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四話 タカノカエル

さて、

さてさて、



シュラバです。

修羅場です。


僕の部屋の中なのに、何故か僕ではなく友達が修羅場です


僕はパソコンの前でパソコンを弄っている。フリをしています。

さっきから同じページの同じ行を繰りっ返しクリッカエシ見ています。

ずっとマウスもキーボードも動かしてすらいません。

マウスの上に手をのせているだけです。

僕が座っているパソコンの右隣にベッドはあるのですが、もうそっちの方に視線をもっていけません。

えーっ、と、

改めてもう一度今の状況をおさらいしましょうか。


まず、

ヤマダ(仮)、彼女さん、タカノ君(仮)が僕の家を訪問。

僕と始めましてなタカノ君はこの場につれてこられたことにすら困惑気味。

それ以上に僕は困惑気味。

特に理由も無く僕を困惑させたヤマダに腹が立って更に三人の友人を追加。

その中の一人が僕とヤマダとが昔同じクラスだったときに、共に同じ教室で授業をしていた女子生徒のトクノさん(仮)だった。

三人が僕の部屋に集い、合計7人が僕の部屋に。

僕のベッドの上にタカノ、彼女さん、ヤマダ、トクノさんが座っている。

ヤマダの隣に座ったトクノさんのヤマダへのボディータッチがすごい。

ヤマダ、困惑しながらもデレデレ。

彼女さんのヤマダへの苛立ちにメラメラ。

僕はオロオロ。   ←今ここ。


「ヤマダ君さぁ、今でもサッカー続けてるのぉ?」

「あ、いや、練習きつくてさ、やめちゃった・・・」

「えぇー、そぉなの?なぁんだぁ。まだ続けてたら、試合応援に行ったのにぃ」

ラブラブラブラブ。


僕の部屋でイチャイチャするのはゼがヒでもやめていただきたいのですが、この状況を誰よりも般若の形相で見つめているのは勿論彼女さん。

ヤマダもそれに気付いているのか、チラチラと彼女さんの方を窺っています。

ブロンドA,Bは相変わらず床に座ってグラップラー刃牙や餓狼伝見てたりで、その他のことには一切触れていません。


さすが、急遽集まった奴等だけあってチームワークもヘッタクレもあったもんじゃありません。


「・・・・・・・・・・」


と、ここで、彼のタカノ君に異変が。

ベッドから立ち上がったかと思うと僕の肩を叩いて、

「もう、帰ります」

と小さく言いいました。

「テメェつまんねぇだよボケがぁッ!」

とか言われたらどうしよう、と不安になっていた僕は胸を撫で下ろしつつ、

「あ、そう?じゃあ・・・」

そこまで送るよ。と、僕も席を立ちます。

二人して部屋を出る折、チラッとヤマダ達の方を見ました。

彼女さんの表情が文章では表現できないほど般若だったので、即効で目を背けたのはいうまでもありません。



家を出、庭を横断して玄関へ。

「何かスミマセン」

と、急にタカノ君が謝り始めたので、

「はい?」

と僕は笑顔で答えました。本当の事を言えば、あと10回ほど謝って欲しい感じです。

「急に来てしまって・・・」

とタカノ君は若干俯いてしまいます。

大丈夫です。とか何とか言って、その場を何とか言いつくろい、自転車に乗って去ろうとするタカノ君を見送ります。

「それじゃあ・・・」

「ああ、それじゃあ」

バイバイ、と手を振って、タカノ君は去っていきました。

暫く彼の背中を見送った後、僕は自分の部屋へと戻っていくのでした。


が、


部屋を開けて僕は硬直しました。

カッキーンと。

カッチーンと。

まあどっちでもいいんですが、トにもカクにも固まりました。

ブロンドAは僕がさっきまで座っていたパソコンの前の椅子に座りパソコンを弄り、

ブロンドBは彼女さんに向けて話かけています。

依然としてトクノさんはヤマダに話しかけ続け、

彼女さんはブロンドBの言葉を受け流しつつ、ヤマダに向けて冷たい目線を送り続けています。



何よこの構図。



僕は居場所もないまま、

扉の前でただ立ち尽くすのでした。

最近バイトの面接に4回連続不採用です。

それだけです。

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