第49話 安定
転移門を解放してもらったら、次のボスのところに行く。
このあたりの敵はまだまだ雑魚だ。他の人がどうかは知らないけど。
「すごいですね。敵を一瞬で切ってます。どういう反射神経をしてるんですか?」
「賢者の思考加速を使ってるから。リリアもたぶん持ってるでしょ?」
「そういえば持ってました。簡易ステータスでは見えないようにしてて、使い方もわからなかったので。」
「そんなに難しいものかな?使おうと思ったら使えると思うけど。」
「アバターとの同期率が高いんじゃないですか?同期率が高いとスキルや魔法が使いやすいって聞いたことあります。」
「そうなのかな?まあ、使いやすければなんでもいいけど。そろそろセベントスにつくぞ。」
「やっと!短かったけど長く感じたわ。」
「しっかり結界と氷魔法の準備しとけよ。」
「もうしてるわ!それよりも早く戦いましょう!」
「ああ。前回は1人で戦って圧勝したんだが、2人なら瞬殺できると思う。ボス部屋に入るぞ!」
「ああ!」
ボス部屋に入る。ここのボスも懐かしい。初めて1人で倒した初討伐エリアボスだ。
そして、終焉の爆焔の材料の赤の魔石(中位)を落としたボスだ。
そう思えば、こいつは今の俺の強さに貢献しているやつだ。
「氷魔法を当ててくれ!」
「言われなくても!」
リリアの魔法の杖から無数の氷が出現し、炎の鷹に向かって飛んでいく。
炎の鷹は避けようとするが、避ける先にも氷がある。
無数の氷の多くはヒットし、炎の鷹に大ダメージを与える。
鷹は落ちてきて、地面でスタン状態になる。
その状態に、氷属性の付いた終焉の爆焔とすべての属性にクリティカルが出る霊剣で切る。
どんどんダメージが入り、もうすぐ倒せそうなことが分かる。
トドメで頭に剣を刺すとポリゴンになって消え、経験値と素材を落とした。
「やりましたね。1人だったら絶対に無理でした。」
「一人でも行けそうな気がするけど。氷魔法でゴリ押しすれば。」
「その前にMPが切れると思います。」
「そうか。でも、俺が前に1人で討伐したときよりは簡単に倒せた気がする。」
「褒めているのか?でも、少しでも力になれたなら、嬉しい。」
「俺は事実を言っているだけだ。これからもよろしくな!」
「お前もな!」
セベントスの転移門を解放してもらったら、エイドルトのボス氷雪の虎を倒しに行く。
「次はエイドルトの氷雪の虎を倒すぞ〜」
「どんな敵かはわからないけど名前からして氷属性の敵?」
「そう。大会でお前を消し炭にしたあの魔法で蒸発したやつ。」
「あの程度の魔法で蒸発しちゃうのか。ほとんど氷じゃん。」
「でも、ドロップアイテムに虎のバターが出てきたからしっかり生物。」
「それを調理して噂の料理を作ったのか。うまそうだったな〜」
「噂になってたのか?あの鶏肉のグリル焼きとバター焼きが。」
「そんなやつ!素材余ったら作ってほしい。」
「作ってもいいが、量が多くなりすぎるから人が多くないと食べきれない。」
「そんな多かったの?確かに人はたくさんいたけど。」
「そう。あの人数でもギリギリだった。」
「そんな多かったのね。それで、どうやってそこまで行く?」
「面倒くさいから空魔法で飛んでいく」
「実際空魔法が一番早いですよね。」
「空に浮いてるから地面との摩擦がないからだと思う。」
「にしても、速いですよね〜しかも、揺れが少なくて、心地よい風を感じれるんです。」
「取らないと損する魔法という感じがする。」
「私も取っておいてよかったです〜」
「そろそろ着きますよ〜」
「はい〜」
とてもほのぼのとした雰囲気が流れていたが、もうすぐボス戦だ。今回もバターをドロップするだろうか。
「ここのボスは氷雪の虎だ。文字通り氷属性で、炎に弱い。」
「だから、炎で一気に叩くんですね?」
「今回は俺も魔法使いとして焔魔法を使う。しっかり結界と炎壁を出してるから安心しろ。」
「どのくらいで蒸発するんですか?」
「大体、中に入ったらプラズマ化するぐらい」
「そんなの出せる人なんてそうそういませんよ。頑張っても炎だけを極めた人ぐらいしか。」
「でも、俺は出せた。この剣のお陰で。」
「まず、その剣が規格外なんですよ。壊れない上に、確定で炎属性の攻撃が出て、おかしい火力の焔魔法を使えるんですから。」
「そうなんだけど、俺にとってはそれが普通なんだ。強い素材が手に入ったらお前にもこういう装備をあげるからさ。」
「絶対ですよ?どんな装備がもらえるのかな〜」
「そんなにすぐ準備できるとは限らないぞ。」
「それでもいつかはもらえるんですよね。」
「そうだが...今は、ボスを倒すか。」
「はい!焔魔法を目一杯使って蒸発させてやります!」
「頑張れ〜」
ボス部屋に入る。そこには白色の虎がいた。ほんの少しだけ懐かしい。
こいつの魔石を使って終焉の爆炎に氷属性をつけたのが、思い出。
「あいつですね?「炎魔法Lv.5 ヘルフレイム」!」
「焔魔法Lv.2 烈火。」
2つの炎が白色の虎に当たり、どんどんHPを削る。
まだ少し出力を上げられるのでMP消費量を増やす。
すると、太さがさらに増し、暑さも上がった気がする。
「もうすぐですか?そろそろMPが無くなりそうです!」
「もうすぐだ!」
そして、「氷雪の虎を倒しました」というウィンドウが出た。
「やりましたね!」
「初めて使った魔法だったが、結構使い勝手が良かった。」
そうなのだ。爆焔は固定MP消費でこれ以上火力が上がらないし、弾を一度放つだけなのでビーム状に出来ない。対して烈火は消費MPを変えて火力を変えたり、ビーム状にして持続的にダメージを与えられる。
「そうなんですか?私には使いこなしてるように見えました。」
「そう見えるのか。ドロップアイテムはやっぱり虎のバターか。」
「食材を手に入れれば料理できますね。」
「じゃあ、転移門を解放してくれ。ここらへんで待ってる。」
「はーい」
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