第53話 大輝の実力
1回目って何?富士の樹海から復活したのが1回目?2回目は海に沈んでるやつ?
大輝の考えてることがよく解らん。
「母さん、なかったよ。あれからだから若い衆だと思うんだけどね」
確かに。もっと前に白虎に入ってたなら、それなりの地位になってるでしょうね。最初から裏切る気満々でこの組に入ったってことになる。
朔斗君から話を聞いてみるか…。なんか申し訳ないなぁ。
「一応大叔父でしょう?印象とかない?」
「俺は正月にチラッと見るくらいだった。それこそあの家じゃ俺がサンドバッグだったから(笑)」
笑って話せるようになったから良かった。
「大叔父の印象は遠くから見ても、冷たい感じ。色だったら深い青みたいな」
「そっかぁ」
「爺さんは真っ赤だな」
赤川は兄弟で全く違うな。
「ごめんね~。大輝をいっぱい使っちゃって」
「俺に姐さんが遠慮する必要はないですよ。大輝の情報収集能力は今こそ発揮するべきでしょう?」
まぁ、そうなんだけどさ。なんか独占欲みたいのないのかなぁって。ん?我慢して握った拳から血が出てるよ?大変!
「朔斗君、大変だよ。血が出てる!早く蘭さんに診てもらいなよ!」
「このくらい平気ですよ~」
虐げられた経験からかなぁ?でも心配。
「蘭さんに診てもらいなさい!姐命令!」
「わかりました」
強引だけど心配なんだもん。仕方ないでしょ。
赤川弟…攻略が難しいわ。表に出てきやしない。どこかスキがないか……。
隙は意外なところで出てきた。
「あんた……死んだはずの赤川組の組長じゃないのかい?ああ、私は夢でも見てるのか?なんまいだ、なんまいだ……」
商店街のおばちゃんが赤川弟を発見した。普通は発見できないものだけど、そのおばちゃんは警察ものが好きみたいで、犯人の顔とかをよく覚えているそう。
流石に赤川弟も戸惑っていた。人目の多い商店街でおばちゃんを拉致するわけにもいかないし……。しかし、そこは影で生きてきただけのことはある。スキルを駆使しての難局の打開!
「マダム。私は兄のように生きてはいないのです。全くの風評被害で今までどんなに苦労をしてきたことか!」
「そいつは苦労したんだろうねぇ」
「泣かせる話じゃねーか、兄ちゃんこれを持ってけ!」
赤川弟はマグロの切り身を手に入れた。
「皆さん暖かいのですね、ありがとうございます!それでは失礼しますね!」
「ってさ。いい話として商店街で話されてるよ?」
「何が『苦労してきた』よ?『兄のようには生きていけない』よ!その兄を傀儡にして生きてきたんでしょうに。しかし、この商店街のおかげで赤川弟にスキができたわね?」
「この映像から車のナンバーを割り出せるし、車が登録している住所もわかるよ」
「それは、よかった」
「父さん?」「大雄さん!」
「赤川弟のアジトみたいのも全くわからなかったから。いい話だ!」
「住所がわかればそこからわかるものもあると思う。それと、警察だってこの映像見てると思うんだ。で、こう思うよ「本当にこいつはまっとうなのか?」って。だから警察のPCもハッキングすれば、さらにいろいろわかると思う。警察が私の代わりに動いてくれるの。楽ちんよね~」
国家権力を利用するの?恐ろしい子に育ったわね…。




