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1.毒属性はテンプレに頼らない


俺は今異世界にいる。

なんでかは知らない。

トラックに轢かれたわけでもない。


『ステータスオープン』したわけではないが、自分の能力はわかっていた。

神様に会って教えてもらったわけではない。

毒生成

毒付与

毒鑑定

毒吸収

毒操作

毒耐性

ということらしい。


毒にも薬にもなる

なんていうが「毒」という元素はない。

即効性のある毒

なんていうがすぐ死ぬ毒なんてない。

フグだって、昔は誰でも料理してたんだ。

時々死んだくらいだ。

なんて思いながら異世界に降り立った俺は定番の「森」をふらついていた。

たぶん、美少女を助ける流れになるだろう。

だがその前に実験だ。


毒生成。

まあ、毒が作れるんだろう。

じゃあ毒ってなんだよ、ってはなしである。

硫酸は毒か。酸素は毒だろう。ヒ素が毒なら銀も毒か。毒婦も作れる?

例えばテトロドトキシン(フグ毒)を作ったとしてその毒はどこに保存されるんだ。

なんて思いながら美少女の悲鳴を待っていたが、一向にイベントが起こる気配がない。

「とりあえず作ってみるか」

「毒生成!テトロドトキシン!」

・・・・・・

何も起こらない。

えー、フグ捕まえないと駄目なパターン?

わざわざ具体的な名前まで言ったのに!

流石に何もない状態からは作れないか。

でも無から有を作れるのがチートってやつじゃないのか。


しばらく試行錯誤しながら歩いていると川にたどり着いた。

よし、毒の川にしてやろう。

ひっひっひ。

無から有が無理なら媒体があればいいのだろう。

本当にテトロドトキシンの川ができると怖いので、川の水をちょこっと手で掬った。

そもそも異世界にフグがいるかもわからんからな。

ありがちな毒にしてみよう。

「毒生成、麻痺毒!」

しゅううううと音がして手の中の水が変異した。

できた、のか。

えーーー。

どうすればいいのこの毒!

しょうがないので草むらに捨てた。

これ俺に毒耐性がなかったらやばかったんじゃないだろうか。

でもちょっと楽しい。

毒の名称なんて気にしなくていいっぽい。

大事なのは効果?ということか


その後いろいろ作った。

致死毒

幻惑毒

睡眠毒

催眠毒

毒はイメージである。

思った毒がなんでも作れた。

川の水で。

ただし、水は変質したが、本当にイメージした効果があるのかは知らん。

試せてないし。

全部捨ててるし。

毒鑑定した限りはできているようだ。

ちなみに毒鑑定は毒物しか鑑定ができないようで、森の植物も毒のあるものしか詳細がわからなかった。

例えば、鑑定を使うと、一部の植物にだけ反応する。

近づいてもう一度鑑定すると

『赤茄子:実をそのまま食べると激しく嘔吐する。熱処理すると毒素が消える』

みたいな感じだ。

川沿いを歩きながら、美少女救出イベントをあきらめかけた頃、街が見えた。

街を見て俺が最初に思ったことは

この世界にビンってあるんだろうか

ということだった。



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