表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/20

第13話 魔王の正体1

ハートランドさんからの連絡の内容は

魔王城への招待…魔王への謁見だった。


『ニキさんも一緒でも構わないとのことです。

なるべく早く来て頂けると…』

「わかりました…これから城へ向かいます。では後ほど…」


((むぅ…こんなに早く謁見できるとはな…))

(まったくだ…)


「ハートランドおじさんなんだって?」


「…魔王城へ来て欲しいって。

どうやら魔王が俺に会いたがってるようだ…」


「まま魔王さまっ!?リョーヘー何か悪いことしちゃったの…?」


「いや、分からない…断るわけにはいかないから今から向かうよ。」


「リョーヘー…あたしもついていく…!

魔王さまのことはよく知らないけど…みんなはこわい人だって…

リョーヘーに何かあったらあたし…」


「ありがとうね。ニキちゃんが居てくれたら俺も心強いよ。」

((我も居るから心配するでないぞ!ニキちゃん!))


こうして俺たちは魔王城へ足を運ぶのだった。


~~~~~

魔王城門


(これが魔王城…やっぱり日本の古城にそっくりだ…)

((やはりお主の世界の者が転生したのかもしれぬな))

(おそらくは…な)


「貴方が堺様とニキ様ですね。話は伺っておりますのでお通り下さい。」


門を守る兵の腰には刀がある。やはり俺の世界の…


「お待ちしておりました堺様、ニキ様、魔王様の居られる天守閣へ転送致します。

この魔法陣の上にお乗りください。」


俺達は魔法陣の上に乗る。

足元が光り出し光に包まれた。

シュゥゥゥ…


転送が終わると目の前には大きな金の襖があった。


「魔王様はこちらでお待ちです。…くれぐれも失礼の無いよう」

「…わかりました」


「魔王様。堺様一行をお連れ致しました。」


『 入れ 』


拡声器ではない、かなり通る声の持ち主のようだ。


襖が開かれると周りには家臣と思わしき列、ハートランドさんも見える。

まるで時代劇だ。奥には殿様らしき男が鎮座している。


「堺良平とニキ!!魔王様への謁見!只今出頭致しました!!!」

俺は物怖じせず魔王と呼ばれる男に向かって言葉を放った。


『 うむ。近う寄るが良い。 』


俺は魔王の元へ歩き出す。

ニキちゃんは怖いのか、俺のシャツを握ったままだ。


『そこに座れ堺。それと鬼娘もな』


俺達は座布団に腰を下ろし頭を下げた。


『面を上げい。』


俺は顔を上げ魔王の貌を見た。

髭を生やした精悍な貌に髷が結われた髪型そしてその眼は

(っ!なんだ!?視れないっ魔眼だというのか…!?)

((いや、魔眼ではない。あれはおそらく覇者の持つ眼力だ。))


『ほう。堺、中々の貌だ。その眼の傷はどう負った?』


「…戦闘による負傷です。爆発の破片で目を。」


(リョーヘーの右目…それで見えないんだ…)


『で、あるか。男の向こう傷だ。誇るが良い。』


「ありがとうございます。…その、あなた様が魔王様ですか」



『いかにも!儂こそが第六天魔王織田信長である!!』



「はっ??の、信長公!!??」


『! こやつ!儂の正体を知っておるな!? 』


家臣たちが一斉に刀を構える!

「きゃっ!!リョーヘー…」ぷるぷる

「あぁ…良平さん…!」


『よせ!』

その一言で家臣たちは何事も無かったように元の場所に戻った。


『堺と聞いて心当たりがあったがやはりな…貴様も転せ…』

「信長公!!どうか!どうか二人きりでお話がしとうございます!!」


『ふむ、許す。おい。遮音魔法を施せ!』


従者の一人が魔法の結界を作り、俺達と信長公の周りを覆う。


「…ニキちゃん、俺…魔王様と二人で話したいことがあるんだ。

ハートランドさんの所へ行っててくれないかな?」


「リョーヘー…うん…」

ニキちゃんはハートランドさんの隣に座った。


『堺、あの鬼娘は貴様の女か。』


「…大切な人です。」


『で、あるか。続きだ。

貴様、転生者であろう。それも儂の国ゆかりのな。』


「その通りです。信長公の死後…たしか四百八十…

489年後の未来の人間です。」


『ほう!未来とな!?500年後でも儂の名は轟いておるか!』


「そうですね。多分日本人で知らない人はそう居ないかと。」


『ハハハハハッ!!!これは痛快っ!!

して、儂が死んだ後、誰が天下を取った?やはり光秀か?それとも勝家か?』


「秀吉公です。光秀は秀吉公が討ちました。」


『は?サルゥ!?うーむ…サルがのう…その後は?』


「死後は徳川家が。徳川家はたしか260年ほど日本を統治して…」

俺は信長公に現在に至るまでの歴史を話した。

信長公は疑う様子もなく聞き入っていた。


『話を変えるが堺。

貴様はあのデカ女から何のスキルを授かった?

嘘は申すなよ?儂の眼は嘘を見抜く。』


(デカ女…スペクトラの事か。…正直に話すしかなさそうだ。)


「俺のスキルは記憶生成というもので、自身が視たもの…体験、体感した

物体を生成するスキルです。

…ところで信長公のスキルは不老不死のようなものなのでしょうか?」


『儂の歳の事を聞いたか。

近からず、遠からずだ。まだ貴様には教えぬ。

それで記憶生成とな?…何か出してみよ。

そうさな…貴様の時代の武器が良い!

戦いで負った傷であるなら武器があるはずだ!』


(抜かった…!目の傷は別の理由にすべきだった…!

いや、信長公は嘘を見抜ける…どうあってもバレるのは時間の問題だ…)


嫌な予感だ。きっと信長は俺に武器を生産させるに違いない…

魔王領は銃社会に…そして俺の武器で帝国と戦争にも…

それだけは駄目だ!!

俺のスキルはそんな事の為に使いたいんじゃないんだ!!


「お願いがあります…」


『許す。申せ。』


「今から銃…鉄砲をお渡しします。

ですがどうか、俺の銃で誰かを殺さないで頂きたい!

あくまで自身の身を守る為にでしたら信長公にのみ

信長公お一人だけに献上します!!」


土下座をしつつ、アイテムボックスにグロックを生成し信長公に見せた。


『…まあ良い。どれ… ほう?短筒か…使い方を言え。』


俺は信長公に使い方をレクチャーした。


『大体は理解した。どれ…』

パァン!!


信長公は奥の襖に向けて銃を放った。


『ムッ!これは…!』パァン!パァン!


パンパンと信長公は襖に向け連射する。声は聞こえないが

家臣達やハートランドさん達の狼狽える声が聞こえるような気がした。


『はぁ~…』

溜息をつき信長公は銃を見つめた。


『これが儂の時代にもあればのう…』


覇気が消えたせいか信長公の眼を見ることが出来た。

愁いに満ちた目…理由は解らないがどこか優し気のようなものを感じる…

そんな目を見た。


『堺。貴様は何故このような授けを受けた?

この力、この世界を支配する事も壊す事も出来よう!

正直に話せ!でなければこの銃口を貴様に向けよう!!』


信長の眼に先程と比べ物にならぬ覇気が宿る!

しかし俺は眼帯を取り、俺とヴェルトロ

二人の眼で信長の眼を真っすぐ見据えた!


「俺はこのスキルで飯屋を開きます!!

本来の俺の願いは飯を無限に出せる能力!!

経費がないので金の無い人にも俺の料理を

食わすことが出来る!!好きなだけ!!

しかし女神の提案で汎用面に優れる記憶生成を授けて貰いました!!

武器を出せるのは決して争いに使いたい訳ではなく

あくまで自身を、誰かを守る為!!

この世界の貨幣も生成する事も恐らくできます!!

ですが決して生成はしません!!

世界が壊れることが判るからです!!

だからこそ言います!!

俺は信長公、帝国と貴方の言いなりにはなりません!!

俺は自分の飯屋を…人も魔族も関係なく来てくれるような

そんな店を持ちたいだけです!!」


『…』


信長は俺達の眼を変わらず見据え続けていた。


【…あの厳しさと透き通るような視線…どこか懐かしさを感じるな…

勝家や蘭丸に道三…サルは…どうだったか?あぁそうだ…親父殿にも…

そしてもう一つの魔眼…

見た目はひどく禍々しいが悪意や敵意を感じさせぬ…

が、それは魔眼の力ではない。何とも不思議な眼だ…】


『…堺。貴様の言う事、嘘偽り無し!

この信長の視線を真っ向に受けるとは見事よ!!

…だがな。』


「!?」


『貴様は飯で人を喜ばすと申したな!?

ならばこの信長の舌を満足させてみよ!!

貴様の処遇、その結果で決まると知れ!!』


「…承知しました。」


『で、あるが、まだ条件がある!

それは食材は1種類のみだ!!

それもこの国の物でな!』


「な…!1種類だけ…!?調味料もですか…?

それで料理など不可能です!!」


『調味料に関しては好きにするが良い。

貴様の世界の物であれば許す。

ついでだ!食材も儂が決めてやる!

儂の嫌いな食い物がいい!!

トメト―を使って儂を満足させてみよ!!』


((この男…無茶苦茶がすぎるぞ!本当にこんな男が

良平の世界で人気の武将だったのか!?))


(そうだ…。しかしいざ本人を目の当たりにすると

光秀が裏切るのも納得してしまうな…)


「…このトメト―ですね?それならば既に入手してます。」


俺はアイテムボックスからトメト―の詰まった袋を取り出した。


『たわけめ!早速生成しおったか!!』


「いいえ、これは俺のアイテムボックスに入れてた物で

トメト―は先ほどオーク店主の店で12個買いました。

疑われるのでしたらお調べ下さい。」


『…嘘は言っておらぬな。よし、それを使うがいい。』


「そもそも俺はこの世界の食材や料理を生成する気はありません。

ただでさえ他の店より金がかからないのにその上で

他店の料理を出せるとなればこの世界で働く

料理人や商人の多くを露頭に迷わせてしまいます。

料理や食材等の生成は俺が元居た世界の物のみで行うつもりです。」


『で、あるか。まぁ多少は気が回るようだな。

では期限は本日中だ!

料理人であればこのこれくらい問題あるまい?

城の厨房を使え!調味料になるものは

自由に使って良し!!では料理にかかれい!!』


(…くっ!本当に無茶ばかり!)

((良平…大丈夫なのか…?))

(わからん…やってみるしかない!)



この難題…どう攻略する!?良平!!
























評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ