59-08.神様体験
『なるほど。確かに微妙ですね』
融合したノアちゃんもセレネと同じ反応を示した。
「まったく。程々にしておきなさいよ」
いつもとは逆に、ノアちゃん、セレネ、ニクスが私の内側に入り、イロハ、ハルちゃん、ツク姉、ルーちゃんが外側で私たちの様子を見守っている。
さっきまでシーちゃんとアイリスも合流してくれていたけど、一通り調整が済むと自分たちの作業に戻っていった。
私たちはこのままの状態で暫く生活してみることにした。
目的は二つだ。
一つは新ニクスにノアちゃんの要素も混ぜること。
もう一つはノアちゃんに神の領域を体験させること。
もしかしたら新ニクスはノアちゃんの悩みを解決するための橋渡しとなるかもしれない。
ノエルとセラフが私たちの人の部分を繋ぐ存在ならば、新ニクスは神の部分を繋ぐ存在になり得るかもしれない。
これは存外と悪い手とも言い切れない。怪我の功名というやつだろうか。
『私の誕生を怪我とか言ってほしくないんだけど』
ごめんて。
『名前も考えてよ。新ニクスなんて嫌だよ』
……ニクツー?
『却下』
『ニュー……ニュクスなんてどうかしら?』
一周回って。良いね。元ネタ的には近づいたわね。
『無し。元ネタとか言わないでよ。だいたいややこしいでしょ。何も知らない人からしたらさ』
『本当にこれはニクスですか?』
だよね。疑問に思うよね。ニクスしては気が回りすぎだよね。
『そこは私の要素に決まっているじゃない』
まあ、うん。セレネは自分で言うだけあって、気の利く子ではあるのよ。本来は。
『アルカには横暴ですからね。あと単純に不器用なので。口ほどに役立つわけでもないという面もありますね』
『うっさいわね!』
さて困ったわね。ニクスの名前、どうしよっか。
『ノエルとセラフに合わせるのはどうかな?』
天使っぽい名前?
ノアちゃんとセレネでノエルとセラフだから……。
「『ニルム』にしましょう」
『良いね♪ 採用♪』
『なんだか普通ね』
『ありきたりですね』
辛辣ぅ~。
『良いの! 私が気に入ったんだから!』
『『はいはい』』
ノアちゃんとセレネ、ちょっとイジケてる?
『『べっつに~』』
あはは♪ 可愛いなぁ♪ もう♪
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「ノアちゃん。試しに私の身体を使ってみない?」
『やります!』
「ハル」
「てつだう」
「お願いね♪ ハルちゃん♪」
「わたくしがお相手を♪」
「お願いね♪ ツク姉♪」
『イロハとルージュもツクヨミについて。私がノアにつくから』
「構わないわよ」
「る~」
ノアちゃん&ハルちゃん&ニルム vs ツク姉&イロハ&ルーちゃん。
これで三対三になったわね♪
私とセレネは中で見ていましょう♪
「やるわよ! ツクヨミ! ルージュ!」
「「がってん!!」」
おぉ!? まさか!?
三人の身体が混ざり合い、一人の少女へ生まれ変わった。
懐かしの合体戦士だわ! ラヴェリルちゃんとはまた違った雰囲気ね♪
『この形態はなんと呼ぶのかしら?』
う~ん……イロ……ツク……ルー……ツロル!
「「「ダサい!!」」」
だ~よね~♪
イヨルにしましょう♪
「私たちもやりましょう! ハル! ニルム!」
『『がってん!』』
私の身体がノアちゃんサイズに変化し猫耳と尻尾が生え、ハルちゃんの『ドラゴニックアームドブラックなんたら』が起動し、ニクスの神衣を身に纏った。
……あれ? これだけ?
もっとちゃんと合体しないの?
『最初だからさ。追々慣らしていくよ』
それもそうね。
すぐに試合が始まった。イヨル組が終始圧倒していた。
ノアちゃんは慣れない半神の身体を使いこなせず、折角の高い身体スペックを完全に持て余してした。
ハルちゃんが制御しようにも、ニルムまでもが振り回してしまうせいで、上手くバランスを取れてはいなかった。
どうにもニルムは記憶と感覚に差がありすぎるようだ。思えば何の調整も施していなかった。純粋なニクスのNPCではなく、その神としてのコアを持たぬ状態で私とセレネを使って穴埋めをしただけなのだ。当然本来のニクスと同等の力なんて振るえる筈もなかった。
三人ともてんでバラバラだ。これじゃあイヨル組に勝てる筈もない。なんなら合体をやめて肉体もバラバラに戦った方がまだマシに戦えそうなくらいだ。
イヨル組は決して容赦しなかった。完璧な一心同体ぶりを発揮してノアちゃんチームを徹底的に叩きのめした。




