三話 シュラバ
さて、
さてさて。
部屋が狭いです。
至極狭いです。
未だかつてこんなに部屋に窮屈感を感じたことはございません。
まさしく初体験でございます。
とりあえず僕の部屋の中には六人のセイエイが集っているわけですが、その配置をお伝えします。
僕はいつもどおり、パソコンの前の椅子に。
ブロンドA,Bは僕が座っている椅子の後ろの床に座って。
そしてベッドの上に、右からタカノ君、彼女さん、ヤマダ、トクノさんの順に座っております。
ね?
今違和感に気付いた人挙手。
いないのか?うん?居ないのか?
・・・・・・ハイ(挙手)。
僕のベッドはですね、そんなに大きくないのです。
いや、一般基準よりは大きいのですが、四人横に並んで座って余裕綽々とまではいかないのです。
さらに言えば、タカノ君と彼女さんの間にケッコウな隙間があるので、残された三人の距離がどうしても詰まってしまいます。
が、まぁ頑張れば一人分は開けれるかな?程度の余裕はあるのです。
が、別にヤマダと彼女さんの間に隙間は必要ありません。何故なら二人は付き合っているのですから。
ね?
ここまではOK。
無問題。
けどね?
ダケドネ?
ナゼ、トクノさんとヤマダの間の距離が零なのでしょう・・・?
ヤマダが彼女さんとトクノさんに挟まれている状態になっています。
「何かスゴイ久しぶりだねぇ〜。元気してた?」とトクノさん。
「え、あ、うん」とヤマダ。
「何か雰囲気変わったねぇ。カッコよくなったよ」とトクノさん。
「あ、そ、そう?ありがとう・・・」とヤマダ。
な〜にさこのラブコメ。
あれです。
トクノさんはあれなんです。
クラスに一人は居るような、ボディータッチがやけに多い女子タイプの人なんです。
会話の最中もずっと、ヤマダの肩を突いてみたり、顔を覗かせてみたりと、傍から見るとラブラブなカッポー(カップル)にしか見えません。
あ〜、っと。忘れていました。タカノ君の事を完璧に忘れていました。
ふ、と、そっちを見ます。
ポッツーン・・・
そんな効果音が聞こえました。絶対聞こえました。
全世界に一人きりなんダゼ・・・。
そんな表情をしてらっしゃいます。孤独の頂点を極めてらっしゃいます。
なんか今にも孤独死してしまいそうな、やるせない表情で虚空を見つめてらっしゃるのです。
そう、まるで畳の目の数を数えるかのようにッ!
もうそんなタカノ君は・・・、
スルーします。敢えて。
気を取り直して、ブロンドA,Bの方を見ます。
本読んでます。
はい、おしまい。
ああ、そういえば彼女さんはどうしてらっしゃるのかな?
僕はふと思ったので、そっちもちらっと見ました。
ちらっ、とね。
本当にちらっとみました。
と、いうか、
ちらっ、としか見れなかったのです。
だってさ、だってさ、
すンげぇ睨んでるンスよ。彼女さんがトクノさんを。
ものゴッツ睨んでるんスよ。メッサ怖いんスよ。
ああ、地獄を見るゼ・・・。
僕はようやく、その事に気付いたのでした。
ふと気付けば、「小説家になろう」に初めて小説を投稿させていただいてから早くも一年が経っていました。
それだけです。




