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6-9.依頼

その後も長いこと話し込んでいた。



結局、殆どノアちゃんとギルド長さんが話していたのだけど。

こうして私の過去の殆どがノアちゃんにも共有された。

なんだか気恥ずかしい。



「今回はどれくらいいるつもりなんだ?

せっかくだ、なにか依頼を受けてくれてもいいんだぞ?」


「アルカ!少しこの町に滞在しませんか?

アルカがよく行った場所とかも案内してください!」



え~

一泊したら通り過ぎるつもりだったんだけど・・・

まあ、急ぐ旅でもないのだし、

ノアちゃん様の希望とあらば

やぶさかではないのだけど・・・


なんかのフラグじゃないわよね?

こんな時って何かの事件に巻き込まれる原因になったりしない?


考えすぎ?

まあ、いいか。

少しゆっくりしていこう。

慣れたこの町なら少しだけ気楽なのも事実だ。



「少し滞在する。

何日になるかは気分次第」


「そうか。それは何よりだ

早速だが、この・・・」



なんか依頼票広げ出したんだけど?

え?なにその?なんで準備万端なの?

やっぱり元々そのつもりだったの?

どうしてギルド長はどこでも依頼受けさせようとするの?



私が戸惑っている間に、

ノアちゃんが勝手に依頼を選び終えていた。


ノアちゃん・・・

逞しくなったね・・・

もう私に確認したりしないんだね・・・


「何言ってるんですか?

これは私の分です。

アルカの分はこっちです」


そう言って、ギルド長さんが広げた依頼票の残りを指す。


え?これ全部やるの?

というかノアちゃん一人で行くの?

なんでそんな楽しそうなの?


そう言えば魔王事件があったから、

普通の冒険者らしい事はあまりやった事ないのか。

ノアちゃんの事だから、楽しみにしていたのだろう。

まあ、そういう事ならお付き合いしますとも。



「なら全部二人で行きましょう?

ノアちゃんが選んだ分は口も手もださないから」


「良いですね!そうしましょう」



結局まんまと乗せられた気もしなくはないが、

依頼の山を抱えてギルド長さんの元を退散する。


「全部終わったら飲みに連れて行ってやる。

だから早く終わらせてまた来い」



「楽しみにしています。

では、失礼します。ギルド長さん」


ノアちゃんもそう呼んでたの!?

というか、お酒はなぁ・・・

ノアちゃんもいるし食事の美味しい所にしてもらおう。




そうして、またもギルドロビーで取り囲まれる。

私が我慢できずに飛行魔法と転移門のコンボで逃げ出すまで続いた。



ノアちゃんは結局助けてくれなかった。



「そろそろ機嫌直して下さい。

ごめんなさい。やりすぎました。

でも、あれだけ歓迎してくれてる人達から

アルカを取り上げられなかったんです・・・」



いかん、そろそろ本気で落ち込んでる。

大人気おとなげなかった。



「こっちこそごめんなさい。

別にノアちゃんが悪いわけじゃないものね」


「アルカ!」


まだ町中なのにノアちゃんから抱きついてくる。

ごめんノアちゃん八つ当たりだよね。

もう無視したりしないから。



ノアちゃんを連れて、昔泊まっていた宿に辿り着く。


「もしかしてアルカかい?」


宿の女将さんが私を見て驚く。


「うん」


「あらあら、こんなに大きくなって。

しかも子供まで作ったの?」


「うん」


「うん、じゃないでしょ!

はじめまして。ノアと申します。

アルカのおりです」


せめてそこは親友とか愛娘とかにしてくれないかな?


「あら、こっちの子はしっかりしてるのね!

ノアちゃんね。アルカは元気にやってる?」


そんな感じで、またも私の事で盛り上がる。

私の前でそんな話しなくても良いじゃない・・・



「ということで、多分数週間ほどお世話になります!」


「アルカとノアちゃんなら大歓迎よ!

昔アルカが使ってた部屋がちょうど空いてるの!

二人だと狭いけど、せっかくだしそこに案内するわ」


「良いんですか!やったー!!」



ノアちゃんが飛び上がって喜んだ。

なんかキャラ違くない?

そこまで嬉しい?

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