第114話 外伝㉙ ヤクの取引
サツの方でも赤川がいなくなってヤクを横流しする取引先がいなくなってたところに現れた男だから歓迎している感じらしい。
今の赤川組のこの男の名前が渋島。で、若頭が和。
この若頭、名前とはうらはらに相当和まないようで、一匹狼的な感じがするらしい。
「今の赤川はうちの傘下じゃないから、ヤクを扱おうと関係ないんだけども。うちのシマでヤクが蔓延するのは許さん。早急に対策を練る。大輝、こいつらの情報は?」
「とりあえずいまのところは30代ということだけ。四代目の意向としては、赤川組を潰す方向で行くの?」
「そうだなぁ。俺はヤクをうちのシマで流さないでくれたらいいんだけどな。素人のカタギさんはどこでも売っちゃうからなぁ」
「赤川サイドは問題ないんだよ。横流しを持ちかけるサツにも問題はあると思う」
前回、横流しの舞台となったビルは買い取り、今は更地となっている。
「今回はどのような方法で横流しをするのか、その現場を押さえることが出来たら……。その動画をネットで流す」
というものの、あのサツの管轄がうちのシマとかぶってるんだよなぁ。
横流し方法は原始的な方法となった。
駅のロッカーに現金を入れ、どこのロッカーかと暗証番号を伝える。サツは横流しに使うヤクをそのロッカーに現金と引き換えに入れる。を繰り返す。
というもの。
「前よりも原始的になったんじゃないか?これはどういう事だ?うちの情報収集能力を試しているんだろうか?その可能性が無きにしも非ずというところだな一応大輝、駅のロッカーのあたりをハッキング…いや待て。うちがハッキングするのを待っているのかも。ハッキングという犯罪でしょっぴきたいのかもしれない。現に監視カメラと目が合った」
これは三代目に出て来てもらう案件だろうか?
「なんだよ!ユキとお楽しみだったのに!」
その卑猥に姐さんの胸を触る手を離してください。姐さんは付属品ですか?
「赤川組が復興したのですが、サツが介入してきてやりにくいです」
俺は三代目にこれまでの状況を説明した。
「はぁ、監視カメラを見ている時点で既にハッキングしているだろう?サツもそれはわかっているみたいだな。目が合った時点で。それなのに取引を続けようっていうあたりが怪しいな。俺だったら、こっちは陽動で他のところで地味~に取引をしてるだろうな。そうだなぁ、本の貸し借りをするみたいに堂々と」
なるほど本の貸し借りか……本の内側をくり抜いた特殊な本を用意するのか。それにヤクを入れたものと現金を入れたものを受け渡しに使う。そうするだけで取引が完了。周りには多くの人がいるだろうけど、本の貸し借りにしか見えない。
「サツが卑怯な方法を色々と指南してるんじゃないか?赤川兄弟は放っておいても卑怯だったけれど、赤川組の新しい組長はそれほど卑怯でもないみたいだな。サツが考えるレベルだ。本じゃなくてもビデオ…あ、今はDVDか?そのソフトのケースに入れるって手もある。貸し借りだが、中身がな?」
流石は三代目。やはりの洞察力。自分だったら…と考えることも大事なのか。まだまだ俺は未熟だな。やはり組長歴がものを言うんだろうか?




