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爆笑三姉妹〜陽翔・結音誕生から、燈真・灯乃、彩羽・悠翔誕生まで  作者: リンダ


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147/163

珍プレーにアニメアフレコ


◆ プロ野球珍プレー・アフレコ収録スタート


薄暗くなったスタジオのモニターに、

「某球場・ナイター」とテロップが出る。


画面には、

9回裏・1点リード・2アウト一塁。

マウンドには、ちょっと神経質そうな右ピッチャー。

打席には代打のベテラン。


ディレクター

「はい、それじゃこのシーン、

“ピッチャーの心の声&内野陣のツッコミ”でお願いしますー」


光子

「了解でーす」


優子

「珍プレーはおまかせくださーい」


カウントが入る。


3、2、1……キュー!



◆ 内野ゴロ、まさかの“トンネル劇場”


実況(優子・低めの実況ボイス)

「9回裏ツーアウト、一塁ランナーは代走の俊足くんです。

打席にはベテラン代打。

さぁ、この一球にすべてがかかります!」


ピッチャー心の声(光子)

「(震え声で)

あと1人……あと1人抑えたらヒーローインタビュー……

焼肉……いや、今日は寿司にしよう……

あ、サイン見るの忘れた……まぁストレートでいっか☆」


優子(解説風)

「いやサインは見ぃや!!」


投球——カキンッ!


実況(優子)

「打ちましたァ!

ショート右、これは普通の内野ゴロ!!」


ショートがさっと回り込んで捕球体勢に入る。


ショート心の声(光子)

「はいはい、これで試合終了ね。

インフィールドの誇り見せちゃるばい。

ファーストに、はいポイっと——」


スローで送球、コロコロと転がるような優しいボール。


一塁手心の声(優子・妙にマヌケな声)

「よーし、これ捕ったら試合終了……

今日は奥さんと録画でヒーローインタビュー見る予定……

あ、さっきグラブにガムテくっついとったっけ……?」


ボール

「コンッ……スルリ……」


実況(優子)

「おおっとォ!?

ファースト、まさかのトンネル!!!

ボールは後ろへ転々としている~~!!」


観客席から

「「「うわぁぁぁぁぁ!!!」」」


ランナー一塁から一気にホームへ。


キャッチャー心の声(光子・半泣き)

「ちょっと待って!?え、ちょ、ウソやろ!?

いやいや今のは夢、うん、悪い夢……

ってランナー走ってきよるやん!!!」


ランナー

「(スローモーションで)ひゃっほぉぉぉぉ!!」


優子(実況)

「三塁ランナー、ホームイン!!

まさかまさかの、タイムリーエラーで同点!!」


スコアボード

《9回裏 同点》


ピッチャー心の声(光子・完全に切れ気味)

「……はい、俺の自責。

交代のサイン出とったのに、

“もう一人いけます”とかカッコつけて残った結果がこれ。

監督、あの時うちを替えときゃよかったっちゃん……!」



◆ 予定外の「負け投手」ルート発動


場面は少し進み、

延長に入ってからのマウンド。

さっきのピッチャーが、まだ投げさせられている。


実況(優子)

「延長戦に突入しましたが、

マウンドには先ほど同点に追いつかれた○○投手が、

そのまま続投です」


ピッチャー心の声(光子)

「いやいや続投!?

同点にされたやつに続投させる!?

これ、もしサヨナラされたら、

負け投手、ぜんぶ俺やん……?」


優子(解説)

「その通りです」


光子ピッチャー

「解説はっきり言わんでよか!!」


次の打者。

フラフラっと上がった打球が右中間の間へポトリ。


実況(優子)

「打ちました~~

あっとライトとセンターの間、

ここに落ちる~~!!

ランナーは一気にホームイン、サヨナラ~~!!」


スタジアムは大歓声。

マウンド上のピッチャーは天を仰ぐ。


ピッチャー心の声(光子)

「……知っとる……

これ、スコアボードには“サヨナラヒット”て書かれるけど、

一生語り継がれるんは、

“9回ツーアウトからのトンネル&負け投手の人”やろ……?」


ナレーション(優子・わざと低音ダンディ)

「こうして彼は、

勝利投手から一転、

“珍プレー名場面集レギュラー出演枠”を手に入れたのであった——。」



◆ ベンチ裏で、プチッと切れる


場面はベンチ裏、ロッカールーム。


ピッチャー(光子・半ギャグ声)

「はぁぁぁぁぁ……

俺の勝ち星ぃぃぃ……

焼肉ぅぅぅ……

ヒーローインタビューぅぅぅ……」


そこへ、さっきトンネルした一塁手が

おそるおそる近づいてくる。


一塁手(優子・恐る恐る)

「あの、その……さっきは……

その……えっと……」


ピッチャー

「……」


一塁手

「グラブに……

さっきまでチョココロネ持っとった手で触ってしもうて……

なんかベタベタしてて……

その……」


ピッチャー

「理由がしょうもないわぁぁぁぁぁ!!!!」


(ロッカーの扉を「バンッ!」と閉めるSE)


ナレーション(光子・冷静)

「こうして彼は、

ロッカールームの扉にだけ、

ささやかな八つ当たりをしたのであった——

※物は大切に。」



◆ スタジオに戻って…


カットがかかる。


ディレクター

「はいオッケーー!!

これ、今年の珍プレー特番の“目玉アフレコ”やね!」


スタッフ

「ピッチャーの心の声えぐすぎて笑ったわ……」

「一塁手のチョココロネ設定ひどいw」


光子

「いや〜、あのピッチャーさんには申し訳ないけど……

これは笑ってもらわんとやってられんやろうけんねぇ」


優子

「視聴者の皆さん、

“トンネルしても人生は終わらん”ってことだけ

ちゃんと伝わればよかよね」


スタッフ

「あと、“グラブ持つ手でチョココロネ触るな”って教訓ね」


全員

「そこ大事!!!」


そしてこのアフレコは、

放送当日——


「笑いすぎて腹筋死んだ」

「このピッチャーの心の声、わかりみしかない」

「エラーは笑い飛ばすに限る」


と、視聴者を全国規模で整骨院送り寸前に追い込むのであった。





◆ 第二弾:外野手お見合い&フェンス激突事件


さっきの収録が終わったと思ったら、

ディレクターがニヤリと笑って、次のVTRを用意する。


ディレクター

「はい次、**“お見合いからのフェンスゴンッ事件”**お願いしまーす」


モニターには、

ナイターの外野、ライトとセンターの間。

打球が高々と舞い上がっていく。


実況(優子)

「打ちましたぁ~~!

ライトセンター間、フラ~~イ!!」


ライト心の声(光子)

「(マジメな声)

はいはい、これはセンターさんコースですね。

俺が行ったら邪魔やろうし、“オーライ”待ちで……」


センター心の声(優子)

「(同じくらいマジメ)

これはライトくんのほうが近いな。

今日は譲り合いの心で生きていこう……

“ライトさーん、どーぞー”」


しかし、口には出さない。

二人とも、沈黙の譲り合い。


観客席から見れば——

ただただ、二人で同じ速度でボールの落下地点に向かいながら

どっちも「オーライ」と言わない地獄絵図。


実況(優子)

「おっとォ!?どちらもまだコールしません!

ライトもセンターも、

“きみが主役だよ”って顔で見つめ合っている!!」


光子ナレーション

「この瞬間、そこには友情でも信頼でもなく、

“責任を負いたくない大人の事情”だけが飛び交っていた——」


ボール

「ストンッ」


二人のちょうど真ん中に落ちる。


ライト&センター

「「あっ」」


打球は芝生の上でワンバウンドし、

そのままフェンスまで転々。


ライト、慌てて追いかけ――

フェンス手前で全力スライディング。


ゴンッ!!!


ライト心の声(光子・叫び)

「フェンス近いって誰か言ってぇぇぇぇ!!!」


実況(優子)

「おおっとォ!?

打球はフェンスに当たる前に

選手がフェンスに激突したぁぁ!!」


センター心の声(優子・若干冷静)

「ごめんライトくん……

全然“オーライ”言えんかった俺も悪い……

でも今は笑いこらえるんに必死や……!」


ナレーション(光子)

「守備シフトより先に、

“声かけのシフト”を見直すべきである。」



◆ 他局の新番組「世の中の爆笑珍プレーどうなの!?」


プロ野球珍プレー・アフレコが大好評で、

別の放送局からも声がかかった。


番組名は——

『世の中の爆笑珍プレーどうなの!?』


MC

「さぁ今夜は、

“世の中のあらゆるズッコケ映像に、

M&Yが魂を吹き込む夜”でございます!」


観客

「「「いえぇぇぇええ!!」」」


光子

「よろしくお願いしまーす!」


優子

「世の中の珍プレーさんたち、

全部ネタにして大事に供養します!」



① 運動会・お父さんリレー大転倒


VTR1本目は、

小学校の運動会・親子リレー。


スタートラインで構えるお父さんたち。

明らかに1人だけ、

やる気に満ちた短距離ランナーみたいなフォームのお父さんがいる。


実況(優子)

「さぁ運動会、親子リレーです!

やたら気合いの入っている青ゼッケンのお父さん、

フォームだけはオリンピック選手並みです!」


ピストル——パンッ!


青ゼッケン父(光子・心の声)

「見とけよ……

ここで“父の威厳”取り戻すけん……!

会社では怒られ、家では娘に“おならマン”呼ばわりされとるけど……

走りだけは負けん!!!」


猛ダッシュ。

たしかに速い。

速い、が——


「もつれたよ♪」


ズザーーーン!!


実況(優子)

「おおっとォ!?

父の威厳、第一コーナーで粉々~~!!」


青ゼッケン父心の声(光子)

「膝ァァァァ!!

体重!年齢!運動不足!

俺の足に全部乗ってきたァァァ!!」


娘の声(優子・高い声)

「パパぁーーー!

……だいじょうぶ?(笑)」


スタジオ爆笑。


MC

「“(笑)がついた時点で、

もはや心配ちゃうんよ”」



② 結婚式・ウエディングケーキ崩壊事件


次のVTRは、結婚式会場。


新郎新婦が、

巨大なウェディングケーキに入 刀しようとしている。


新婦心の声(優子)

「ついにこの日が来た……

子どもの頃からの夢……

ケーキ入刀の瞬間……

インスタに一生残すやつ……!」


新郎心の声(光子)

「ここで絶対コケたらあかん……

手、震えるな俺……

ケーキだけは守るんや……!」


司会

「それでは、ケーキ入刀です!!」


二人でナイフを入れた瞬間——


ケーキ土台

「ぐにゃっ☆」


縦にスローモーションで、

ケーキが**全体的に“前のめり”**になり、

そのままテーブルごとズズズーーーン。


ケーキ

「おつかれしたーー!」


実況(光子)

「まさかのウエディングケーキ、

バンジージャンプ~~!!」


新婦心の声(優子・半泣き)

「えっえっえっ、うそっ……

今、私の理想の“純白の未来”が、

スローモーションで床にダイブしていった……」


新郎心の声(光子)

「大丈夫……大丈夫や……

結婚生活って、

このレベルのハプニング毎日起きるから……(たぶん)」


MC

「フォローが妙にリアルやめい」


──その後、

親族のおじさんが

「床ケーキでもうまい!」

と叫び、

会場はまさかの大爆笑で救われる。


ナレーション(優子)

「最初の危機を笑いに変えた夫婦は、

案外、長続きするものである。」



③ オンライン会議・猫耳フィルター事件


VTR3本目はテレワーク時代の名珍プレー。


画面には、

真面目なオンライン会議。

全員スーツ。

ただ1人だけ——


部長の顔に、猫耳とヒゲのフィルターがついている。


部長(光子・声は渋い)

「えー、それでは今期の売上目標について……」


ナレーション(優子)

「※どう見ても発言内容とビジュアルが一致していない。」


若手社員心の声(優子・必死)

「笑うな、笑うな……

これは現代の社畜力テストや……

“部長を真顔で見られるか試験”や……

でも、

“にゃんとかしないとねぇ”

とか言われたら、絶対吹く……!」


部長

「この案件、絶対に取りに行かにゃいといけません」


全員

「「「(ミュートにして爆笑)」」」


MC

「ミュートボタンって、

こういうときのためにあるんやな……」



◆ 番組の大反響


収録が終わり、放送日。

『世の中の爆笑珍プレーどうなの!?』は

視聴率こそゴールデンのド真ん中ってほどじゃないが、

SNSのトレンド入りは余裕で1位。


ハッシュタグは、

「#珍プレーどうなの」

「#父の威厳コーナー」

「#床ケーキは食える」

「#猫耳部長」

が並び、


「M&Yのアフレコで腹筋崩壊した」

「失敗も、M&Yに声入れてもらうと救われる」

「うちの会社の部長にも猫耳つけたい」

「運動会前に、あのVTR全国のお父さんに見せるべき」


と、爆笑&共感コメントがドバドバ。


番組プロデューサー

「これ、シリーズ化決定ですね……!」


光子

「え、マジですか!?

世の中のズッコケ全部、

うちらが声入れることになるかもしれんやん」


優子

「よかやん。

“失敗したらM&Yに救われる世界”、

なんか平和でよくない?」


スタッフ

「ただし、その前に

“当事者が笑っていいタイミング”かどうかは

ちゃんと確認しまーす!」


全員

「そこ大事!!!」


こうして、

プロ野球だけでなく

“世の中の珍プレー”にまで

笑いと、ちょっとだけ優しい視線を当てる

M&Yのアフレコ企画は、

新たな国民的ゆる番組として

定番になっていくのであった。






◆ ある日の自宅スタジオにて ― 急展開のオファー


2048年秋。

アルバムの制作もひと段落して、

自宅スタジオでまったりデモ録りをしていたM&Y。


そこへ、マネージャーからのオンライン会議招待。


マネージャー

「えー、今日はちょっと“いつもと違う”お仕事の相談です」


光子

「いつもと違う? また“爆笑整骨院送りキャンペーン”とかやないよね?」


優子

「世界保健機関から“笑わせすぎ注意”言われる案件とか?」


マネージャー

「いや、そういう方向じゃなくてですね……

TVアニメのアフレコオファーです」


二人

「「え?」」


マネージャー

「ジャンルは、ラブコメ。

高校生の女子二人がWヒロインの作品。

で、その“ダブル主演”を、

光子さんと優子さんにお願いしたいそうで」


光子

「ちょ、ちょっと待って。

うちら26歳やけど、声だけとはいえ、

高校生役いける?」


優子

「そこは“しゃんしゃいモード”の応用でなんとかなるっちゃろ。

問題はラブコメってとこやね。

ボケ倒してよかと?(真顔)」


マネージャー

「監督からのコメント、読みますね。

“この作品は、笑いとトキメキが半々です。

ガチのラブコメなんですが、テンポの良い掛け合いが命。

M&Yさんの会話の“間”がどうしても欲しいんです”」


光子

「……監督さん、うちらのラジオ聴きまくっとるやろ」


優子

「全国規模で“間の悪さ”披露してきた甲斐があったねぇ」



◆ キャラクター決定 ― まさかの役どころ


後日、制作スタジオでの顔合わせ。


監督

「では、お二人にお願いしたい役ですが——」


シナリオの表紙に書かれていたタイトルは、


『キミのとなりに、爆笑注意報』


光子

「タイトルの時点で、なんか巻き込まれた感すごいっちゃけど」


優子

「“注意報”で済むかなぁ……警報にならんかねぇ」


監督、ニコニコしながらキャラボードを出す。



● 春野 こはね(はるの・こはね)CV:青柳光子


・高校1年生

・元気で明るく、即ツッコミ体質

・幼なじみ男子に恋してる自覚が“0.5割くらい”

・どちらかというと体育会系、部活は軽音部でベース担当


監督

「こちらが光子さんにお願いしたい役です。

テンション高いけど、意外と繊細。

“言葉が先に飛び出す系ヒロイン”ですね」


光子

「ツッコミ体質のベース女子……どっかで聞いたな、それ」


優子

「“本人役”って書いてもギリ通じるレベルやね」



● 雨宮 すず(あまみや・すず)CV:柳川優子


・高校1年生

・無表情寄り&ボソボソ系に見えて、内心は感情フル稼働

・こはねの親友で、こはねの恋路を面白がりつつ、

 自分もいつの間にか恋の渦中に

・軽音部でドラム担当


監督

「こちらが優子さん。

感情は熱いのに、ちょっと“斜めから”世界を見てる子です。

ボソッとした一言が、毎回視聴者のツボを突く感じで」


優子

「え、これも半分ぐらい私やん」


光子

「素で読んだら“ドキュメンタリー”て言われるやつ」


監督

「お二人には、“ほぼ素の掛け合い+ちょっとだけラブ要素”

ぐらいの感覚で演じてもらえれば大丈夫です」



◆ 初アフレコ ― 高校生モード発動


収録初日。

ガラス越しに見えるスタジオマイク。

いつものライブマイクと違いすぎて、二人とも妙に緊張。


音響監督

「では第1話、アフレコ入りまーす。

シーン3、教室での放課後から」


モニターには、

夕陽の差し込む教室。

窓際の席で寝ている幼なじみ男子。

その隣に座る、こはね(CV光子)。


こはね(光子・高校生ボイス)

「……ねぇ、いつまで寝とると?

チャイム鳴ってから30分たっとーけんね?」


優子(小声)

「博多弁出とる出とる」


音響監督

「方言、むしろ最高です。

“九州の地方都市”設定なので、そのままでOKです」


光子

「マジっすか。じゃあ遠慮なく」


録り直し。


こはね

「ねぇ、いつまで寝とーと?

チャイム鳴ってから、もう30分たっとーとよ?

……そんなに、うちの隣の席、居心地よかった?(小声)」


ブースの外で、スタッフ陣がニヤニヤ。


監督

「はい、今の“小声”めちゃくちゃいいですね。

“好きかもしれんけど自分でも気づいてない感”出てます」


光子(マイクから離れて)

「え、いまの、ほぼ素やったんやけど……」



続いて、

すず(CV優子)の初登場シーン。


すず

「……おはよう、こはね」


こはね

「すず、聞いてよ。

またアイツ、授業中に寝とってさぁ」


すず(優子・ボソッ)

「へぇ〜。

そんなに安心するんやろうね、“こはねの隣”」


こはね

「ちょ、そういう言い方やめて!」


すず

「(心の声)……でも、図星やろ?」


音響監督

「はいカット。

すずの“煽りボソボソ”、完璧です」


優子

「ボソッと煽る役、やりやす過ぎてこわいんですけど」


光子

「普段のラジオそのまんまやけんね」



◆ アドリブ地獄、しかし神回になる


第3話のとあるシーン。

こはねとすずが、学校帰りにコンビニで肉まんを買う場面。


台本には、

《こはね「半分ちょうだいよ」

 すず「自分で買いなよ」》

とだけ書いてある。


音響監督

「ここ、お二人にはアドリブで“高校生っぽい会話”入れてもらって大丈夫です。

時間はだいたい20秒くらい」


光子・優子

「「アドリブきたぁぁぁ!」」


本番。


こはね

「ねぇねぇ、すずの肉まん、半分ちょうだい?」


すず

「やだ。自分で買いなよ」


こはね

「ケチ〜〜。

じゃあ、その代わり、数学の宿題写させて?」


すず

「いや、交換条件おかしくない?

肉まんのほうが重たいやろ」


こはね

「すずの字、きれいやけん……

ノート見るだけで、ちょっと頑張れるとよ」


すず

「……そういうこと言うの、

“幼なじみ男子”に取っときなさい」


こはね

「な、なんでアイツの名前出すと!?

あいつには言わんもん!」


すず

「うん、知っとる。

こはね、まだ自分の気持ち気づいてないだけやけん」


——ブースの中は“高校生女子の世界”そのもの。

ブースの外では、スタッフが

「尊い」「エモい」

とざわつく。


監督

「はいOK! 今の、丸々採用で!」


音響監督

「台本より青春してますね、お二人」


光子

「ただコンビニで肉まん買っただけやけど!?」


優子

「恋とカロリーは、だいたいセットやけん」



◆ 家族とファンの反応


アフレコが順調に進み、

公式発表の日。


タイトル:

TVアニメ『キミのとなりに、爆笑注意報』

Wヒロイン声優:

青柳光子&柳川優子


──ニュースを見た家族たち。


美鈴

「ついに声優さんデビューねぇ……

あの子ら、幼稚園の頃から声がでかかったけんね」


優馬

「“声量=将来の仕事”やったっちゃね。

俺もなんか声の仕事こんかな。

“酔っ払い音声素材”とか」


光子&優子

「いらん!!」


春介

「マジかよ……

おれの母ちゃん、ついに2次元世界に殴り込みかけてきたぞ」


春海

「中学生の頃、

『ママ声優似合いそうやね〜』って言ったら

“いやいや〜”って照れとったくせに、

めっちゃ楽しそうやん」


陽翔

「おかあしゃん、

テレビの中で“高校生”になっとる〜!」


結音

「うちもこうこうせいになったら、

おかあしゃんみたいに、

“肉まん半分ちょーだい”って言う〜」


光子

「その前に、宿題半分やりなさい」



放送開始後、

SNSにはこんなコメントが溢れる。


「M&YがWヒロインって聞いたときはネタかと思ったけど、

普通に“青春ラブコメとして”良すぎる」

「ツッコミの間が完全にM&Yで草」

「恋愛パートでキュンとして、合間のボソッで吹く」

「こはね&すずのモデル、絶対M&Y本人やろ」

「現実と2次元の境界が、また一つ壊された」


そして、

光子と優子は思う。


「音楽でも、バラエティでも、

声だけのアニメの世界でも、

やることは一緒やね——

“笑いとちょっとの勇気を届けること”」


こうして、

M&Yは “ラブコメ声優” という、新たな看板も引っさげて、

また一つ、物語のフィールドを広げていくのだった。

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