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悪魔の生贄が救国の乙女になるまで  作者: らな


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第94話 ヨハンとセドリック

ヨハンはそれらを全て実力でねじ伏せていたが、先の大神官が病に倒れ後継者を選ぶことになった時、事件が起こった。


大神官候補は最終的にヨハンとシュミット侯爵家出身のグスタフの2人にしぼられた。

グスタフも神聖力が高く優秀な神官だったが、ヨハンと比べると誰の目から見ても歴然とした差があった。


しかし最終選考に入った直後、ある神官がヨハンに暴力を振るわれ大けがを負ったと言ってヨハンを告発したのだ。

もちろんヨハンはそんなことはしていないと反論したが、実際に怪我を負っている本人の証言があるということで候補から外されることになってしまった。

そして、結局グスタフが大神官に就任することになったのだ。


陥れられたヨハンは神殿に嫌気がさし田舎に戻ると言い出した。

セドリックを始め彼を慕う者は多く引き留める者もたくさんいたが、ヨハンの決意は変わらなかった。


それから5年後、セドリックを含めた有志でヨハンの冤罪を晴らすことが出来た。

証言をした神官が、シュミット侯爵家に脅され嘘の証言をしたことを認めたのだ。


その結果グスタフは失脚し、再び大神官の選定が行われることになった。

セドリックはヨハンを呼び戻そうとレーゲンスブルクに手紙を送ったが、ヨハンは誘いを断った。


『今、大神殿にいる神官に中ならセドリックが選ばれるだろう。それなら自分は何も不満はない。自分は田舎で新しい生きがいを見つけて、今はそれが楽しくここでの生活が気に入っている。レーゲンスブルクからセドリックの活躍を祈っている。』

手紙を受け取った時は、正直がっかりした。


先生を大神官にするために頑張ったのに・・・。


その後、ヨハンの言う通りセドリックが大神官に選ばれ現在に至っている。


                 ※

「つまり、新しい生きがいというのはレイアの指導だったわけですね。」

セドリックはブドウ酒に口をつけながら尋ねた。

「まあ、そうじゃな。」

神聖力の高い者は、最初それを制御するのに苦労することが多い。

セドリックたちの指導でヨハンが学んだことだ。

「レイアは神聖力が高くて力を制御しにくかったところがセドリックと似ていたからなあ。昔を思い出して指導したもんじゃよ。」

ヨハンは懐かしそうな表情を浮かべた。


そんなヨハンを見ながらセドリックもフッと笑った。

「運命とは不思議なものですね。あなたは冤罪でひどい目にあいましたが、あの事件がなければ奇跡のようなレイアという少女は生まれなかった。そして、破壊の悪魔を討伐するなどという話が出ることもなかった。」

「ハハハ。そう考えたらグスタフに感謝じゃなあ。」

酒が入って少し陽気になったのか、ヨハンが楽しそうに笑った。


グスタフのことをこんなに明るく2人で話せる日が来るなど想像したこともなかった。

セドリックも笑顔になり頷いた。


こうして2人の夜は昔語りをしながらゆっくりと過ぎていったのだった。

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