第21話 シールド名誉騎士団
ジョナルド様と、その騎士団であるライオット騎士団は、城の防御を固めた。
森から出て来ては襲い掛かってくる魔物達に、城の大砲やライフル銃で応戦する。
城という有利な場所を得て、ライオット騎士団は何とか持ち直した。
「むう、この城は簡単に落ちはしないが、ライオット家の領地に向かう魔物を全て止める事は出来ない。このままでは、領民に被害が出る」
ライオット様は、城壁の上で顔をしかめた。
「あれを見て、ジョナルド様!」
私は、森と逆方向を指さした。
数百人程度の兵士達が、馬で城に向かってきていた。
先頭には、豪華に飾られた個人個人でデザインの違う鎧を身に付けた数十人の騎士団がいる。
「あれは、シールド名誉騎士団!援軍か!?」
シールド名誉騎士団は、ライオット様達の様な兵士の階級としての騎士達ではない。
貴族達から王が任命した、名誉騎士だ。
その者達は、ほとんどが戦闘能力が高いわけではなく、あくまで名誉としての称号だった。
しかし、シールド名誉騎士団は、その中でも強力な魔法の力を持った者を集めた王国最強の戦力だ。
おそらく、一人一人がジョナルド様並みの力を持っている。
「シールド名誉騎士団、騎士団長クライシ―・ブライラス。王の命により援軍に参った!」
城に到着した彼等の中の一人が叫ぶ。
銀髪に青い瞳の涼しいイケメンだ。
彼の手から大きな竜巻が放たれ、魔物達が次々に吹き飛ばされる。
「私は、ジョナルド・ライオット!助力を感謝する!」
ジョナルド様が、彼に声をかける。
「そなたが、ジョナルド卿か!噂通りの勇猛な姿!一緒に仕事が出来るのを楽しみにしていた!」
クライシ―卿が、華麗な剣捌きで魔物達の首を跳ね飛ばしながら、城壁の上の私達を見上げて言った。
散開した彼等の活躍は、凄まじく、侵攻してくる魔物達を、全て倒していく。
「ここは、大丈夫そうね。今の私なら、あの火事を少しは何とか出来るかもしれない。あそこまで連れて行って!」
私は、山の稜線に見える、黒い煙を指さした。
「しかし、危険かもしれんぞ」
ジョナルド様が、私を見て言った。
「大丈夫!ジョナルド様が一緒なら」
私は、彼の獣の様に金色に光る瞳を見つめた。
「よし…では行こう。みんな、後は頼んだぞ!」
彼は、覚悟を決めた様だ。
ジョナルド様は部下達に後を頼むと、私を片手で抱き上げ、城壁からジャンプした。
森の高い木の上を次々と飛び移り、山へと向かっていく。
木の下を見下ろすと、魔物達の群れが城へと向かって進んでいる。
急がなければいけない。
数十分、ジャンプを続け、山を駆け上がり、私達は山火事が起こっている場所の手前までやってきた。
「お願い!私の中の精霊よ!この火を消す力を!」
私がそう叫ぶと、下腹部にある魔法陣が青く光り、中から私そっくりで銀髪、青い肌の精霊が姿を現す。
「ふふふ、この封印も、もう意味が無くなってきたわね。これならば、あなたの願いも叶えられるわ」
精霊は、にっこり笑って言った。
「さあ、早く!」
空中にぷかぷか浮いて笑っている彼女を急かす。
「また、相当魔力を使うけど、覚悟は出来てるの?」
精霊が、私に本当にやっていいのか聞いてくる。
「お願い!早くしないと、領民に被害が出るわ」
私は、彼女に懇願した。
「いいでしょう。後悔しないでね」
精霊は、そう言うと、上昇して空に消えた。
「ゴロゴロゴロ…」
雷鳴が響いてくる。
山火事の上にだけ、暗雲が広がり、強い雨が降り始めた。
「ううう…」
急速に体力が奪われて、気が遠くなる。
みるみるうちに、私の顔から血の気が引いていく。
冷たい汗が、私の額を濡らす。
「しっかりしろ、私がついてる」
ジョナルド様が、私を抱きかかえ、手をしっかりと握ってくれる。
人に魔力を与えるには、特別な魔法が必要だ。
彼にも、私にも、そんな事は出来ない。
しかし、私は彼から力を貰っている気がしていた。
「んー」
私は、最後の魔力を絞り出す。
全ての力を使い果たした私の心音が、段々とゆっくりになっていく。
そして、私は意識を失った。
「シェイラ―!!」
遠くから、ジョナルド様の叫び声が聞こえた。
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