頭、あいつらからは俺たちがどこにいるのか見えてないですぜい。」
「お前たちの声がきこえているだろ!」
「この声がきこえてるんですかい!そんなデカい声で話してないですぜい」
「そうですぜい、頭。あっしらの声はそんなデカくないですぜい」
「それはお前らの声が普段からデカすぎるだけだ」
倒すなら、すぐがいい。
付与魔法 伸びる
刀を伸ばして、盗賊が隠れている岩場を攻撃する。
「あぶねっ!」
「おいおい、あぶねーじゃねえか」
「あっしらが何したって言うんだ」
「お前らの声は全部聞こえてるよ」
「げっ、ホントに聞こえて嫌がったとわ」
「だからそう言っただろ」
「あっしらバク兄弟一生の不覚」
「呑気な奴らだな。3人の盗賊団か?」
「バク兄弟とクロッカスのお「頭」の三人衆山山荘さんさんそうとはあっしらのことよ!」
「3人だからって、舐めてもらっちゃあ困るぜい」
坊主で、同じような背丈をしたバク兄弟を名乗る奴らが、仕掛けてきた。
フィストは左を、エリシアは右を頼む。俺は真ん中をやる。殺すな。
御意、了解
「こいつら強すぎるぜい、かしら〜」
正直舐めていた。かなり強かった。リーダーのクロッカスはナタのような小刀を二刀流で使いこなし、
エリシアとフィストも少しだけ手こずっていた。
月下の弓矢より全然強いだろう。
「こいつらどうしようかしらね」
「ギルドに引き渡そう」
ここまで強いんだ、B級くらいの賞金首としてビンゴブックに載ってるだろう。臨時収入ゲットだ。
「ヤクモ、俺にそいつらを任せて欲しい」
「なぜだ」
「拠点を作るには人手が必要だ」
「こいつらにやらせると?」
「そうだ」
純粋な目だ。
「盗賊だぞ、悪いことをした奴らだ」
「それなら俺もそうだ。同族も、人も、たくさん殺した。でも、ヤクモに出会った。変わるチャンスをもらった。
「良い話だなあ、お頭」
「こら、お前たち敵の話を聞いて泣くんじゃない。ここから逃げる方法を考えんか!」
「全部聞こえてるぞ、お前ら。」
よしわかった。
フィストの方が強い。いざとなればなんとかできるか。
フィストがそんなことをするとも思わないけどな。どこまでも、見捨てない目をしている。
「それなら、とっておきの場所がありやすぜい。」




