もうここまで来たら引き下がるわけにはいかないですからね。手動のコーヒーミルを買うしか僕に残された道はないわけなんですよ。もちろんすでにもう買いましたけど何か?
手動コーヒーミルを買いました。
アウトドア用のポータブルの細いデザインのやつです。
中古ショップで定価の3割引きくらいの価格で手に入りました。
我が家で二代目の手動コーヒーミルになります。
初代のコーヒーミルは、完全にレトロなデザインのやつでした。
下が四角い木のボックス状のやつで、上の金属の蓋をスライドして豆を入れて、ハンドルまわしてゴリゴリするやつです。
要はでかくて重くて置き場所をとるやつです。
使うようになったきっかけは、昔まだ僕が独身のときに見ていた、北海道が舞台のドラマでした。
タイトルは忘れたんですけど、『森の時計』っていう名前の喫茶店が舞台のヒューマンドラマで、マスターは息子さんといろいろあって疎遠になってるんですけど、いろんな人との縁で家族の絆を取り戻す話だったと思います。
その森の時計という喫茶店では、コーヒーを注文するとまず豆とミルが出てくるんです。お客は自分で自分の豆を挽きます。
満足するまで豆を挽けます。
満足したらマスターが、客の挽いた豆でコーヒーを淹れてくれます。もう素敵。
マスターは寺尾聰さんです。もうそれだけで価値が高いですよね。
素敵な理想の店でした。
マスターとお客で、のんびり会話のやりとりがあって、話が盛り上がって、みんな手が止まって誰も豆を挽いてなかったりするけどそれもまた良し。
客は客でいろんなドラマがあって、そんな話をマスターや常連にしながらコーヒーに口をつけて『はは……今日のはちょっと苦いや』なんて呟いたりして。
あれはたしか、小日向文世さんだったと思うな。
いいなあ。羨ましいなあ。素敵だなあ。
そんなことを思いながら、コーヒー飲んでドラマ見てたんです。
もうこのドラマはコーヒーなしじゃ見られませんでしたから。
で、たしか、当時お付き合いしていた人が、それと同じデザインのミル持ってたんです。
使いたい。使わせて。ゴリゴリしたい。
そんな感じでミルで豆を挽いてコーヒーを飲むようになりました。
けっこう大変なんですよね、あれ。
それなりに時間かかるし。
でも香りが部屋いっぱいに広がるのが、なんかすごくいいんですよね。
大変ですけど。重いけど。時間かかるけど。
結婚して子ども生まれて、さすがに手挽きで豆を挽いてる時間が完全になくなった時は、電動ミルを買っちゃいました。
初めて電動ミルでコーヒーを挽いたときは速すぎて感動しましたね。
場所も取るから、ずっと使ってた手挽きミルは処分してしまいました。
それからはずっと電動ミル(初号機)です。安物ですけど壊れずにずっと長持ちしてます。
今回買ったアウトドア用の手挽きミルは形状が筒型なので、初代のように置いて固定できません。
なので、力がうまくかからなくてけっこう面倒です。初代より二代目の方が手がかかります。
でも電動ミルで挽くときよりも、部屋に香りが広がる感じがしました。
大自然の中で使うのが今から楽しみです。