退団その後
あれから一週間が過ぎた
うえおは騎士団受付へ歩いていた
「これをお願いします」
受付嬢はほんの少しそれを見て
「あちらの椅子で少々お待ちください」
「分かりました」
たぶん問題無く受理されるだろう
うえおには組むべきメンバーもいない
どこかで壁役の欠員がでなければフリーなのである
「うえおさん今までお疲れさまでした」
どうやら問題無く受理されたようだ
「今までありがとうございました」
そう言って早々に立ち去るうえお
うえおには友達が居ない団に所属して6年居たが友達らしい友達は出来なかった
「どうしようか」
うえおは独り言を言う
とりあえずあてもなくぶらぶらする
実を言うと団を抜けたうえおには帰るところも無いのである
ただ給料のほとんどは貯金してあるのですぐすぐに困る事はない
「道場かちょっと面白そうだな」
大きな道場だ。しかし活気が無さそうだこれならどうぞどうぞで迎えられるのでは無いだろうか?
そう思いながら中に入るうえお
ひとりの門下生らしい人がいるあの人に聞いてみよう
「すみません、ここの道場見学してもよろしいでしょうか?」
「見学ですか?ちょっと師範に聞いて来ますのでここで少々お待ちください」
そう言って去っていく門下生
「師範が直接話したいようですのでこちらへどうぞ」
そして奥に通される
何もない小さな部屋だ
「お座りください」
「どうもありがとうございます」
「我が道場へようこそ。さて見学をされたいと申すが、見学ののちどうされるおつもりか?入門か?道場破りか?返答によってはこちらもいささか乱暴をせねばならぬ」
「見学して得られるものがありそうなら1週間か1ヶ月程入門したいと思っていますがよろしいでしょうか?」
「我が道場は教えが特殊なため弟子が少ない、だからと言って理解のない者を入れようとは思わぬ。それでこの先を聞かれるかな?」
なぜそんな当たり前の事を聞くのだろう?聞く以外の選択肢は無いじゃないのか?それとも知っていて当然なのか?
「もちろん聞きます」
「ほう、聞くと申されるか!?どうやら知らずに訪れたようじゃな。うむ、よろしい、長くなるぞ良いな?」
「はい、良いですがちょっと座りかたを変えてもよろしいでしょうか?」
「…うっうむ」
そうして体育座りをするうえお
「それでよっよいのか?」
「はい」
「では、まずじゃこの世はまるでステータスが全てであるような風潮ではあるがワシはそうは思っておらん。何故かというとだなワシは今までの人生の中で一度だけ異世界人と旅をした事があるのじゃがその異世界人にはスキルと言う物があった。だがワシ等にはない、何故だろう?とワシは思い考えたひとつはワシ等のステータスプレートに故意に表示されないもしくは取得できていないじゃ。異世界人はこういったスキルとは経験により培った能力であり、そうたやすく手には入ったりスキルレベルがアップするものじゃないと、因みに経験と言うのは何回も同じ事をして体や頭に覚え込ます物だそうじゃ。後こうも言われた異世界人から見たらたいした努力もなしに自分の身体能力が上がるワシ等の方が異常なのだと、異世界人から見るとワシ等はこの異常な身体能力でただ剣や拳を振り回しているだけなのだそうだ、技術なんかひとつもない素人だそうだ。良いかワシの道場はステータスポイントを得る場所ではない、経験から得られるスキルの取得を目的としておる、そしていまだかつてそれの取得に成功した者は居らん。ワシも然りじゃ。それでもお主はワシの道場に入るか?」
「お願いします。俺は知力が13しかない馬鹿で頭では何も覚えれないので体で覚える方が都合がいいです。」
「13・・・君は教師や親の言うことを聞かなかったのか?」
「親は居ませんし先生の言う事や世の中の風潮は無視してステータスを上げましたね」
「まぁよい、でどのような事がしたいのじゃ?」
「俺は体の丈夫さだけが取り柄なのでそれが役立つ何かが欲しいです」
「よしでは道場に行こうか。さとるもついて参れ」
「はっ」
どうやらこの人はさとると言うらしい一応兄弟子になるのかな?
そんな事を考えながら着いていくうえお
道場に着くが誰も居ない
「では始めようかちょうど良いさとるが攻撃しなさい。少しづつ強くするのですよお前の力は強すぎる。とりあえずさとるの攻撃でどれくらい耐えれるか試すからのー」
「はい分かりました御師匠様」
そして構えるさとる
「分かりました」
そしてうえおも構える
「いきますよ!えい!」
ごっ!
「う!」
「どうしたさとる?」
「いっいえなんでもありません!」
「そうか。うえおはどうだ?」
「なんともありません、面倒なので本気で来てください」
さらっといううえお
「師匠様本気でいきます!」
「馬鹿やめ」
ズッゴーーーーーーン
「ろ」
師匠の言葉より先にさとるの拳がうえおにあたるが
「うあぁぁ手手が僕の手が」
さとるの拳が自分の攻撃に耐えれず潰れていた
うえおにはその拳が完全に再起不能に見えた
「さとる早く治療して来い!」
泣きながら走り去っていくさとる
「何という事じゃ最後の弟子が…わしも少しやって良いかの?」
「どうぞ」
「どれ」
パシ
「硬い何という硬さじゃまるで鉄の塊を殴っているような感触だ。馬鹿と天才は紙一重じゃと言うがまさか真であったか。分かったその丈夫さならおぬしは最強のカウンター戦士になれるじゃろう!しかしとても素手ではおぬしを殴れんので鉄棒でも良いかの?もちろんおぬしはグローブ付じゃそんな拳を食らったらワシが死ぬどうじゃ?」
「はい、お願いします」
何としても1週間いや1ヶ月でカウンタースキルをワシの生活が弟子が宣伝が破産じゃ…
そう心の中で思う師匠であった




