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悪魔の生贄が救国の乙女になるまで  作者: らな


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第96話 決戦の日

6月5日の深夜。

レイアはクルム侯爵家の聖堂にいた。


アルベルトを召喚する儀式を行う時刻が来るのを待つ間、レイアは聖堂の中を見回し前回ここに来た時のことを思い出していた。

初めてアルベルトを見た時はその圧倒的な魔力に恐れおののいた。


むざむざ生贄になるのは嫌だったから、勝てないだろうとは思ったけど一矢くらい報いたいと思ったのよね。


死にかけて神聖力が高くなり厳しい鍛錬も乗り越え、自分でも1年前と比べ見違えるほど強くなったと思っている。

しかし、エルフリードやクララには勝つことしか考えていないと言ったものの、レイア自身は正直どうなるか分からないと思っていた。

僅かな期間だが一緒に生活をしてみて、アルベルトの魔力の高さや底知れなさは嫌という程感じたからだ。


「ふう。」

レイアは大きく息を吐き、聖堂の時計を見た。

あと少しで6月6日だ。


レイアは小刀を取り出し左手の指先に小さな傷をつけた。

血が滲み出る指を舌先にのせた。


ボーンボーン


時計が鳴った瞬間、レイアは悪魔召喚の呪文を唱えた。

「メウス・サングイス・オッフェレ・サタナ・ヴェニ・アド・メ」


しばらく待つが反応はなかった。

ここまで念入りに準備をして、多くの人を巻き込んでいるのだ。

失敗は許されない。


レイアは緊張で顔を強張らせながら、血が滲む左の指をもう一度なめた。

「メウス・サングイス・オッフェレ・アルベルト・ヴェニ・アド・メ」


再度呪文を唱えるとそれに反応するかのように祭壇から黒いもやが噴き出した。

見覚えのある光景だ。

喜ぶ状況ではないのだが、レイアは少しホッとしてもやを見つめた。


来る・・・。


そう思った瞬間、目の前にアルベルトが立っていた。

冷たい美貌や圧倒的なオーラは健在だ。

レイアはゴクっとつばを飲み込んだ。


「逃げたくせに自分から呼び出すとはな。私が恋しくなったか?」

呼び出された理由は分かっているだろうに、アルベルトはニヤリと笑いそんなことを言った。


「あなたを祓魔します。」

レイアは真正面からアルベルトを見つめ、そう宣言した。

「ほう?少しは強くなったようだが、本当に出来ると思っているのか?」

アルベルトは馬鹿にするように鼻で笑った。

「やってみないと分からないわ。」


レイアは集中し神聖力を高め、目を凝らしアルベルトを見た。


見えた・・・。

左胸と右太もも。


アルベルトの命の核は、その部分だけ漆黒に抜けたようになっていた。

核を狙っていることを悟られないよう、まずは頭の辺りを狙い神聖力をぶつけた。

「おっと。」

アルベルトはそれを難なく右手で受け止め握りつぶした。

「久しぶりに会った夫に向かって結構な挨拶だな。」

そして、ニヤリと可笑しそうに笑った。

「愛しい妻と言えど、お転婆すぎるのは見過ごせない。しつけが必要だな。」

握っていた右手が開かれると、そこから黒い茨が出現し真っ直ぐにレイアの方へと向かってきた。

レイアは神聖力をぶつけその茨を破壊した。


それと同時に聖堂の扉が開かれ、聖騎士や神官たちがワラワラと中に入ってきた。

レイアの神聖力の発動が戦闘開始の合図だったのだ。


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