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00:00:00・正寿
今日もキミの帰りが遅かった。毎日スーツで大変だなと思う。
ボクも10年前はそうだった。その頃は今ほど大変でもなく、入社した会社は出版社だった。しかし思っていたよりも楽しくなく5年我慢して辞めた。
何か楽しいことをしたいなと思いながらもいつも起きたら昼だった。まだその頃はキミを知らず昼夜逆転の生活をしていた。
ある夜中のバイト先のコンビニにキミが現れた。見た目は中学生のようにも大学生のようにも見えた。
チケットの発券で「流星ビバップ」という知らないグループのライブのようだった。キミにサインをお願いすると、伸びのある綺麗な字で「桜木有紀」と書いた。ボクと同じ左利きだった。
キミのことが気になってから毎週金曜日の夜中にお店に来ていつも水とさけるチーズを買っていることがわかった。
ある夏の土曜日が始まって2時間ぐらい経った頃キミに声をかけた。それから毎週30分ほど話していつの間にか一緒に住むようになった。
しかし同居してからキミと時間が合わないことに気づいた。今もそうだ。
キミはいつもボクの夢を見るそうだ、その頃ボクはキミのことを想っていた。
いつもボクの目覚ましは玄関からの鍵を閉める音だった。毎朝見送れなかったことを後悔し大丈夫かと心配になる。
いつか見送ってあげたい。いつか、いつか。




