第31話 黒い赤川
俺は新橋の報告書を読んだ。
『交際費』の交際相手は何のことない、RRカンパニーの中の重役だった。つまるところ、会社の中が薬漬けだ。
収入が大きいから交際費でかかっても問題ないんだろう。組が経営してる会社だし。会社の社長は雇われ社長だけれども、会長職は赤川本人。
社内の残業が多い部署の社員に労いと言って、薬入りのドリンク剤を飲ませる。まぁ、最初は残業でも大丈夫なくらい頭が働くだろうな。でも、そのうち、依存してしまって…。というパターンだろうな。すぐに「自分はオカシイ」と医者に診てもらったならいいだろうけど、最初の高揚感から依存してしまった社員はそのままという仕組みだろうか?
収入というか、搾取か?社員に支払うべき給料も支払わずに働かせていた。その分ローコストでハイリターンというシステムが構築されて、RRカンパニーは成り立っていたのか。今まで外部に漏れなかったのが不思議なくらい真っ黒な会社だな。
ん?必ず社員寮に入ることがここの会社の義務。これはこの会社の社員の家族もだろうか?そうすると、社員寮まで真っ黒という事に…。
寮だから、食事に混ぜて少量という事だろうか?全くもって黒い会社だな。
社員的には巷では徐々に値が上がるという薬を無料でもらえ、仕事に役立てると思い込んでいる。
しかし、実体は払うべき給料からすでに薬の分は天引きされていて、社員はただ奉仕するだけとなっている。
という事か…。
「はぁ。ここまでするかねぇ?」
「赤川ですから」
まぁ、過去に後継の実子を虐げていたようなところだから、俺の考えが及ばないような悪事もやってのけるんだろうが……。
「コレをもう25年以上続けているのか?」
「そういう事になりますね」
「そうだよなぁ。こっちが頭痛いわ」
「赤川を有無を言わさずに潰す証拠としては、朔斗が手に入れた表・裏の帳簿、姐さんが作ったグラフ(俺達でもわかりやすいから)、俺が作った報告書の3点が今のところの証拠となります」
「RRカンパニーに勤めてるやつに知り合いいないのか?」
「うーん、もしかしたら蘭の知り合いにいるかもしれませんね。聞いてみます」
蘭を聴取したところ、大学の時の友人がRRカンパニーに勤めている人と結婚しているという。もちろんこの友人もRRカンパニーの社員寮で暮らしている。新橋の報告書通りなら友人も薬漬けになっていることになるが?
「え?本当ですか?至急連絡を取り、彼女の旦那と共に会ってもらいます。その際に血液を採取します!二人をこちらで保護できるのが理想的なんですが…」
「恐らく、蘭がうちの若頭の妻だとわかって、向こうも警戒しているだろう。ボディガードも数人つける」
「そうですね。表向きは『久しぶりの友人との再会』ですけど、違いますもんね」




