11杯目 ブランチ
⚠︎グロテクスな描写があります!
新しい試みなので、興味ある方は読んでみてください!
ピーンポーン。ピーンポーン。
カーテンで締め切られてるまるで中世ヨーロッパ貴族の洋館のような佇まいに日本らしいインターホンが鳴り響く。
ドンドンドン!
「椿不動産の都築です!今日こそ物件の売買に関して相談をさせてください!中に入れて下さい!」
若者のハキハキした男性の声が重く響きわたった。
吹き抜けの二階建の建物には、それなりの音なら全体的に響く。寝室にはベルベット素材で群青色の絨毯に装飾された金色のベッドフレームには深緑の掛け布団とクッションが敷き詰められたキングサイズのベッドがある。
クッションの間に埋もれていた顔をムクっと浮き上がりやっと寝付けたというのにと苛立ちながらも人間の相手をすることにした。
「俺、夜型って言ったよね〜?!いつも断ってるのにしつこい!!」
「初めて返事くださりありがとうございます!若いですね!また来るので是非ご検討ください!失礼します!」
「え、ちょっ!」
あぁ〜めんどくさい!
睡眠を邪魔された苛立ちとまた来る言葉にさらに苛立ちベッドてひとしきり暴れると眠れそうになく、渋々起き上がりリビングへ向かう。
客人を招く事も無くなった12人掛けのロングテーブルに椅子が並ぶなか1人ぼーっと座ることにした。ふと向かいにある壁掛けの時計を見ると11時を回っていた。
もうすぐ昼なのか。昼か、、、。
体質的に日光は大敵で対策をするのが面倒くさいのと、人間の多い明るい時間は理性が保てなくなるから外出はここ何年もやってない。
暇だし、外に出るかな。
衣装部屋には着物にスーツ、コートに草履や革靴なと西洋と和の服や小物が入れ混じって整理整頓されている。まずは全身に日焼け止めのクリームを塗りたくる。海外で買った白いやばいやつは、顔に塗ると芸妓のような某芸人みたくなる。鏡に映る自分に笑いながらツッコむ。
ちくしょーと叫びたくなるなぁ。これは。
通気性のいい黒のタートルネックの長袖を着て紺色と黒の柄物の着物を着付けると黒いハイソックスに黒の中折り帽子を被る。
玄関まで来ると黒い手袋をして腕時計をつける。
平日の昼下がり。
賑やかと構えていたが住宅街の中にぽつんと佇む自宅を出ると想像以上に静かで人も居なかった。傘を刺して散歩がてら住宅街を闊歩してると夜とは違う街並みが新鮮で歩いてるだけでも小説のページを捲るようにじっくり楽しめた。
「お兄さん!だよね、、?」
聞き馴染みのない若い女性の声が後ろからボールのように飛んできた。振り返ると、どこか懐かしい、顔立ちをしたオフィスカジュアルで明るい服装でショートボブの小柄な女性が嬉しそうな顔で僕をみていた。
「どちらさんですか?」
「私のこと忘れてしまいましたか?まぁ〜当時は子どもだったから今とは外見が全然違いますよね〜!あはは〜」
「子ども、、、。あぁ!」
「そうです!夜中に、血だらけなお兄さんに声をかけた由依です!」
いやぁ〜、、、。一番会いたくなかった人間に出会ってしまった、、、。
由依は、10数年前に僕が夜中に狩をしに街中を徘徊してと空腹でたまらなくなり裏路地で食事をする中で声をかけてきた幼女だった。
それがまぁ〜、、、。いい感じになってきて、、。
彼女は嬉しそうに思い出話や最近の出来事や愚痴などを話をしてくれた。そのなかで、適当に相槌を打ちながら由依を眺めていた。
「お兄さんが私にとって初恋なんです!出会いはあんな感じだったけど、私を助けてくれたから。」
「あぁ〜。そうだった。あの日も言ってくれたよね。」
「はい!今なら20歳だし!今度デートしませんか?」
あの日、出会ったあと、由依は僕のことを気に入ったのか頻繁に夜の街中で僕を見かけると声をかけにきてくれるようになった。
思い返すと1人の幼女が夜の街を1人で歩くなんて違和感があるな。
数年後のとある晩。
由依の家の近くをたまたま通ると由依の叫び声がして興味本位で家の中に入ってみることにした。すると傷だらけで亡くなってるであろう血だらけ女性の姿と包丁片手に血だらけで仁王立ちをする男性の姿があった。
男性の奥を見ると血だらけの由依が怯えた様に縮こまっていた。
食欲を唆る血の匂いに飢餓状態の自分がタイミング悪く重なってしまい、呼吸が早まり息が上がってきた。
にやけた顔を手で隠すと僕は由依に叫んだ。
“由依!外の交番へ行って両親が亡くなった!って言ってこい!ここはどうにかするから!“
”うん!行ってくる!”
由依は父親を掻い潜って、僕に抱きつくと結婚してほしいと呟いて走り去っていった。
“おい、何なんだよ、こんな若者が子どもと遊ぶなんて犯罪だろ!”
“いや、人殺しのがやべーだろ。”
ぐぅ〜腹が鳴り手で摩りながら男性の目をゆっくり見上げると、怖気付く顔に涎を啜り飛ぶよう齧り付いた。男は唸りながら体を動かしてる。ゴクっと飲み込むと体に染み渡る旨味は痺れるほどに美味い。肉を引きちぎり、骨を噛み砕き。飢えを埋めるように一心不乱に食べ尽くした。
足音が聞こえてくると、ぼろぼろの死体を2つ抱いて窓から飛び降りて影を縫うようにそそくさに家に持ち帰った。
地下室の冷蔵庫から、日付の入ったボトルの血液をワイングラスに注ぎ香りを楽しみ一口。芳醇な香りと旨味が身体を包んでいく。
“はぁ〜。うま。”
死体をステンレスのテーブルに置き手慣れたように解体をしてパック詰めをし冷凍庫に保存をした。
「美味かったなぁ〜。」
由依と話しながらあの日、久しぶりに美味い人間を喰った日を思い出して心の声が漏れてしまった。
「美味かった?何が?まぁ〜とにかく!この街には昔から人喰いの怪物がいるらしいって有名だから、お兄さんも気をつけてね!」
「いや、その心配はないよ。今から食事をしようか。料理を振る舞ってあげるよ。家あそこだからさ。」
「っえ?!いいの?!ラッキー!」
僕が自宅に指を刺すと、何か古い館みたいだね〜と由依は不思議そうに呟くと軽い足取りで家の中に入っていった。
だから、明るい時間は外出をしたくないんだ。太陽が昇る明るい時間なのにドス黒い人間がたくさん社会を彷徨っている。
不満、怒り、妬み、哀しみ、嫉妬。
人間を苦しめるストレスほど美味いスパイスはない。
「いただきまぁ〜す。」
“ゴクっ。”
ピーンポーン。
「はーい!!」
ブランチ!
いかがでしたか?
夏に合いそうなヒヤッとする物語ができたのでは無いかな?と思います!




