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槍が消えたことでロックゴーレムは再生を始めた。
あの槍は術者をどうにかしないと消えないのでもし魔道士チュイ・ローレンスを取り逃していたら槍はそのまま残るはず。
一日移動し続けてすでに夜になりつつあった。
今日は色々あった、朝から手品師と戦ったし、スライムやロックゴーレムが仲間になったし、ラーミアの里には来たし。
里のすぐ隣に急いで作ったと思われるテントみたいな家の数々には王国を快く思わないレジンスタンスのみんなが暮らしていた。
軍師ラムーウが先導しているとのこと。
ラーミアの里にある家の一つで俺、メイドのミスティア、偽王様のソフィア、自称モンスターのレティカ、軍師のラームウの5人が集まって席についている。
軍師ラムーウの後ろには付き添いっぽい人が1人居る。
これが両手代わりとして連れてきた人だろうか?
「下級兵士までも、全員があの破壊光線レベルの攻撃魔法を使えるようになるようなことがあったりしたら、それって世界が滅びるんじゃないかしら」
ソフィアが苦笑いで言った。
どういう顔で言えばいいのかわからないといった顔をしている。
「これがNNN72の位置を指し示すという探知機か……」
軍師ラムーウは俺が作ったNNN72レーダー、つい先程命名した、を見ながら何か考えている。
「ロイ殿、私の位置を指し示すものは作れるかな?」
軍師ラムーウは唐突に聞いてきた。
「勿論作れるけど、何に使うんだい?」
「いやなに、これの精度次第では今晩中にNNN72を捕まえられる」
「精度次第と言っても『NNN72の探知機を作ろう』なんてのは一番最初に思いついたことで散々やって失敗に終わっててな……」
「バカとハサミは使いようさ、精度が悪かろうかなんだろうが使うやつ次第なんだよ」
軍師ラムーウはそう言うと不敵に笑った。
あえて擬音をつけるならニヤニヤという感じ、たぬきっぽい。




