第12話 診察してくれる医師
唯一、私を診てくれる産婦人科医が結構遠方で暮らしていることがわかった。大雄さんはその方をこの屋敷に招待することとした。
竹内蘭さん。この方に、私が妊娠中何かがあれば大変なこととなる。ということで、私の妊娠がわかったら、竹内さんも共に生活をすることとなった。
大雄さんが診察室用に清潔な部屋を用意してくれた。組員の方が頑張って掃除したんだろうなぁ。
「妊娠検査薬って結構正確なんですよね。姐さんは複数しようしたんですよね?それが全部陽性でしたら、まぁまず間違いなく妊娠してらっしゃるでしょうけど、診ますね」
極道を嫌がる方が多い中で極道と厭わずに診てくださる貴重なお医者様。
「あ~、妊娠してらっしゃいますよ。それも双子ですね。おめでとうございます!」
初産で双子と言うのはかなり辛いと聞くんだけど、私は大丈夫かな?
「性別、知りたい派ですか?」
「えーと、今夜帰ってきた大雄さんと相談して決めたいと思います」
「うふふ、お二人は仲良しラブラブですね!」
なんとも気恥ずかしい思いをすることとなってしまった。
「この仕事をしてるとね、旦那さんにDVを受けている方とか、意にそぐわずに妊娠をなさる方とかにお会いするものですから、なんだか初々しくてこっちまでなんだか嬉しくなっちゃう」
「初々しいって、私と大雄さんは結婚してからもう5年近くになるでしょうか?」
「え?そうなんですか?」
「正式に籍を入れたのはごく最近ですけど、私が組で姐をし始めてからもう5年くらい経ってますよ」
「はぁ、極道さんは色々あるのですね」
「それで、出産までにサポートでこの屋敷に住み込みでお願いします!竹内先生に何かあってもいけませんし。……大雄さんは過保護ですし」
「了解しました。姐さんが無事に出産出来るように全力でサポートさせてください!」
竹内先生は屋敷で生活することに了承してくれた。強面の男に囲まれての生活になるんだけど……。いや、皆いい人なんだけど。
大雄さんは産婦人科で使うような用具なんかをキッチリと新調してくれた。
「ユキさん、愛されてるわね~。この機器、最新のやつよ?私なんかカタログでしか見たことなかった。お高いのよ~」
組員の皆も私の妊娠をサポートしてくれて食事を作るとかは自分達で頑張ってる…文句を言いながらだけど。安定期に入ったら私が作れるようになるかな?
他にも屋敷の中の掃除とかもしてくれている。
「出産を汚いところでするわけにはいかないでしょう?それも四代目になるかもしれない御子!」
大雄さんは定時帰宅してくれている。
「体調は大丈夫なのか?先生?大丈夫なのか?」
そんな大雄さんを見て竹内先生は笑ってしまう。
「本当に姐さんが大切なんですね。えーと、まず姐さんは妊娠をしてらっしゃいます。それも双子です。彼女の体調ですが、今はまだ安定期ではないので安静にしているのが良いかと思います。そのうち悪阻なんかも出てくるでしょう」
悪阻……辛そう。是非とも悪阻の軽い人でいたい。そう願おう。
「ユキ、今は安静にしてるんだぞ!家事なんかは組のもんがなんとかやってるからな!」
「お子さんの性別なんですが……」
「大雄さんは性別を知りたい派ですか?」
「うーん、楽しみを取っておくことも重要だけど、買い置きが出来るのは性別がわかってる方だよなぁ。とにかく、双子って言う事はわかった。性別についてはよく考える!」




