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No.023 回数

『回数』


しゃっくり。


それは百回すると死ぬと言われている病である。


「ひっく!」


「母さん!今ので何回目だ!」


「八十七回目です!」


「あと二十三回しか残ってないぞ!」


「あと十三回ですよ」


「あなた落ち着いて!」


「先生!どうか息子を助けてやってください!」


「そう言われましても…」


「ひっく!」


「母さん!カウント!」


「八十六回目です!」


「八十八回目ですよ」


「何かいい方法はないんですか!」


「しゃっくりにはどんな薬も手術も通用しないんです。


本人の気力で抑え込む以外、我々にはどうしようも…」


「ひっく!」


「えっと…えっと…先生!」


「八十九回目です」


「頑張って!私たちがついてるから!」


「ひっく!ひっく!ひっく!」


「あぁ!母さん!」


「先生!」


「九十二回目です」


「あと七回か…」


「あと八回です」


「ひっ…ひっく!」


「先生今のは!」


「二回分のカウントで九十四回目ですかね」


「えぇ!今のは一回分だったじゃないですか!」


「誤審ですよ!誤審で誤診ですよ!」


「何上手いこと言ってんだ!先生のカウントは絶対だ!」


「三回分カウントしてもよかったんですからね」


「ひっく!」


「くそぉ!」


「ひっく!」


「もう見てらんない!」


「ひっく!ひっく!ひっく!」


「まさかの…」


「三連続…」


「残り一回となりましたね…」


「あとは息子さんが病に打ち勝つと信じましょう」


「神様…」


「仏様…」


「ひっ…ひっ…」


「ひっ…


「先生!おトイレ借りてもいいですか!」


…く」


「負けましたよ。あなた方には。


今回はよく聞き取れませんでした。よってノーカンです」


「本当ですか!」


「よかった!」


「ひっ…


「先生!この部屋暑いですね!喉乾きませんか!」


…く」


「ノーカン」


「ひっ…


「先生!お疲れでしょう!肩でもお揉みしましょうか!」


…く」


「ノーカン」


「ひっ…」「先生!」「ノーカン」


「ひっ…」「ノーカン」「先生?」


「ノーカン」「ひっ…?」「先生?」


その後も三人の攻防は一時間続いたそうな。

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