18、少女と事実
迷いに迷った。
肯定されたら、私はどんな反応をしたらいいのか。
否定されたら、私は喜んでもいいのか。
もし、晴明様が本当に結婚なさるのなら、
私はどうしたらいいだろう。私はどうしたいのだろう。
18、少女と事実
定は、教えてくれない。
教えられないのだと言う。
昨日庭から聞こえていた妖の声は昨日のことがあるからだろう、全く聞こえてこない。
知りたいけれど、知りたくない。
知ってしまったら、私は変わらなければならない。肯定されるにしろ、否定されるにしろ変化はあるのだろう。
変化は怖い。
けれど、気になる気持ちは恐怖を凌駕しようとしていた。
晴明様の自宅の前で、私は動けずにいた。
どのくらいそうしていただろう、しばらくしても決意は決まらなくて、これ以上足が進まない。
『姫様。』
優しく風が吹き、定が私に声をかけている。
「確かめに、来ました。」
私が言うと、小さく風が吹く。
『…お待ち、しておりましたよ。』
何度か訪れたそこを定に案内されながら奥に進む。玄関で、晴明様を待つことを伝えたが、晴明様が奥へ案内するように指示したらしい。
定は、決して逆らうことはできないと言う。
それは、定と晴明様の契約。
初めて晴明様を訪ねた日、あの日座っていた場所に悠然と彼はいた。
「……晴明様。お久しぶりにございます。」
この恋が終わるやもしれぬ今このときも、私は彼に恋していた。
久しぶりに会ったことに喜びを感じていたのだから。
「お久しぶりですね、姫。」
「………お聞きしたいことがあって参りました。」
声を静め、気持ちを静め私は言葉を紡いだ。
「その事を、どこでお知りに?」
全てを話終えた後の晴明様の言葉に絶望した。
肯定ととれる返答だった。




