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ロイの冒険 世界最強の男、美少女しかいない異世界に行く  作者: 灼熱ひまわり
3章 クレイドル城攻防戦
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2

俺、ミスティア、ソフィア、レティカ、そしてモンスター軍団が軍師ラムーウの前に揃った。


軍師ラムーウは周囲を見回してから言った。


「これよりクレイドル城に攻め込んでNNN72を捕獲する、ロイ殿、発見さえすれば捕獲できるんだったな?」


「勿論」


絶対にとまでは言わないが自信はある。

正面からの勝負に持ち込めた時点で負けることはないだろう。


「捕獲後の話はそのあとでしよう、皮算用になるからな……さて方法だが、レティカよ長距離テレポートを使ってロイ、ミスティア、ソフィア、そしてスライムとロックゴーレムをクレイドル城へ送り込んでくれ、ロックゴーレムは全部だぞ全部」


言われたレティカは戸惑いながら言った。


「この人数をですか? それにそんな長距離は難しいですよ。失敗したら壁の中とかに埋まっちゃいますよ。しかも10中8、9失敗します」


「大丈夫、この私がサポートする」


軍師ラーミアが力強く言った。


「ロイ殿は探知機を持っていてくれ、これでNNN72の方から接触してくるだろう」


「探知機を持っていたらNNN72の方から接触してくる?」


「その通り、やればわかる」


本当に来るのか疑問だがかといって代案があるわけでもない。

代案を出せないなら黙るべきだろうし、代案無しに主張する者の意見は尊重しないほうがいいと思うのでここは素直に従っておくことにする。


「残りのメンバーは盛大に暴れてくれ、何せクレイドル城の中に侵入したとなればハチの巣を突いたように兵士がワラワラと出てくるはず。さあ、出発だ」



2のサイド


クレイドル城。

巨大な城は城壁によって守られている。

城下町には城壁のようなものはなく何処までも町が続いている。

途中で森になったり湖になったりしており何処までが城下町かはわからない。


城壁の中は広く、城だけではなく兵士が泊まりこんでいる家もある。


夜でも見張りの兵士達が大勢居る、ちゃんとみんな長袖長ズボンの上に華やかなビキニアーマーを着ている。


「番号!」


「1」


「2」


「3」


「4」


「5」


「6」


「7」


「8」


「9」


「10」


「11」


「12」


「13」


「14」


「15」


「よし!」


ここでよしと言った人物はミスティアに顔面撃たれて倒された人である。

かすり傷一つ残っていないが倒されてしまったことに対する悔しさのようなものは当然ある。

流石にそれを引きずって八つ当たりする程、愚かではないが。


空を見ると巨大で赤い三日月と満月の2つが浮かんでいる。

月明かりは結構明るいが、目が慣れれば光源なしでもなんとか夜道を歩ける程度のものでありやはり暗い。


そんな月夜よりももっと暗くなっている者がクレイドル城の地下深くに居た。


NNN72である。


外見は偽王様のソフィアと全く同じである。

NNN72の隣には半透明で黒ローブを着用した骨だけのモンスターが居た。

背中には巨大なカマを背負っている。

このモンスターはハギャという名前のモンスターでNNN72の部下である。


「NNN72様、確認が取れました。魔道士チュイ・ローレンスは闇の呪縛により一ヶ月程度の眠りについたと」


「死んでないのか、殺せないのか?」


「死んでないし殺せません、チュイ様は723個の命の予備を持っていて何度も復活してきますし」


「死んでいれば俺の死者蘇生で即座に復活できるのに、死んでればすぐさま生き返らせて即戦力として使えるのに」


手品師マリーアリーも封印された。

身動きはとれない状態だ。


「でも、本来なら無限の時間封印される闇の呪縛を一ヶ月程度で破って起きてこれるなんて凄いですよ、しかも呪縛が解けた暁には今までより更にパワーアップすることが予想されます。ノーリスクで核兵器並の破壊光線が撃てて銃弾でもかすり傷一つ負わず長期間封印することもできない魔道士チュイ・ローレンス様が居ればそれだけで千界から追っ手がかかっても軽々と返り討ちにできるはず」


「チュイは一ヶ月は起きないんだろ、マリーも寝ているんじゃこっちの戦力で強い奴は俺しか居いない」


NNN72は語りだした。


「タイジュの部下で千界出身の奴で捕獲できた奴は誰も居ないんだったな」


「ええ、これだけ大規模にやっているんだから数百人は来てると思ったんですが」


「大規模にやってたのは見せかけで本当は少数精鋭だったのか? それともまだまだ大勢居るのか? 千界との出入りはできなくしたが向こうに戦力が残っているなら意味はない……少なくともロイは確実に残っている、こっちの主戦力であるチュイとルーを1日で撃破したロイが」


「ええ、はい」


「タイジュの戦力が総動員されて全面戦争になっても勝てるくらいこの城の兵士たちを強化した、下っ端共ですら拳銃の4、5発は耐えられるだろうし魔法にも強力な耐性がある。千界のエリート兵士と比べても遜色はない。この城も大規模攻撃魔法には絶対自動反射が5重にかかっているし、魔法じゃない物理的な攻撃、例えば核ミサイルとかが飛んできても魔法バリアで防げる」


「はい」


「厳重に守っているつもりだった……タイジュのところのエリート兵士、ミスティアは戦力にもなって道案内も交渉もできるから確実に来るだろうと踏んでた、対俺としてタイジュの部下の中で選ばれるとしたらカーマインかギャンダルフだろうとも予想していた。どっちかが、あるいは2人が同時に来てもチュイ1人で返り討ちにできる予定だったんだ……全軍をあげきてきても、精鋭で暗殺しにきても、全軍と暗殺部隊の両方が来ても勝てる勝負だった」


「あう」


「それがまさか、こんなことになるなんて。潜入されて身代わりのところに暗殺しに行くところまでは想定内だったが俺が何時も居る王座にまで来るなんて、最精鋭のエリート兵士、凶悪な罠、そして部屋の前にはチュイまで居たのに、そのチュイも勝負らしい勝負にもならず一瞬で殺られてしまった。慌てて身代わりを置いて逃げてきたが気が気じゃなかった。身代わりを調べたら偽記憶が解かれていてなおかつ嘘発見を使った痕跡まであった」


「でも偽記憶が入っているんならまあなんとか」


「なんともならん、精神探索で本人も覚えてない深層意識を探ったのなら何を探ったかわかるが嘘発見という何を話したかを覚えてなきゃ何を聞き出されたかもわからない奴を使われてはなんにもわからない。本当の記憶の中に嘘発見は無かった、つまりどういうことかわかるか? というか俺の話ちゃんと聞いているか?」


「ええ!? 本当の記憶の中に嘘発見が無かった理由ですか? そんなことわかるわけないじゃないですか、ハハッ」


NNN72の部下ハギャはそういうと陽気に笑った。

骨だけで半透明で黒ローブを着ている、そんな容貌の割に陽気だった。


「本当の記憶の中に嘘発見が無かった、だというのに嘘発見の痕跡があった、ということは偽記憶の方をを調べたということだ、何故だと思う?」


「それは……なんででしょうね?」


「単純に偽記憶に気が付かなかっただけかもしれないが、俺を探し出す探知機のようなものを作りたかった可能性も捨てきれない」


「それは散々やって失敗したんじゃ」


「失敗はしているが諦めてるとは限らないだろう……まあいい、証拠が足らないのなら憶測にしかならない」


そう言うとNNN72は両手で顔面を押さえた。

かなり落ち込んでいるようだった。


NNN72が落ち込んでいる。


もうすぐ最初に前にロイが攻め込んできてから24時間が経過しようとしている。


「どうしましょう、どっか逃げます?」


ハギャが陽気に言ってみた。


「何処に逃げるんだよ、何処に?」


「え? それは、何処に行けばいいんでしょうね」


「本当だよ、何処に逃げるんだよ何処に。戦力整えて迎え撃つ、これ以外に勝利はない」


「迎え撃てるんですか? 全戦全敗じゃないですか」


しばしの沈黙。


そしてNNN72が口を開いた。


「勝ち道はないわけじゃない」


「え? 何かあるんですか?」


ハギャが明るく言った。


「一ヶ月は千界から援軍は来ない、結界があるからな。今ここに居るやつでまともに強い奴はロイだけだ、タイジュの部下の中で一番強いカーマインが来てても俺なら軽く捻り潰せる。ロイを撃破して立て直す。一ヶ月あればチュイの封印も溶ける、もしロイの屍を確保できればチュイどころじゃない強力な兵隊が作れる、反乱されたら困るから10等分くらいするがそれでもチュイより強い奴が作れるはず……」


そこまで言ったところで地下の更に下で爆音がした。

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