二話 メンバー追加
さて。さてさて。
ここは僕の部屋の中。僕の他に三人の人達がいらっしゃいます。
ヤマダと、彼女さん。そして、
タカノ(仮)君。
誰ですかね。この人は。
やはり僕の記憶の中にこの人は居ません。先ほどヤマダに「タカノ君だよ」と紹介されましたが、知りません。
聞くに、タカノ君はヤマダと彼女さんの高校のクラスメイトだそうで、何故だか今日は二人についてきてしまったそうです。
何でそんな・・・。
そんな人だからよほど明るい感じなのかなぁ、と思っていたらばこの部屋に入ってから一切口をお開けになりません。
多分、二人の雰囲気に圧されて来ちゃった感じだと思います。
「で?」
何の用?
ベッドに右から彼女さん、ヤマダ、タカノ君と座っているのですが、その真ん中のヤマダに問いかけました。
すると、ヤマダは一言、
「あ、いや、今日はノープラン」
あ?
ノープラン、
だ、そうです。
今の「ノープラン」発言にモチロン僕は驚いたのですが、それよりも驚いていたのは誰あろうタカノ君です。
僕も、「え?」って顔になりましたが、それ以上に「え?」って顔をしてらっしゃいました。
「え?」って。
さて、僕も高校から帰ってきて間もないので本当はスグにでも寝たいのですが、そうもいかないようです。
現時刻、四時半少し前。
まぁ、何かをやろうと思えば出来なくも無い時間帯です。
が、はっきり言って僕はこのメンバーで何をしようとも思いません。
一切思いません。
が、何かいい加減タカノ君の顔の引きつり具合が限界です。
笑顔作って良いのか困っていいのかわからずに、何やら歪な表情になってます。
このままだとタカノ君の顔面が神経痛になりかねないので、僕はある行動に移りました。
行動一 携帯電話を取り出して、友達のフォルダの中から、今暇そうな人達の名前を数人探し出す。
行動二 そいつ等にひたすら連絡をする。
行動三 呼ぶ。
行動四 迎える。
とりあえず行動一、二から、5・6人の人間に連絡をとりました。
で、とりあえず3・4人に連絡ついたので、
呼びました。
あれです。
毒を食らわば皿まで
ってやつです。
こうなったら人を呼びまくってやるゼ。
ってことで呆気に取られる三人を他所に三人をこちらに向かわせる事に相成りました。
一人は中学時代、ヤマダと僕と同じクラスの一員だった“トクノ(仮)さん”。女性です。
二人目は同い年のお友達の“ブロンドA”。
三人目は”ブロンドA”のお友達の”ブロンドB”の三人です。
程なくして、ブロンドA,Bが原付で我が家に到着。ブロンドの髪をかきあげつつ、僕の部屋に向かいました。
ブロンドA,Bが部屋に入ったときの他三人の顔は今でも忘れません。
さきほどのタカノ君の「え?」顔の十倍の「え?」顔をしてらっしゃいました。
「ぁん?滾、コイツ等誰?」
「友達」
「マジで?何すんの?」
「もう一人くるから待ってろ」
そんな会話をしているともう一人の待ち人“トクノさん”が自転車で到着。
迎えると、
「ゃあん、久しぶりだねぇ!」
と相変わらずのハイテンションでした。
僕、ヤマダ、彼女さん、タカノ君、ブロンドA,B、トクノさん。
この六人をそろえると化学反応が起こる。
僕がその事を知るのは、もう暫く後の話なのです。
テストやらなんやらで遅くなってしまいました。
そういえば今回初めて僕が高校生である事を明かした気がします。
まぁともあれ、楽しんで頂ければ幸いです。