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聖女ちゃんは免れたい!〜力の為のR18展開なんて断固拒否します〜  作者: そらいろさとり


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85.聖女ちゃんは万能です



 ダンスホールを逃げ出すように後にしたわたし達は、クレープを先導に裏道を歩いていたが、そのクレープの横にはいつの間にか男子の制服に着替えたアルフが並んでいる。

 その2人の一歩後ろを疲れ切ったわたしを支えるようにトウドが腕を組んで歩いてくれると、前の2人が仲良さげに会話を始めた。



「アルフくん苦労するよぉ〜? ナタリーって、考えるより先に体動いちゃうじゃない?」


 三つ編みが歩みに合わせてぴょこぴょこと動くクレープがアルフに言えばアルフと大きく頷いて、


「そうだね。むしろ脊髄反射で動く」

「そうそう。姉様ってば頭で理解するより先に走り出しちゃうんだよね〜。そのくせ後悔だけはしまくってるみた〜い」


 今度はトウドが困ったように眉尻を下げてアルフに言えば、またアルフは振り向きながら躊躇うことなく頷いて、


「そうだね。そのくせ気にしてないふりが下手すぎる」

「「 わっかるぅ〜 」」


 そのアルフの返しに今度はクレープとトウドが大きく頷く。


「ねぇ、3人とも……さっきから絶対貶してるよね??」

「そんなことないからね♡」


 クレープが一応フォローしてくれたみたいだけど、アルフとトウドは『はぁ〜』と大きな溜息を吐く。



「ナタリー、ホントにこれでひと段落なんだね?」

「多分?」


 曖昧な頷きをしながらそんな返事をすれば、呆れたような顔を返されて、わたしも不満げに言葉を返す。


「だってわたしもわかんないんだもん」

「聖女なのに?」


 アルフのその言葉に勢い余って口火を切ってしまう。


「聖女だからって、人よりちょっとだけ知ってただけで……、聖女の力って全然万能でもないし……っ!」

「そうだね……。ごめん」

「それにそのちょっと知ってたのと全然変わったから、この先なんてわかんない……っ」



 弟の前で泣きたくないと思い涙は堪えられても震える声で反論すれば、アルフがこちらへと近付いてくる。


「ごめん」


 わたしの頬に手を触れて繰り返されるお詫びの言葉はきっと心からの言葉だと……小さく頷いたまま顔を伏せていれば、クレープは「先に行くね」とこの場に留まりたそうなトウドも連れて先に行ってしまった。



「ごめん……」

「わたしこそ、ごめん……。ついムキになっちゃった」


 近付く様子だがわたしが顔を上げなければ、そっと手を伸ばされると、そのままおでことおでこつけられる。



「ああああるふ!?」

「別にいいでしょ?これくらい」

「勿論いいけど!!!」



 気がつけば両頬に手を当てられて、吐息のかかる距離でのこれは恥ずかしいと目が回りそうになれば、アルフは額を離してわたしの顔を少し上げたので、至近距離で目があってしまう。


 キスの距離だとか、気付けば今は両思いなのだとか、騒動はひと段落したとかさておいて、さっきまで片思いだと思っていた相手にこんなことをされて冷静でいられるのなんて人間ではないなどと慌てる心は裏腹に、身体は直立不動から動かない。



「ナタリー」

「はいっ!?」

「あのさ、目を瞑ってくれる?……これでも僕も恥ずかしいんだ」

「ハイッッ!!」


 ギュッと目を瞑った瞬間、その気配を感じてわたしは反射的にアルフの頭を片手で押さえて伏せさせると、近場にあった丸太をそちらに向かって力いっぱい投げつければ、慌てたような声と共に見覚えのある防御魔法が展開された。



「待て!!俺たちだニャタリー!!」

「……だから?」

「だからってなんだ!!?」



 いいとこだったのにッ、と睨みを聴かせて言い放てばアルフが服を払いながら立ち上がる。


「……君はもう少し手加減とか知らないかな?」

「え!!? あ、ごめん!?」


 そのジトっとした目に慌てて謝れば、ブルーノが冷や汗を浮かべながらアルフを見つめ、


「……君は、なんで今ので無事なんです?」

「慣れですかね」

「あんな攻撃、慣れでどうにかなるものですか!?」

「上から来た力は少しズラすのがポイントです。ちなみに今のは攻撃ではなく、ナタリーにとったら防御程度ですので」

「今の一瞬の受け身を真似できる気がしませんが……いや、お姉様、照れるとこではないので」



 アルフの言葉に熱くなる頬を抑えれば、ブルーノが半目でこちらを見返してくる。


「そんなことより聖女ニャタリー。卒業後も王都へと留まってくれ」

「嫌!!」

「せめて間髪くらい入れてくれ」

「絶対帰ります!!」



 フンスと鼻息荒く伝えれば、王子は大きなため息を吐き、


「そうかと簡単に了承できぬこと故、また話をしようか」

「しないです 王都に居ない 帰ります」


 断固拒否の言葉を語呂よく返せば、王子が頭が痛いとばかりにガシガシと頭を掻く。


「王妃にはなりたくないのだろう」

「はい。シャルティエ様とのお幸せを心から願っております」


 綺麗にカーテシーをして背を向ければ、「待て待て待て」と声が掛かった。


「シャルティエは……、ナタリーが表舞台に立ちたく無いと言う以上このまま聖女のフリをして貰う」

「はい」

「しかしそれでは聖女としての活動には限界があるだろう」

「大丈夫です。今や世界はほぼ浄化しましたので、魔獣もきっと王子が生きてる間くらいは大人しいと思います」

「……は?」


 ただ真っ直ぐにその目を見れば、点になった目に見返される。


「ニャタリー……先ほどので本当に世界を?」

「まぁ大体全体曖昧それなりに、ってか聖女の力って万能ですよね。愛の力でなんとかなりました」


 ドヤっと胸を張って言えば、隣でアルフが素敵な声で「さっきと言ってることが……まぁいいか」とかいってるからまぁいいのです!!!







お久しぶりです!の、更新です!!!

ここから連日投稿で更新で週末完結します!

宜しくお願いします!!



『更新されない可能性が〜』とか、なろうさんからの注意まで入る程あいてしまってすみませんでした!!

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