1-1.出会い
私は可愛い女の子が好きだ。
昔は二次元で心を満たしてきた。
けど、ここでなら!
この異世界ならば!
ケモミミからエルフまでよりどりみどり!
あるとき、この世界に転移してきた私は、早速出会いを求めて世界を巡った。
しかし生来からのボッチ気質が邪魔をして誰とも仲良く出来なかった!
そんなこんなで路銀稼ぎに始めた冒険者として大成した私は、奴隷を購入する事にした。
資金は潤沢だ。
「明日こそ・・・」
奴隷の購入は、この世界ではおかしなことではない。
けれど、転移前の常識が邪魔をする。
また今日も悩んでいる内に一日が終わってしまった。
最後に家を出たのはいつだろう。
幸い働かなくても生きていける程度の蓄えはある。
最近はギルドからの呼び出しもない。
呼び出されれば行かざるを得ないが、
私が必要になる事なんてそうそう無い。
自分で言うのもなんだけど、私は強い。
冒険者としては最高ランクだ。
「もうご飯無いな・・・」
いずれにせよ、明日には買い出しにでなきゃいけない。
そろそろ覚悟を決めよう。
翌日昼過ぎまで寝ていたけど、なんとか家から這い出してそわそわしながら町に繰り出した。
奴隷商館に辿り着き、たっぷり数時間は近所でウロウロしてから入っていく。
「お客様。当館は初めてですか?」
私は黙ってうなずき、冒険者カードを提示する。
「これは!どうぞ奥の部屋までご案内致します」
高ランク冒険者の立場は便利だ。
何も言わなくても相手が気を使ってくれる。
もともとコミュ障気味だったのに、
最近では輪をかけて酷くなった気がする。
「本日はどの様な者をお探しで?」
「若い娘。家事」
「かしこまりました。只今お連れ致します」
しばらくすると、15~20くらいの年齢の娘達を連れてくる店員。
「もっと若いの。経験はなくても良い。種族も問わない」
「かしこまりました」
無愛想な私の言葉に嫌な顔一つせず戻っていく店員さん。
良かった。優秀そうな人だ。
二度手間かけさせてごめんよ・・・
今度は私の要望どおり、10歳前後の少女達を連れて戻ってきた。
店員は一人一人紹介していく。
その中で、ケモミミ美少女に心を奪われた。
真っ白な髪に猫耳だ。
瞳の奥からは意思の強さが伝わってくる。
「この子」
店員の説明も聞かずに指し示す。
「流石は高ランク冒険者様お目が高い」
店員はすぐにケモミミ娘の説明を始める。
名前はノア。家事経験無し。戦闘系スキル持ち。
値は張るが、優秀だと言う。
私は迷いなく即決した。
「ノアも良い?」
「?
仰せのままに」
直ぐさま手続きが行われ、ノアは私の奴隷となった。
ノアを連れて家に帰ったところで、食料を買っていない事に気づく。
今日は外で食べよう。
「ノア何食べたい?」
「なぜ私に聞くのですか?
先ほども疑問でしたが、私は奴隷ですよ?」
ノアは訝しげな目で見てきた。
奴隷を買っておいて何だけど、別に奴隷として扱うつもりはない。
ただ、仲良くして欲しいだけだ!
「仲良くですか?」
ノアは意味がわからないと首を傾げる。
「私この国の人間じゃない。奴隷無いところから来た。
奴隷文化は馴染まない。
でも一人は寂しい。だから買った。
ノアの事、奴隷として扱えない。」
「なるほど。
それでかわった喋り方をしてらっしゃるのですね」
ちがいますぅー!そっちはコミュ障なだけですぅー!
「ともかく事情は承知致しました。
ならば私もそのように振る舞いましょう」
ノアちゃん優秀!
臨機応変な対応が出来る子で良かった!
断固拒否ってされたらどうしようかと思ったよ。
こうして念願の可愛い女の子との生活が始まった。