第4話 傘下の小娘
先代の暗殺の話は丸く収まった。
そんな時にこの屋敷に若い娘がやってきた。
見た目が華やかで…頭悪そうな感じがした。
「大雄さんに会いに来たんだけどぉ、今日は仕事かなぁ?」
誰?
「傘下の組、赤川組のお嬢さんで赤川リコお嬢さんです」
「風の噂で大雄さんに姐さんがいるってことなんだけどぉ?」
「事実ですよ?」
「こちらが白虎組の姐さんのユキ姐さんです」
「初めましてだねぇ。ずいぶん若いじゃないか。高校は卒業しているのかい?」
私は値踏みをするようにリコの全身を見て、言った。
「馬鹿にしてるの?私は19歳よ!高校は行ってないわよ」
「へぇ、中卒ってやつかい?これからの極道はアタマも使わないといけないから高校くらい卒業しておいた方が良かったねぇ。で、用件は?」
互いに自己紹介をし忘れていたけど無視した。若い衆がしてくれたし。
「私は小さい頃から大雄さんの姐になるために育ってきたのよ!ポッと出のあんたなんかに大雄さんは渡さないわ」
「そんなことをあたしに言われてもねぇ。大雄さんがあたしを姐にするって決めたわけだし。あたしに決定権はないね。小娘が今できることはないから帰りな」
リコが顔を赤くして怒っているけど、真実だし。大雄さんがいないことには…。それに22時までこの小娘に居座られても正直邪魔だし。
「わかったわよ。今日のところは帰ってあげるわよ」
何故上から目線?
屋敷の若い衆に聞いた。
「ああいう小娘みたいのは他にもいるのかい?」
「はぁまぁ。でも姐さんの実力の屁でもないですよ!はっきり言って『傘下の組のお嬢さん』ってだけですね」
私はその日も傘下の組の動向なんかを見、さらには帳簿とも見合わせた。なるほど、さっきのリコって小娘の組、赤川組が一番白虎組に上納金を入れてる。しかし、その金の収入源が気になる。他の組の金の収入源はどうなっているんだろう?
「赤川組みたいな組がまた傘下に組を抱えていて、その組の上納金ですね。最終的には、風俗店の経営とかですか?最近では土地を転がして金を作っている組もあるらしいっす」
「へぇ、なかなか頭の回る人間がいるようだね。不動産業なんかもしてるんじゃないかい?」
「へい!その通りです。他にはパチンコだとかですね。でもこの不況でどこの組も上納金を集めるのにかなり苦労しているって聞きますけど。上納金がその組の忠誠心を表しますからね。下手に少なければ白虎組に傘下の組を潰されます」
弱肉強食が凄まじい…。分かりやすいと言えば分かりやすいけど。
リコを姐にしようとしてたのは忠誠心というか、政略的に白虎と繋がりたいという思惑が透けて見える。




