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爆笑三姉妹〜陽翔・結音誕生から、燈真・灯乃、彩羽・悠翔誕生まで  作者: リンダ


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220/225

国際映画祭のレッドカーペット

冬の夜気を切り裂くように、フラッシュの光が瞬く。


場所は、とある国際映画祭のレッドカーペット。

そこに――


* 映画『夜の虹を渡る人』主演:青柳光子

* 映画『星霜のリボン』主演:柳川優子


双子の姉妹が、腕を組んでゆっくりと姿を現した。


ドレスは、光子が深い群青色のロングドレス。

夜の虹を思わせる、胸元から裾にかけてうっすらと光のグラデーション。


優子は、ワインレッドに近いボルドーのドレス。

星霜を重ねてきたリボンが胸元で結ばれているような、シンプルで大人っぽいデザイン。


二人が並ぶと、

「夜の虹」と「星霜のリボン」が、現実世界に立っているみたいだった。



レッドカーペット上 ― 双子の小声トーク


光子(小声)

「優子、ドレス踏まんごとね? ここでコケたら一生ネタやけん」


優子

「うちらの場合、コケた瞬間“場内スタンディングオベーション”になりそうやけどね」


ふたりがクスッと笑うと、

カメラのフラッシュが一段と強く光った。


司会者

「さあ、日本から“笑いと感動の双子女優”の登場です!

 映画『夜の虹を渡る人』主演・青柳光子さん、

 『星霜のリボン』主演・柳川優子さんです!」


会場のざわめきが一気に大きくなる。



インタビュー:まずはあらすじ


レッドカーペット中央のインタビューポイントに立ち、

マイクが二人に向けられる。


● 光子に質問:『夜の虹を渡る人』とは?


インタビュアー

「まずは青柳さん。

 『夜の虹を渡る人』、どんな物語か、簡単に教えていただけますか?」


光子

「はい。この映画は、

 **大切な人を失って、生きる意味を見失った女性・なぎ**が、

 再び“生きたい”と願うまでの物語です。


 彼女は夜の港町で、

 同じように心に傷を抱えた男性と出会います。

 喪失、罪悪感、自分を責める気持ち。

 そういう“暗い夜”を抱えたふたりが、

 少しずつお互いの心に触れていく中で、

 “夜の空にも虹はかかる”という希望を見つけていく――

 そんな話です」


インタビュアー

「タイトルの“夜の虹”は、

 まさに彼女の再生を象徴しているんですね」


光子

「はい。

 目には見えないけれど、

 “確かにそこにある希望”みたいなものを

 虹として描きたいなと思いました」



● 優子に質問:『星霜のリボン』とは?


インタビュアー

「続いて柳川さん。

 『星霜のリボン』のあらすじを教えてください」


優子

「この作品は、

 **時間に置き去りにされ続けた女性・瑠璃るり**の物語です。


 彼女は十代のころから、

 “家族の事情”とか“仕事”とか、

 いろんな理由で自分の恋や夢をいつも後回しにしてきました。

 気が付けば、心のどこかで

 “私は選ばれない側の人間なんだ”って思ってしまっていて。


 そんな彼女の前に、

 過去に大きな喪失を抱えた男性が現れます。

 ふたりはお互いに“傷つくのが怖い”からこそ、

 不器用に距離を取ろうとするんですけど……

 少しずつ結ばれていく想いが、

 一本のリボンみたいに過去と未来を結んでいく。

 そういうラブストーリーです」


インタビュアー

「“星霜”というタイトルも美しいですね」


優子

「ふふ、漢字だけ見ると難しそうですけど、

 長い年月を表す言葉なんです。

 “時間をかけて、やっと結べた想い”を

 描いてみたいなと思いました」



濡れ場への挑戦 ― 心構えを語る


会場の空気が少し真剣になる。


インタビュアー

「お二人とも、今作で“かなり繊細なラブシーン”に挑んでおられます。

 その時の心構え、どのようなものだったのでしょうか?」


● 光子:体ではなく“魂”を映す


光子

「そうですね……

 私が一番怖かったのは、

 “自分がどう見られるか”ということでした。


 でも、監督やスタッフと話していく中で、

 このシーンは“セクシーさ”を見せるためじゃなく、

 凪が初めて『自分は生きていていい』と思える瞬間を

 表現するものなんだと理解しました。


 だから、

 “綺麗に見せよう”じゃなくて、

 “醜いところも含めて、全部さらけ出そう”と

 決めて挑みました。


 怖かったですけど……

 あの瞬間、私はたしかに凪として、

 生きたいって、心から泣いていました」


インタビュアー

「まさに“魂の演技”だったんですね」


光子

「……そう言ってもらえたら、すごく救われます」



● 優子:弱さを受け入れる覚悟


インタビュアー

「柳川さんはいかがですか?」


優子

「私のほうのラブシーンも、

 いわゆる“刺激的なシーン”として撮るんじゃなくて、

 瑠璃が初めて、自分の弱さを誰かに預ける瞬間として

 描かれました。


 正直、“裸になること”よりも、

 “誰かに頼る瑠璃”を演じるのが怖かったです。

 私は現実世界でも、つい

 『私が頑張れば何とかなるけん』って

 抱え込みがちなので……」


会場から少し笑い声が漏れて、優子も照れくさそうに笑う。


優子

「でも、家族とか、仲間とか、

 支えてくれる人たちがいて。

 “役として弱さを出すことは、

  女優としての逃げじゃなくて、挑戦なんだよ”って

 背中を押してもらいました。


 だから撮影当日は、

 “ちゃんと傷ついて、ちゃんと甘えよう”

 という気持ちで現場に立ちました」



姉妹ならではの支え合い


インタビュアー

「お互い、先に挑戦した姉・光子さん、

 あとから挑んだ妹・優子さん。

 姉妹で何か話し合ったことはありますか?」


光子

「優子から“どうしよう”って相談が来たとき、

 私が言ったのは一つだけですね。


 **“嫌なら全力で断っていい。

  でも、やりたいなら全力で支える”**って」


優子

「それ聞いたとき、泣きそうになったもんね」


光子

「うちはさ、

 優子が“笑いの相方”ってだけじゃなくて、

 同じように過去に傷を抱えて、

 そこから一緒に這い上がってきた相棒だから。


 優子が次のステージに進もうとするなら、

 止めたくない。

 ただ、“無理はするな”ってだけ」


優子

「……この人ね、こういうとこが

 ずるいくらいカッコいいっちゃんね」


会場から温かな笑いと拍手が起こる。



家族への感謝


インタビュアー

「ご家族は、この挑戦をどう受け止めていましたか?」


光子

「翼は、“光子の仕事は光子が決める”って

 一番最初に言ってくれました。

 それで、すごく楽になりましたね。

 子どもたちはまだ内容を詳しくは知りませんけど、

 いつか成長したら“お母さんは本気で生きてたんだな”って

 笑いながら見てくれたらいいなって思います」


優子

「拓実も、最初は“えっ…”って固まってましたけど(笑)、

 “俺は夫として、優子の味方でおる。

 でも無理だけはすんなよ”って。

 うちも、子どもたちが大きくなったときに、

 “お母さん、ちゃんと悩んで、ちゃんと選んだんやね”って

 思ってもらえたら嬉しいです」



“笑い”の人が、なぜここまで真面目に


インタビュアー

「お二人はもともと“笑い”や“音楽”のイメージが強いですが、

 なぜここまで、命を削るような“重い役”に挑み続けるのでしょうか?」


光子は少し考えて、ゆっくり口を開いた。


光子

「……私たち、

 笑いの裏で、いろんなものを見てきたからだと思います。


 いじめ、自死、虐待、災害――

 “笑えない現実”がこの世界にはたくさんあって。

 それでも、

 『それでも生きていこう』

 って言える作品を残したいなって思ったんです。


 笑いは空気より大事。

 でも、笑いを届けるためには、

 “涙の重さ”を知っておきたい。

 そんな気持ちで、

 この二つの映画の仕事を受けました」


優子

「うちも同じかな。


 人って、

 “笑いながら乗り越える痛み”もあれば、

 “ちゃんと泣かなきゃ、前に進めない痛み”もあると思うんです。


 ファイブピーチ★とか、爆笑発電所では

 前者をずっとやってきたけど、

 映画では後者にもちゃんと向き合いたかった。


 だから、今日ここに、

 姉妹で並べて立っているのが、

 とっても不思議で、幸せです」



最後に、世界中の観客へ


インタビュアー

「最後に、この映画祭を通して世界中の観客に

 伝えたいメッセージをお願いします」


光子と優子は、目を合わせて頷き合う。


光子

「誰かを失った人へ。

 もう笑えないと思っている人へ。

 あなたの夜にも、きっと虹はかかると信じて、

 この映画をつくりました」


優子

「そして、

 “自分なんか愛されない”って

 心のどこかで決めつけてしまった人へ。

 ゆっくりでいいけん、

 自分の弱さを誰かに預けてみてもいいんじゃないかなって。

 そんな想いをこめて、

 『星霜のリボン』を届けます」


光子

「笑ってくれてもいいし、

 泣きたいときにそっと見てくれてもいい。

 観た人の心のどこかに、

 ちいさな灯りが残ったら……

 それが、私たちにとって一番のご褒美です」


優子

「そして、エンドロールで“笑いの仕事”を知った人は、

 ぜひ爆笑発電所にも遊びに来てください。

 泣いたあと、全力で笑わせますけん!」


会場が大きな拍手と笑いに包まれた。


スポットライトの中、

**“喪失と再生”と“甘く切ない恋”**を演じきった双子は、

少しだけ誇らしげに、そしてどこか照れくさそうに微笑む。


この瞬間――

音楽・笑い・スポーツ・ヒューマンドラマと

ありとあらゆるフィールドを駆け抜けてきた

M&Yの二人が、


“女優としても世界のレッドカーペットに立つ存在”になった

ことを、誰もがはっきりと感じる夜だった。




公開初日。

都内のシネコンは、朝からポスターとスタンディの前で写真を撮るお客さんでごった返していた。


* 『夜の虹を渡る人』

* 『星霜のリボン』


同日公開。

まさか、双子で主演映画が同じ日に封切りされるなんて――と、ファンもマスコミもざわざわだ。


この日は、昼に光子、夕方に優子、夜に二作品合同の舞台挨拶という豪華スケジュールになっていた。



① 昼の回『夜の虹を渡る人』舞台挨拶(光子)


スクリーンの前にずらりと並ぶキャスト陣。

真ん中にマイクを持つ光子が立つ。


光子

「皆さん、本日は『夜の虹を渡る人』初日にお越しいただき、ほんとにありがとうございます」


客席「(拍手)」


司会

「まずは青柳さんから、この作品の“ここを見てほしい”というポイントをお願いします」


光子

「はい。

 この映画は、物語全体が“静かに波打っている”ような作品です。

 派手なアクションや、わかりやすいカタルシスよりも、

 人の心がちょっとずつほどけていく瞬間を丁寧に描いてます。


 なので、ぜひ見てほしいのは――

 大きなセリフよりも、“沈黙の時間”です」


客席が、少しどよめく。


光子

「凪って、心を閉ざしてるからこそ、

 何も言えずに黙ってしまうシーンが多いんですけど、

 その沈黙の中で、

 “この時、この人は何を飲み込んでるんだろう?”って

 考えながら見てもらえたら、すごく嬉しいです。


 あと、個人的には……

 港の防波堤で朝焼けを見るシーンがあります。

 あそこで、凪が一瞬だけ笑うんですけど、

 そこはぜひ、見逃さないでほしいです」


司会

「濡れ場を含めたラブシーンについては、いかがですか?」


光子

「ラブシーンは、

 “心のバリアが一枚ずつ剥がれていく瞬間”として撮っていただきました。

 だから、色っぽさというより、

 **“怖さ”と“救われたい気持ち”**が見えるといいなと思って演じました。


 もし、見ていて苦しくなったら、

 それはきっと、どこかで凪に自分を重ねてくれているからだと思うので……

 その分、ラスト近くの“ある選択”まで、

 一緒に見届けてもらえたら嬉しいです」


客席から、小さく鼻をすする音が聞こえた。



② 夕方の回『星霜のリボン』舞台挨拶(優子)


今度は別スクリーン。

『星霜のリボン』のエンドロールが終わり、

場内が明るくなると、拍手に迎えられて優子たちが登壇する。


優子

「皆さん、最後まで観てくれてありがとうございます。

 柳川優子です」


客席「(拍手+一部すすり泣き)」


司会

「かなり涙ぐんでいるお客さまも多いですね。

 柳川さん、この作品の“ここを見てほしい”ポイントを教えてください」


優子

「この映画は、

 “選ばれなかった側の人間”だと自分で決めつけてきた人が、

 もう一度、“自分の人生を選び直す”話だと思ってます。


 なので見てほしいのは――

 とにかく、瑠璃の“目”です」


客席「おお〜」という空気。


優子

「脚本を読んだとき、

 “この子は、笑い方を忘れてしまった人だな”って思ったんです。

 でも物語が進むにつれて、

 ふっと口角が上がったり、

 視線が少しだけ相手の方に向いたり、

 ほんの小さな変化が積み重なっていく。


 だからもし、2回目3回目観てくださる方がいたら、

 “このカットとあのカットで、瑠璃の目、変わってない?”

 って、細かいところを見ていただけると嬉しいです」


司会

「ラブシーンについては、どのような気持ちで臨まれましたか?」


優子

「私のラブシーンは、

 “甘くてきれいな恋”というより、

 **“やっと自分を許せた夜”**っていうイメージでした。


 だから、最初から色気を出そうとするんじゃなくて、

 “泣きながら誰かに抱きしめてほしいのに、それも言えない人”として

 そこに立ちました。


 観る人によっては、

 “もっとロマンチックなほうがいい”って思うかもしれません。

 でもこの映画では、

 “もつれたリボンを一本ずつほどいていくような愛情”を

 描きたかったので、

 その不器用さごと受け止めてもらえたらな、と思います」



③ 夜の回 ― 二作品合同舞台挨拶


夜、プレミアム回。

『夜の虹を渡る人』と『星霜のリボン』の同日W舞台挨拶。


中央に光子と優子が並び、

両作品の監督と共演陣が左右に並ぶという豪華な絵面だ。


司会

「同じ日に、それぞれ別のラブストーリーで主演を務めたお二人。

 改めて、観客の皆さんに“この二本をどう楽しんでほしいか”を

 一言ずつお願いします」


● 光子から


光子

「まず、どちらも観てくださった皆さん、本当にありがとうございます。

 たぶん、心のエネルギーだいぶ持っていかれたと思います……」


客席(笑)


光子

「『夜の虹を渡る人』は、

 **“喪失のあとに、もう一度息を吸うための物語”**です。


 大きな悲しみを経験した方、

 今まさにしんどさの中にいる方には、

 ちょっと重いかもしれない。でも、

 “それでも、朝は来るよ”っていうメッセージを

 最後にそっと渡せる作品になったと思います。


 もしよかったら、

 **ラストの“とある一歩”**を、

 自分ごととして受け取ってもらえたら嬉しいです」



● 優子から


優子

「『星霜のリボン』は、

 **“時間をかけて好きになっていくことを肯定したい映画”**です。


 世の中って、よく

 “一目惚れ”とか“運命の出会い”っていう言葉が

 目立つじゃないですか。

 でも、私たちの現実は、

 なんとなく出会って、なんとなく会う回数が増えて、

 気づいたら大事になってて、

 それでもなお、怖くて一歩踏み出せなかったりする。


 そういう “もたもたした恋” を、

 ちゃんと映画の中で尊重したかったんです。


 だからこの作品では、

 瑠璃の“もたつき”や“逃げる癖”も含めて見てほしい。

 それを許してあげてほしい。

 そう思いながら演じました」



④ 双子からの“まとめメッセージ”


司会

「では最後に、お二人ご一緒に、一言お願いします」


光子と優子は、ちらっと目を合わせて頷き合う。


光子

「どちらの作品も、

 “笑いのM&Y”とはちょっと違う顔をしているかもしれません」


優子

「でも根っこにあるのは、

 **“人がもう一度、生きようと思う瞬間を信じたい”**って気持ちです」


光子

「人生には、

 お腹抱えて笑う夜もあれば、

 声も出ないくらい泣く夜もある。

 どっちもちゃんと抱きしめたかったから、

 私たちはこの二本に、全力で向き合いました」


優子

「笑いで出会ってくれた人にも、

 映画から出会ってくれた人にも、

 『あなたの物語も、ここから続いていきますように』

 という願いを込めて。


 これからも、ステージでもスクリーンでも、

 全力で笑わせて、全力で泣かせにいきますけん。

 どうぞよろしくお願いします!」


客席「(大きな拍手・歓声)」


光子

「今日は本当にありがとうございました!」


優子

「ありがとうございまーす!」


二人が深々と頭を下げる。

スポットライトがゆっくり落ち、

スクリーンの手前に立つ**“二人の小さな影”**が、

観客の胸の中にもそっと焼き付いていく。


この夜、

笑いの世界から飛び出した双子は、

**女優としても本気で“心を揺らす存在”**になったことを、

舞台挨拶の言葉と表情で、はっきりと刻みつけたのだった。

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