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一人暮らしにつきものの憑き物  作者: ぴよ
第三部 友人宅と憑き物

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33/55

友人宅で勝負!勝負!

こけしによる河童宣言。

佐伯宅からやってきた憑き物一同、それぞれ意見を述べだした。


座敷童子

(カッパって、河童のことかしら?)


家鳴

(違うな)

(違うよね)

(こけしだね)


目目連

(視覚情報だけなら、外見は確かに河童です)


すねこすり

(これから河童になるの?)


白沢

(それはないでしょうね)


あれこれと好き放題な言われている。黙って聞いていた当のこけしが、プルプルと震え出した。


すねこすり

(あれ?どうしたの?)


家鳴

(ん?)

(なに?)

(?)


(デ……ッテ)


目目連

(失礼、振動数を検知していて聞き逃しました。今なんと?)


こけし

(モウ!デテッテ!)

(ココ!サナエチャ、ノヘヤ!)

(マモル!!)


座敷童子

(あら、気に触ったかしら?それになんだか突然使命感を感じてるのよ?)


突然の退去命令。こけしはまだプルプル震えている。 だが、残念ながら調査隊はどこ吹く風。


すねこすり

(やだ)


こけし

(ェ……?)


すねこすり

(まだいるよ)


こけし

(ンー!ダメ!)


新たな影の微笑ましさに白沢のイタズラ心がくすぐられる。

(ほほう、それなら追い出してみますか?)


こけし

(ンー!)

(ショウブ!ショウブ!!)


ーー


こけしはどうやら、この部屋を水上と自分だけの縄張りにしたいらしい。


白沢

(自我に目覚めたばかりのようです。幼い故の勘違いではありますが、少し付き合ってあげましょう)


しかし、勝負といってもなにをするのか?相手はこけしである。


家鳴

(((ゲーム!)))


座敷童子

(出来るわけないのよ!却下!)


目目連

(勝負が何であれ、わたくし、手も足もございませんので……はっ!審判ならできます!)


白沢

(何で勝負するにしろ、さすがにわたしが相手では可哀想でしょう)


座敷童子

(確かに赤ちゃんにヤギは無理があるのよ。適任はすねこすりかしら?)


すねこすり

(よーし!勝負!)


で、結局何で勝負するのか?

考えたところで決めようがないので、もうこけしに決めさせることにした。


こけし

(ンー?オヨグ!)


競泳できる場所などない。

だいたい温泉出身とはいえこけしは沈むだろう。却下。


こけし

(……ゲーム?)


家鳴

(((お!?)))


座敷童子

(疑問系の時点で却下なのよ!こけしも流されてるんじゃないのよ!)


こけし・家鳴

(シュン……)


白沢

(それなら相撲はどうでしょう?河童ならお強いでしょう?)


こけし

(ッ!スモウ!)


やっと決まった。


ーー


座敷童子

(とはいえ、やっぱりこけしには無理があるのよ)


白沢

(まぁ、ここはすねこすりに任せましょう)


こうして始まった相撲勝負。世紀の決戦!こけし対すねこすり!


目目連

(さぁ、見合って見合って!八卦良い!残った!)


両者睨み合う。すねこすりがジリジリと迫る。

おっと!?こけし動けない!

ここですねこすりが軽くひとこすり!

コトン 勝負あり!


座敷童子

(案の定なのよ。そもそもまともに動けないじゃないのよ)

こけしはあっさり負けてしまった。

負けてしまったが?


こけし

(ンー!モイッカイ!)


すねこすり

(いいよ)


ーー


その後こけしが納得するまですねこすりは付き合った。


すねこすり

(まずは動けるようにならないと)


こけし

(ウーン?)

カタカタッ、カタッ


すねこすり

(そう!そんな感じ!)


目目連

(では、八卦良い!残った!)


カタカタッ、コトッ


家鳴

(そうだ!まわりこめ!)

(いい感じ!)

(いけー)


すねこすり

(えいっ)


コトン


こけし

(アーッ、マケターッ)


ーー


座敷童子

(やっぱり無理なのよ。まぁ、楽しそうではあるのだけど)


白沢

(それでいいのでは?)


勝負はいつの間にかただの遊びになっていた。

こけしは勝てないことにがっかり。何度も転がされて悔しいことこの上ない。

でも……こんなに楽しいのも初めて。

そして、楽しくなって気がついた。そもそも、追い出す必要などあったのか?

彼らはサナエチャのお客様じゃないか。


こけし

(アノネ)


一同

((?))


こけし

(ゴメンネ、イラッシャイ)


一同

((!))


すねこすり

(えへへ、おじゃましてます)


ーー


白沢

(どうやら、初顔合わせは無事に済みましたね)


座敷童子

(そうね。最初は少しだけ心配したのよ。でも、すねこすりが良く面倒をみてくれたわ)

みんながまだ遊んでいる様子を眺めながら、保護者組は頬を緩めていた。


座敷童子

(この部屋も、これから少しだけ賑やかになるわね)


白沢

(良いことです。ただし、まだ幼い影ですから、しばらくは私達も見守ることとしましょう)


目目連

(見守りでしたらわたくし適任です!)


家鳴

(立候補!)

(見守り!)

(交代で!順番!)


目目連と家鳴も乗り気の様子。


すねこすり

(ともだち、だね)


こけし

(トモダチ?)


言葉の意味に少し戸惑ったものの、理解したこけしは大喜び。

(オトモダチ!オトモダチ!)


どうやら、これからまた騒がしくなりそうだ。

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